【今だから】世の中に善でユーザーに価値があり、SEOに強いwebライティングとは? | Rucca*Lusikka

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横浜のwebデザイナー&ライターRucca(ルッカ)のサイトです。ノート術で人生を楽しくおもしろくすることをテーマにブログを書いてます。

とりあえず「ググる」

これって多くの人にとってもう習慣になってますよね?

明日友だちと会うカフェを探す時、勉強や仕事で調べ物をする時、新しいパソコンを買おうと思った時、映画の感想を知りたい時、テレビを見ながら俳優の名前が出てこない時(?)etc。

手元のスマートフォンで、または目の前のパソコンで私たちは何か思いつくと気軽にググる。(※調べたい内容について関係する言葉をGoogleまたはYahooなどの検索エンジンに入力する)

では質問。ググった1ページ目に出てきたサイトであなたの問題が解決し満足できた確率って、体感として何パーセントくらいですか?

また、あなたがサイトオーナーなら、あなたのサイトに「ググって来た」人は全体の何パーセントくらいですか?そのキーワードはあなたのサイトの内容と合っていますか?

せっかく作ったサイト、毎日頑張って更新しているブログ、これらはやはり多くの人に見てほしい。さらには自社の顧客(ファン)になって欲しい。

しかしなかなか狙ったキーワードでの検索順位が上がらない、アクセスが増えない・・・という悩みはサイトオーナーの多くが持っているのではないでしょうか?

SEOってなんだろう?

ググった先の1ページ目に出てくるサイトは、調べものがすぐ見つかるサイトであってほしい。そこで問題を解決できたり、参考になったり、または興味深くおもしろい情報があってほしい。

そしてそういうコンテンツがGoogleに「価値のある記事」ときちんと評価されるよう、正しいHTML構文と読みやすい文章で書き、適切なタイトルやキーワードを設定する、というのが、いまどきのSEO対策の王道です。

内容の充実したコンテンツと正しいセッティング&チューニング。

しかし内容の充実したコンテンツってどうつくるんだ?正しいセッティングってどうやって確かめるんだ?と、SEOはなかなか奥深い世界でもあります。

さて。このサイトのオーナーであるワタシRucca(ルッカ)の本業はwebデザイナーですが、2年ほど前からサイト納品後に長期でのフォロー契約をいただいたクライアントさまには、毎月サイトのアクセス状況をまとめた簡単なレポートを差し上げる、というサービスをしています。

最初はほんのおまけサービスのつもりではじめたのだけど、想像以上に喜んでもらえてブログ更新に活用していただけたので、そうなるともっと役に立てる良い解析をしたくもなり、昨年は初級ウェブ解析士の資格を取りました。今は月平均8本ほどレポートを書いてます。

お客さまのサイトの訪問者数が増えることは自分にとっても嬉しいことなので、どんなふうに記事を書いてもらえればさらに訪問者を増やせるか?というアドバイスをもっと的確にできるようになりたいと思うようになりました。

また、このブログを書いていることがきっかけで今年はwebライティングの仕事をいただく機会が増え、ますます「検索でサイトを上位表示させる文章とは?」というのを意識するようになりました。

そんな折、いつもはweb制作系のテーマで参加してるCSSniteですが、今回「SEOに強いwebライティング」をテーマにしたセミナーが開催されたので、これは良いタイミング!とさっそく受講を申し込みました。

株式会社ウェブライダーの松尾 茂起(@seokyoto)さんによる

CSS Nite LP49「【ワークショップで学ぶ】ユーザーと検索エンジンから評価されるためのwebライティングの極意」

CSS Nite LP49「【ワークショップで学ぶ】ユーザーと検索エンジンから評価されるためのwebライティングの極意」

です。

今回はこの勉強会に参加し、ここで得た学びと気づきを中心に書きたいと思います。

WELQの炎上〜モラルのないSEOハックがもたらしたもの

検索エンジンからの評価、というと、いまはやはりこの話題を避けずにはいられないので少し触れますね。

DeNAが運営しているキュレーションサイト「WELQ」の炎上の一件です。

WELQ(ウェルク)は、あなたのココロとカラダの悩みをスッキリ解消できるヘルスケア情報のキュレーションメディアです。健康に関するお役立ち情報から、ダイエットやスキンケアなどの美容情報まで、ヘルスケアに関する情報が満載です。

