未だ知らない「森の記憶」が引き寄せる北欧~トーベ・ヤンソン展 | Rucca*Lusikka

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日々の気づきをノートに綴っていく。その時間が自分の未来をよりおもしろいものに変えていく。そんな気づきの一滴をすくって描くRuccaのブログです。Lusikkaはフィンランド語で「スプーン」のことです。

ムーミンの作者である、トーベ・ヤンソン展が横浜そごうで開催されています。

生誕100周年 トーベ・ヤンソン展 〜ムーミンと生きる〜

生誕100周年 トーベ・ヤンソン展 〜ムーミンと生きる〜サイトより写真引用

今年はトーベ・ヤンソン生誕100年ということもあって、春には銀座松屋で「ムーミン展」も開かれました。北欧ブームもあってここ数年、あちこちでムーミングッズを見ますし、大人気です。

私もムーミンが大好きなので、春のムーミン展も、今開催中のトーベ・ヤンソン展も観に行ってきました。そしてどちらもほんとうに素晴らしかった。

トーベ・ヤンソン展。グッズコーナーも大人気

そごう美術館で開催中のトーベ・ヤンソン展。グッズコーナーも大人気

 

銀座のムーミン展でのジオラマ。見応えありました!

こちらは銀座のムーミン展でのジオラマ。見応えありました!ここだけ撮影可ですごい人でしたがw

 

これも銀座ムーミン展のジオラマ。あちこちにムーミンキャラが♪

これも銀座ムーミン展のジオラマ。あちこちにムーミンキャラが♪

フィンランド人であるトーベ・ヤンソンは、彫刻家である父親と、画家の母親との間に長女として生まれました。そんな環境からか、子どもの頃から自然に絵筆を握り画家を目指しています。

ムーミン展では、ムーミン作品に焦点が当たった展示でしたが、トーベ・ヤンソン展では「画家・トーベ・ヤンソン」の作品が多数展示されていました。

その油絵たちが、なんというか、北欧女の力強さっていうのか…いや、わたくし北欧には行ったこともなければ北欧人の知り合いもいないので勝手なイメージで言ってますが、暗い空、暗い色使いはその風土から生まれたどうしようもない特色なんだろうけれど、暗い色なのに伝わってくる印象が明るいのだ。

マイナーコードなのに、明るく力強い印象を受ける音楽のような。

光の描き方かなー?それとどこか作品に混ざってる「おかしみ」的なニュアンスと、ちょっとの毒気もあるんですよね。これはトーベが戦時中風刺画なども描いていたからかもしれません。絵を転載することはできないので、ぜひこちらのサイトでご覧になって下さい。

トーベは自画像を多く残しているのだけど、若い時の、女としての自信たっぷりな(もちろんセクシー系ではない)自画像の、揺るぎない自分というものを持った、しっかり者で優秀な長女らしいたくましさのある強い目線がものすごく魅力的だ。

また、画家としてのトーベの最高傑作だと言われている中年を過ぎてからの自画像、歳を取りしわもありながら変わらぬ強い目、太く長い首、これってやはり北欧DNAなのかな?樹木みたいな強さを感じる。日本の女性の美は柳といわれるけど、北欧の女性の美は、寒さに凍らないまっすぐ美しい樹木のようだ。

ムーミンの絵は本の挿絵としてのものが多いのでひとつひとつのサイズはかなり小さい。だけどエッチングのようにその線画は細かくて繊細で、そしてやはり暗い。

暗いのだけどその中に、どこかユーモラスなムーミントロールがいて、夢追い人のムーミンパパがいて、不思議な生物ニョロニョロがいて…やはりどこか明るい。

会場の出口にあったパネル。トーベとムーミンたち。

会場の出口にあったパネル。トーベとムーミンたち。

森の記憶

9月に銀座で行われていたリサ・ラーソン展にも行きました。リサ・ラーソンはスウェーデン人だけど、やはり彼女からもトーベと同じ「暗さ」を感じる。そして同じくらい「明るさ」と「自然からの力」と、どこか愉快な気持ちにさせる「おかしみ」を。

リサ・ラーソン展

リサ・ラーソン展

展覧会を見るまでは、メディアで見る作品などから、北欧的モダンというよくあるステレオタイプなイメージで好きだったのだけど、実際の作品を見たら印象が変わりました。やはり暗い。海でいうなら鈍色。空でいうなら曇天。なのにやはり明るい、あたたかい。

トーベのこともリサのことも、私は展覧会で得た情報までしかその人生を知りませんが、どちらも裕福で、若い時から才能を発揮して、愛する家族・パートナーに恵まれるという、芸術家として幸せな一生をおくってる。トーベは2001年に亡くなっていますが、リサは83歳で現在もお元気に創作活動中だ。

なんでこの世界に自分は惹かれるんだろう?

