【最終回】おもしろきおとなのためのノート術〜「書くこと」は人生の舵を自分に取り返す | Rucca*Lusikka

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横浜のwebデザイナー&ライターRucca(ルッカ)のサイトです。ノート術で人生を楽しくおもしろくすることをテーマにブログを書いてます。

先月亡くなられた小林麻央さんが綴っていたブログの中で、私にとってとても印象に残る一文がありました。

人生は不思議なもので、
何かの大きな力によって、不意に、
舵をとられることで、
それが望んでいなかったことでも、
結果的に、新しい道を開けることがある
ということを学びました。

私は、舵をとられて、
その後隠れて隠れて真っ暗になったので、

新しく舵を 取り返しました。
それが、ブログでした。

今の私の道を作ってくれたブログです。

6月9日。|小林麻央オフィシャルブログ「KOKORO.」Powered by Amebaより引用

麻央さんははじめ乳がんであることを周囲には隠して治療を続けていましたが、どこからかそれがマスコミに漏れてしまいました。

そのせいで大勢の記者たちが自宅に押しかけて近隣の迷惑になることや、憶測で無責任な記事を書かれ周囲の人に心配をかけることを苦慮し、夫の市川海老蔵さんが記者会見をすることになってしまいます。

思いもよらない形で自分の病気が全国の人に知られてしまい大きな戸惑いがあったと思うのですが、その後麻央さんは「なりたい自分になる」「癌の影に隠れない」とさわやかに宣言してブログをはじめました。

このブログが大きな反響を呼び、イギリスの公共放送局から「社会に影響を与えた100人の女性」の一人に日本人として初めて選ばれたのは周知のとおり。

私も麻央さんのブログをずっと読んでいましたが、特に印象的だったのが先ほど引用した「人生の舵を取り返した」という記事でした。

彩り豊かにデイジー

「人生の舵を取られてしまう」

今まで生きてきた中で、こういう状態になったこと・なってるかも?と感じたことはありますか?

誰にでも少なからずあると思うのです。

過干渉な親、支配的な配偶者・会社の上司、思うように心や体が動かなくなる病魔、子育てや介護や家族の病気、今日をなんとかしなくてはならないレベルの貧困、周囲に従い生きなくてはならない環境、など。

自分の人生の舵を自分で取れない・・・これはなんて不自由で「おもしろくない」ことなんだろう。

人生をしあわせに生きるためにはこの「舵」を他者に渡してはいけないのだとつくづく思う。しかし渡すつもりはなくても強引に奪われてしまうこともある。

麻央さんのブログはその後10ヶ月続きました。願わくばもっともっと続いてほしかった…。しかし自分の手に舵を取り戻した麻央さんの発信がこの10ヶ月の間にどれだけ多くの人の心に届いたか。

この輝きは彼女の人生が「病気に負けた」ものではなかったことの証明だと思うのです。

自分の人生の舵は自分で取れていますか?

さて。一年にわたって続けてきた「おもしろきおとなのためのノート術」は今回が最終回です。

何度も繰り返しになりますが、私のノート術は「おもしろきおとな」となって自由自在に人生を生きるためのものです。

自由自在に生きるとは、誰かの影響下で顔色をうかがいながら生きるのではなく、何かのために我慢し続けるのでもなく、いい意味で自己中に生きることです。

そしてあらゆる情報があふれる世界の中で、常識に依存せず自分の軸を持ち、モノゴトを感じ、自分の文脈で語れる教養を持つこと。

そうなれば誰の話にも耳を傾けることができる、誰とでも興味深く話せる。自分の世界と外の世界の両方を同じ範囲で行き来しながら出会う人に「おもしろい」を提供できる。

そういう「おもしろきおとな」になりたい、自分の人生の舵を自分で自由自在に操りたい。そう思って始めたのがノート術です。

「自分の人生の舵を自分で取っていく」ことがままならないこともたくさんある。

大きな話ではなくミクロにして身近な例でいうと、例えば「明日休みを取って日帰りで温泉に行きたい!」と思っても、子どもが熱を出したらアウト。または親が階段でころんで病院に運ばれた、仕事でトラブルが発生した、など、自分以外が原因で思うように行かないことはよくある。

多くの人は他者との関係性の中で暮らし生かされているのでこれは仕方がないこと。

しかしこの「仕方のないこと」を、適切なサイズで捉えているだろうか?実物より大きく考えてしまってるケースも多いのではないだろうか?または大きく思わされてることもあるんじゃないかな?