WELQのサイト説明文より引用。※現在サイトは全記事非公開になっています。

「WELQ」は医療・健康に関する情報を提供するというメディアでありながら、記事を書くのは医療の専門知識がないライターで、そのほとんどが他の医療系サイトの文章をリライトしたりつなぎ合わせたもので、なおかつ医師や看護師、薬剤師などの監修もなく公開されていました。中には肩こりの原因は幽霊かも?というトンデモ記事まであったらしい。

このような記事を毎日大量に量産することで、「WELQ」は検索エンジンに評価され上位表示されてきました。

こちらのリンク先にコトの詳細が載っています。何が問題なのかは引用文のとおりだと思います。

SEOの専門家の知識とノウハウをフル動員し、資金を投入して1日何百ページもぶっ込んで、企業モラルや順法精神を全く考えずに金儲けだけを考えれば、割と簡単に健康関係のキーワードを独占して金儲けができるというのは、SEO界隈ではみんな分かっていたことですが、それはそれ。

人の生き死にや不安につけ込んだり
デマをまき散らしたり
医学の知識のない人がウソ書きまくったり
パクリという著作権侵害やりまくったり
薬事法(現薬機法)違反をやりまくったり

を馬鹿アフィリエーターではなくて、上場企業でしかも野球チームまで所有する企業がやっていいものでしょうか。

DeNAがやってるウェルク(Welq)っていうのが企業としてやってはいけない一線を完全に越えてる件(第1回) | More Access! More Fun!より引用

ひと昔前、検索エンジン最適化(SEO)の手段としてバックリンクを大量に貼る、そのために特に内容のないサイトをたくさん作るというようなブラックな手法が蔓延しました。

ユーザーに最適な検索結果を提供することを理念とするGoogleは、これらを一掃するためパンダアップデート・ペンギンアップデートなどを重ね、いまではそういったブラックな手法は逆にペナルティとなり大きく順位を下げる結果になっています。

そしてコンテンツの内容と質量が最も重視されるようになり、web世界の魔物は退治され、誠実な記事を書き続けていれば明るい未来が開けてくる…と思いきや、今度の事件の勃発でした。

「それをやっちゃ〜お終いよ」的なことを、有名企業がやっちゃうものなんですね…。

このWELQ炎上事件で学びを得るならば、モラルを欠いたサイト運営は世間が許してくれないよ!ってことかもしれない。

そして、モラルを欠いた記事がひとつでもあったら、それはサイトそのもの・ブランドそのもののイメージを大きく損なうリスクになるというのを忘れないこと。

DeNAは今回の批判を受け、同じように運営していた他のキュレーションサイトもいったん非公開にしていますが「もう充分儲けたあと」という声も聞かれます。

今後はGoogleの方もさらなる技術革新でこれらの問題を解決してくるでしょう。

白と黒のイタチごっこのようだけど、今回はSEOの有識者の方がまず声を上げ、ついでコンテンツライターの方々や医師たちも声を上げたことでこの問題が拡散されたように、Googleの企業理念である「ユーザーの利便性を第一に考える」が揺らがない限り、webは世の中とユーザーへの善のために進化していくと思いたいです。

さて、ではCSSniteの話に戻ります。

※ちなみにこのGoogleの理念は、セミナーの冒頭で松尾さんより紹介された話でした。詳しくはこちらに。

ユーザーにとっての利便性とは「ツール」になること

GoogleがブラックなSEOを徹底的に排除するのは、ユーザーにとって最適なコンテンツを見つけやすくすることで自社のサービスが信頼され、さらに多くのユーザーに使ってもらえること=収益になるからです。

だからユーザーが「調べたいものを探す」ために入力したキーワードでの表示結果には、その問題解決に最も役立つコンテンツが上位表示されるのが望ましい。

だとしたら、コンテンツを作る側は

  • そのキーワードで検索してくる人がほんとうに知りたいのは何か?
  • そのキーワードで検索してきた人はどういう人か?

