色褪せない千年陶画とファーストプライオリティ | Rucca*Lusikka

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クリスマスも近くなり、街の飾りの華やかさと年末特有の気ぜわしさが入り交じる12月ですが、週末はステキなイベントに出席させていただきました。

アーティスト松尾たいこさん()の、新しい創作プロジェクト「千年陶画」のお披露目パーティです。

イラストの作品はもちろん、その創作に向かう姿勢、スタンスなどにいつも共感し尊敬するたいこさんの、新境地を開くはじまりのこのイベントにお声を掛けていただいたことが光栄で嬉しく、また、その新しい作品を直に拝見し、そのステキさにとても感動しました。

千年陶画

千年陶画。色合いの美しさがとてもステキでした。

たいこさんの新しい創作は、陶板に絵を描く、という今までの作品にない新しい手法。

紙に描くのではなく陶器に描くということは、陶器は「焼き物」でもあるので、その工程は熟練した技術が必要な、大変に手間のかかるものだと想像できます。焼き方などで彩色した色も変わってくるだろうし。

会場に飾られた陶板のその作品はとても色鮮やかで、たいこさんのイラストのポップなクールさが陶器の持つあたたかみと調和して、なんともいえないやさしい味わいが出ていて素敵だった。

また、たいこさんはこの創作の拠点を福井県に置き作品を作っていくそうで、福井の山、海、自然の風景が絵柄のモチーフに取り込まれていて、山のカタチ、海の波しぶきなど、それらの臨場感っていうのかな?それを強く作品から感じました。

かもめ

並んだかもめ。海の色。

 

パーティは、まずたいこさんの福井での創作活動をまとめた動画の紹介がありました。

そしてご主人の佐々木俊尚()さんとのトークや、また、他拠点住居というライフスタイルと地方の空き家マッチングという活動を福井でされている、北山大志郎さんとのトーク&活動紹介などがあり、参加者はステキなお料理とお酒と歓談を楽しみながらそれらを聞くというスタイルで、終始なごやかに、あたたかいおもてなしに包まれていました。

トーク

たいこさんと佐々木俊尚さんとの楽しいトーク。

佐々木俊尚さんとのトークは、お互いの仕事を尊敬しあっていることがとても伝わってきた。

奥さまの仕事を論理的に語るご主人、というのはジャーナリストというお仕事柄もあるかと思いますが、日本の男性によくある奥さんへの変な身内的謙遜とか全くなく、ストレートに良い所や魅力を褒めて論理的に説明される姿はとってもジェントルマン。ほんとうに素敵なご夫婦です。

ファースト・プライオリティについて

今回のパーティで私がとても印象的に思ったことは、アーティストとしてすでにバリューのあるたいこさんが更に新しい、未知の分野での創作活動に挑戦していくという姿勢ももちろんだけど、そのお披露目が知人や友人を中心としたパーティということです。

ひと昔前だったらこういうイベントは、広告代理店やマスコミ、流通ルートのえらい人などを呼び、会場にはスーツ姿の方々が名刺を出して「どうもどうも的」な風景があったと思う。

しかしこの会場にはビジネススーツの人は無く、女性はもちろん皆オシャレに装っているけど、特に男性がみな個性的にオシャレだった!ワタシはこの日おしゃれな中年男性というのを久しぶりにたくさん見た気がする(笑)

会場はHOTEL EMANONというとてもおしゃれなレストラン。サラダの綺麗さ!

会場はHOTEL EMANONというとてもおしゃれなレストラン。サラダの盛り付けの綺麗さ!