やっぱり、暗さの中の明るさと「おかしみ」に、揺るぎのない強いものを感じてるんだろうな。その強さに憧れている。

私には多分「森のDNA」というのがない。「海」はある、「街」もある、「山」も少しある。でも「森」はない。

子どもの頃、グリム童話の本が家にあって、その中の「森の家」というお話がすごく恐いのにすごく気になってよく読んでいた。森の奥に迷った娘が、森に住む不思議な老人の家に泊めてもらうのだけど、娘が「あること」をしないまま寝床についてしまうと、真夜中に老人はその娘をベッドごと「地下に落として」しまうのです。

この「ベッドごと落とされる」というのが恐くて恐くて。挿絵が入っていたんだけどその絵も恐くて。なのに何度も開いて読んでしまう…童話ってそういう側面がありますね。

駅前の賑やかな所で生まれ育った私にとって、「森」というのは非日常で全くの想像外の世界だった。それは生まれた時から欠落している「DNA」のようで。

森のなかの野生の動物というのも知らないし、漆黒の夜の闇というのも知らない。森の奥に入ったら、妖精がいる泉があるかもしれない、魔女の住む家があるかもしれない、小人の通った道があるかもしれない、そんな「森」の記憶が全くない。

多分私の中の、そういう「森」を求める気持ちが、彼女たちの作品に引き寄せられているんじゃないかな、なんて考える。森の奥にはきっと自然と交信できる聖なる場所があって、その祝福をまだ自分は受けていない、そんな渇望?(だんだん妄想入ってきた)

そんな「祝福」が、彼女たちの作品からはたくさん感じられる。

うんと寒いからこそ感じられる暖かさ、うんと暗いからこそ感じる幽き光、いつも自然界の色に包まれているから必要としない人工的な発色。そこにしか存在しない小さくユーモラスな不思議な生き物たち。

トーベのムーミンたちも、リサ・ラーソンの作る動物たちも、みんな森に生きている。その森に触れられる、ステキな展覧会でした。

リサ・ラーソンの猫リスペクトで作った、私の羊毛フェルト作品第2弾!

リサ・ラーソンの猫リスペクトで作った、私の羊毛フェルト作品第2弾!

トーベ・ヤンソン展は11月30日まで、横浜のそごう美術館で開催されています。そのあとは12月13日から北海道帯広美術館、新潟、北九州、大阪と続きます。

ムーミン展は東京ではもう終わってますが、12月11日から大阪あべのハルカスで開催、その後も宮崎、岡山、名古屋と続きます。

リサ・ラーソン展は、12月8日まで、大阪の阪急うめだギャラリーで開催中ですね!そのあとは滋賀、名古屋、群馬と続くようです。詳しくは下記のリンク先をご参照下さい。

 

展覧会スケジュールリンク紹介

 

ムーミンの思い出

さて、ここからは私のムーミン話。

前のブログ記事で、新卒で入った小さな広告代理店での話とその後入ったアパレル会社での話を書きましたが、実はその間の2年ほどの間、某G社で文房具の企画という仕事をしていました。

そこでは、アニメのムーミンキャラ(昭和のムーミンの方ではなく平成のアニメの方)を使った文房具の制作していました。幼いころムーミンのアニメは見ていましたが、ムーミン自体にはあまり詳しかったわけではなく、そこで初めてムーミン担当の先輩から聞かされたのが

ムーミンはカバではない。

という衝撃の事実でした(笑)今ではもう常識になっていますがそれでも知らない方が未だいるので念のため。

ではカバじゃないなら何だ?と聞くと「トロール」という森の想像上の生き物、ということで、トロールといえばドラクエのトロールしか思い浮かばなかった私はちょっと混乱した。

 

こっちの造形は多分、アニメのムーミン。

こっちの造形は多分、アニメのムーミン。

 

アニメの方のムーミンは、トーベ・ヤンソンの独特のあの北欧的暗さと不気味?さはなくて、ほんわか優しいパステルな世界になっています。これはこれでとてもファンタジックです。このムーミンを担当されていた先輩が、本当にムーミンの世界に住んでいるかのような、やさしくてほんわりした方でした。

そして当時、アニメのムーミン世界の叙情的なイラストを描かれていたイラストレーターさんも、男性なのですがこれまたムーミンの生まれ変わりのようなほんわりとした人だったんですよ。やっぱりキャラは似た人を引き寄せるのかしら?と思ったものです。お元気かなぁ。

そごう美術館は横浜そごうの6階にあってミュージアムグッズはそこで購入できますが、3階にも特設でムーミングッズの販売コーナーがあります。上の写真のようなオブジェもいくつかあって可愛いのでぜひ立ち寄ってみてくださいね。

私が購入したグッズのひとつ。ムーミンの栞。この顔見てるだけで笑顔になっちゃう。

私が購入したグッズのひとつ。ムーミンの栞。この顔見てるだけでプット吹き出しちゃうw

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