を考えなくてはならない。

このセミナーで講師の松尾さんは、

「自分のコンテンツが誰かにとってのツールになることを意識せよ」

と言っていました。

ユーザーの悩みを解決し、答えを出し、さらにユーザーがもうこれ以上検索しないで済むように、その先で悩むであろう問題への答えまで用意できればさらに良しと。

なぜならユーザーは検索なんて本当はめんどくさいし、望みの答えを早く見つけて、できれば一回で問題解決したいのだ。

ワークショップで学ぶユーザーと検索エンジンから評価されるためのwebライティングの極意

ワークショップで学ぶユーザーと検索エンジンから評価されるためのwebライティングの極意

今回のセミナーでは前後の机の人とチームになってのワークがたくさんあって、

  • 「彼氏/ムカつく」で検索する人が読みたくなるコンテンツとは?
  • 「ホームページ/制作」で上位表示されるコンテンツとは?

というのを皆で考えました。

その際、そのキーワードで検索する人はおもにどんな人で、どんな「感情」を持って何を求めて探しているのだろうか?を想像することが大切で、最適な答えを用意できるかどうかはその想像力(=分析力)がキモだと。

会場にはライターやweb製作者だけでなく個人事業主でサイト運営をしてる人もいて、お互いには持ちにくい視点での意見も多く出ました。

※また、松尾さんは何かを考えるときのBGMに工夫をするのが好きということで、「彼氏/ムカつく」を考える時間には会場には西野カナの曲がかかり、そして「ホームページ/制作」ではスガシカオのプロフェッショナル 仕事の流儀のテーマ曲がかかっていました(笑)

では個人ブログで検索ユーザーを増やす記事とは?

なるほど。検索キーワードでユーザーを知るというのは、専門的な情報を扱うサイトのコンテンツを考えるのにとても参考になります。

では個人ブログに多い、雑多なテーマでのコラム的なコンテンツではどうだろう?

たとえば当サイト、Rucca*Lusikkaブログの場合、キーワード検索での訪問は「ノート術」や「ノート+○○」などが多いですが、本来のテーマとはちょっと違う「入院3ヶ月」というのも地味に多いです。最近ではその映画の記事を書いたことで「君の名は+○○」も増えています。

なので雑多なテーマでのコラム的な個人ブログにおける「検索ユーザーの利便性」を考えた記事作りについてちょっと考えてみました。

たとえばある映画を観て感動した人が、他の人の感想や考察を知りたいと思って

「映画名 / 感想 / ブログ」

と検索し、表示されたサイトに行ったとします。

でもそこに載っていたのは、どこかの映画サイトからコピペ引用した物語のあらすじ(もうすでにわかってる)だけで、「おもしろかった」「感動した!」と月並みな言葉が並び、あとは映画のあとに食べたごはんの話だった。

なんて内容だったらちょっとがっかりしてしまう。

だからもしブログで映画の感想記事を書くならば、「映画を見に行ったその日の私の行動記録」ではなく「映画の感想」や「考察」だけをしっかり書いた記事のほうが、Googleは「ユーザーにとって利便性が高い」と評価する(はず)。

(映画を見に行ったその日の私の行動記録、ならSNSで書いたほうが多く反応してもらえるでしょうね。)

個人ブログでは扱うテーマが雑多でも、それぞれがブログ主の「私」の目を通して編集されていて、記事のひとつひとつにはテーマ以外の余計な情報をいれず、そのテーマについての検索して来た人が満足できる一定の情報量を持つことが大切だと思う。

そして検索エンジンからも、ユーザー(ファン)にも評価されるコンテンツを作るには、「私」が持った感情=エモーションが伝わるような、熱を冷ましすぎない書き方が大事かな?

文章のうまさや慣れもあるかもしれないけど、多少読みにくくても伝わる文章はある。その人なりの感情を伴う「文体」は書くことで身につけられる芸というか、書くことでしか身につかない技術だろう。

個人ブロガーやライターさんで有名な方のコンテンツは、ファンとして読んでも検索キーワード視点で読んでもやっぱりおもしろく魅力があるんですよね。

テクニックも大事だけどエモーショナルライティングが最強!