 

たいこさんが何を大切に思っていられるのか、それが伝わるとともに、プロモーションの仕方というのは確実に変わってきているなと感じる。

去年出版された松尾たいこさんのエッセイ「東京おとな日和」には共感ポイントがありすぎて付箋がいっぱい貼ってあるけど、なかでも好きだと思った一文を紹介。

SNSを始めてからは劇的に自分の人間関係がバラエティに富んだおもしろいものになったなーってことをつくづく感じている。今までの日常ではとうてい繋がらなかったはずの人たちとSNSを通じて知り合える。

その人の考えていることや好きなものを知っていくうちに、お互いに興味を持ち合い、それがリアルに会うきっかけになったりした。人見知りするくせに新しい出会いが好きという矛盾している私。だから思い切って初対面の人と二人でご飯を食べに行ったりしちゃう。そうして気づいてみると、みんな出会うべくしてと言うか、なんで今まで出会わなかったの?っていう人たちと次々と繋がれたの。

松尾たいこ著「東京おとな日和」P43より引用

 

SNSを使うことでより新しい付き合いを広げることができる時代になって、だけど逆にSNSが原因で人間関係がストレスになることもあるけど、たいこさんは気持ちいいくらいスカッと前向きで肯定的

たいこさんのファーストプライオリティ。それはきっとこの縁をとても大切にして、ご自分の大切な創作イベントの発表をこの繋がりから選ばれてることなのだと感じた。

そしてきっと参加した人のHAPPY度も「どうもどうも的」なイベントよりずっと高いし、そのシェアによる効果のほうが大きいと思う(会場内は写真撮影&シェア大歓迎)。知らないたくさんの人ではなく、顔のわかる、人柄のわかる人との繋がりから?を大切にすることで広がっていくというのは、考えてみればとても自然で両方に嬉しいことですね。

姿勢を美しくしていることの意義

また、フリーランサーとしてのご自分自身のプロデュース力というのも、日頃のブログなどでとても勉強にさせて頂いてます。

以前、佐藤可士和さんの講演を聴きに行った時に印象的だったのは「ブランディングは下から上には決して行かない。なので最初から高く置かなければならない。」という言葉でした。

今回のパーティは、私の大好きなバッグブランドの主宰でありデザイナーの松本みどりさんと一緒に行ったのだけど、彼女もひとりのフリーランサーでありながらご自身の作品をしっかりとブランディングされていて、そのブログの発信の仕方、美意識のブレの無さなどもとても学ばせてもらうことが多い。

たいこさんの本の中にも「見つけてもらうための工夫」として、フリーランスになったら大切なことについてとても詳しく具体的に書かれている。いろんな媒体と出会えるチャンスを自分で作っていくこと、そのためにきちんとお金をかけること(作品ファイルを作る、サイトを作る、など)、そして発信をし続けること。

最初はだれだって、自信も経験もない。だけど自分をしっかりと高く持つこと。自分の良さを自分の言葉で照れずに人に伝えること、しっかり発信をし続けること。自分の心から結ばれている繋がりを大切にすること。

 

千年陶画

千年陶画。とてもかわいいセキセイインコ!

この日はそんなたいこさんの「姿勢」のまっすぐさを感じ、自分の姿勢を見直す事ができた日だった。新しいことに挑戦する人の姿を見ることは何よりも刺激になる。そして久しぶりにちゃんとおしゃれして華やかな場に出かけたせいか、なんだか気分も上がってきた。

年末の慌ただしさも乗り切るぞ~!来年はさらにやりたいことやるぞ?!と、これまた久しぶりにネイルサロンで塗ってもらった赤い爪で、元気よくキーボードを叩いている私です(笑)

記念に写真を撮らせていただきました♪

記念写真を撮らせていただきました♪

 

PS.以前、佐々木俊尚さんの著書「レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる」 で取材を頂いたことがきっかけで、また私がたいこさんのファンであることもあってお声を掛けて頂きとても嬉しい。そしてこれもブログやSNSから頂いたご縁なんだなと。楽しい一日をありがとうございました!

リンク紹介

●この日のパーティについての松尾たいこさんのブログ
長岡マイルさんの映像公開!松尾たいこの「千年陶画」ETERNAL HAPPINESS  松尾たいこブログ|私だけの色を探して

書籍紹介

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