そんなわけでたっぷり4時間半の勉強会で、さらにワークもふんだんに取り入れられていて、本当に「実になる」内容でした。

有料のセミナーなので当日のスライド資料などは非公開ですが、上で少し紹介したワーク以外にも

「自社に発注してもらうには」「文章を読みたくなる動機」「おもしろくない文章には何が足りないか?」「アンチを生みにくい事例の紹介」

といったさまざまなテーマで事例を上げての解説があり、それぞれがわかりやすいだけでなく、勉強になるというだけでもなく、ただもう「楽しい時間」であっという間に終わってしまった。

沈黙のWebライティング-ストーリー仕立てな内容で読みやすいです

沈黙のWebライティング-イラストはちょっといかついですw

ところで今回のセミナーは、事前に11月に発売された松尾氏の著書「沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘」を読んでいることを前提に話が進められていました。

私はセミナー数日前になってやっと読みはじめたのですが、かなり分厚い本にも関わらず書いてある内容にいちいち納得がいきこちらもあっという間に読み終えてしまった!

分厚いけれど専門用語ばかりの文章がぎっしりではなく、老舗旅館を継いだ若い姉弟がサイトを運営していくというストーリー仕立てになっていて、「マンガで読む○○」的な読みやすさです。

なのでサイトを運営してる個人事業主さんやブログ主さんすべてにおすすめしたい!

目次を紹介すると

  • SEOを意識したコンテンツを作るカギ
  • 「USP」を最大限に活かすコンテンツ
  • わかりやすい文章を書くためのポイント
  • 論理的思考をSEOに結び付ける
  • オウンドメディアに必要なSEO思考
  • SEOに強いライターの育成法
  • バズにつながるコンテンツ作成のコツ

ストーリー仕立てパートはwebでも公開されていますが(リンク後述)、書籍だけの書き下ろしパートであるこの目次の内容がとても濃いです。参考事例やデータなどがガッツリ書かれていて読み応え充分です!

まとめ&気づき

今回のセミナーの中で印象に残ったのは、どんなにテクニカルで読みやすい上手な文章でも、エモーショナルな文章の圧倒的なパワーにはかなわないというところでした。

私はこれがすごく好きィィィ!!

これのことならいくらでも俺に語らせろぉォォ!!

という圧倒的な熱を持った文章!

こういうのは匿名のほうが得意なのだと。
2ちゃんまとめや発言小町やはてなの増田があれだけ人気なのは、あそこが人々のいろんな感情のるつぼだからだと。

なるほどなぁ。実名で仕事の看板を背負いながら感情を爆発させるのは、ある意味リスキーなのでどうしても全方面に気を使ってしまい、結局無難に抑えがちだ。

でも単なる感情の垂れ流しだけの文章というのはひとりよがりでつまらない。「論理」という土台があるほどエモーショナルな文章が生きてくるのだと。

というわけで私なりのまとめ。

理想としたいのは、検索されるキーワードからユーザーの意図と感情を想像し、そのユーザーの問題解決に役立つ内容の記事を書き、的確でキャッチーなタイトルを考え、充分なインプットで論理的な土台を作った上で・最後まで読んでもらえる熱量を持ったエモーショナルな文章を書く!

け、け、けっこうハードル高いなとも思いつつ・・・

 

会場になったビルのエントランスに飾られていた大きなクリスマスツリー

会場になったビルのエントランスに飾られていた大きなクリスマスツリー

検索エンジンを騙し、著作権問題をグレーに切り抜け、リライト元のサイトに敬意を持たず、やってきたユーザーへの責任感もない、ただPVを増やして広告収入で儲かれば勝ち、のようなモラルに欠いたサイトを駆逐できるくらいに、世に良質なコンテンツが増えることを願う。

そして自分もその中の、ほんのほんの一役でも担えるようなサイトのつくり手、書き手になりたいと。

そんなことを考えながら帰路についたのでした。

参考リンク

おすすめ書籍

繰り返しますが、この本はwebで文章書く人は絶対役に立つのでぜひ読んでほしいです!

おすすめ本&グッズの一覧

あとがき

12月になってしまいました!なんだか気ばかり焦りますが、今日美容院のお姉さんから帰り際に「良いお年を」といわれ、あまりの不意打ちに変な声を出してしまいました(笑)

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