例えば、忙しすぎて仕事以外のことが全く出来ない。週末は疲れを癒やすことに精一杯でどこにも行く気になれない。そんな日が続いたらどんなにお給料が良くても、どんなに好きな仕事でも、「なんのためにやってるんだろう?」と疑問もわいてくるはず。

でも休んだら明日もっと大変になる、周りに迷惑がかかる、みんなも同じように働いている・・・そうやってだんだん考えなくなっていく。本当は休んでいいのに。休まないといけない状態なのかもしれないのに。

私は今フリーランスで働いているので「周りのみんなと同じように働かなくては」という意識は少ないのですが、逆に「来た仕事は断れない」という思いこみがずっとずっとありました。

仕事を発注してもらえることは大変ありがたく、嬉しく、光栄なことであるのは間違いないのですが、暇な時と忙しい時の差がけっこう大きく、なぜか重なる時に重なりまくることがある。

この受注ペースは自分でコントロールできないし、でもフリーなので出来ないと言ったら次は来ないかもという切実な不安もある。

2年くらい前まで、自分の予定よりも仕事が優先。常に仕事の受注ペースに自分の都合を合わせていました。会社員だと就業時間以外は自由ですが、フリーはある意味年中無休です。

でも去年、いろいろ行き詰まりついにいったん爆発(自分内で)

  • フルタイムで働く人より仕事の量はずっと少ないはずなのに、なぜ自由にならないのだろう?
  • なぜ「いつでも待ち受け状態」であらねばと思いこんでいたんだろう?
  • そもそも私はどうしてフリーで働くようになったんだっけ?

これって自分で勝手に肥大させた「フリーランスの仕事とはこういうもの」という思い込みに、自分の「舵」を取られてる状態だったと思う。

なので舵を取り戻すために「順序」を変えてみたのです。

まずは自分の予定、自分がやりたいことを優先できるようにするため、「自分を予約する」

この「自分予約」をノートに取り入れました。

前置きがまた長くなりましたが、最後にこの「自分を予約するノート術」を紹介いたします。

自分のやりたいことをまず先に「予約」する

予定がある日に急ぎの仕事が入った。

そんな時、冠婚葬祭や他日に動かしにくい予約(病院など)、他者との前からの約束は仕事に優先しても、身内(無理が言える関係)の約束、自分の個人的な予定などは後回しにしがちです。そしてそれは「そういうものだ」と思う自分がいます。

そこは変わってないのだけれど、このままいったらいつまでも「舵」を自分の手でつかんだことにならない。

そこで私がはじめたのは

  • ノートに「自分がやりたいこと」をとにかく毎日書き込む
  • スケジュール帳に「自分の予約」を書き込む

の2点でした。

自分がやりたいことを(繰り返し)ノートに書く

これはフリーノート「白」の形式で書きます(参照:おもしろきおとなのためのノート術【第3回】フリーノートの書き方「白」 | Rucca*Lusikka

「自分のやりたいこと」をどんどん書き出します。

買い物に行きたいお店、行きたい美術展、新しく出来たカフェ、美容院でしたい髪型、見たい映画、会いたい友人、勉強したいこと、読みたい本、掃除したい場所、旅行の計画、etc…。

私はいま、ほぼ一週間に一回はこれを書いています。同じことでも繰り返し。「欲求・欲望」を常に意識するために。

最初は「やりたい」ことばかり出てくるのだけど、ネタが尽きてくると次に「やったほうが快適(掃除など)」が出てきます。そして次に「やらなくてはならない(伝票整理など)」が出てくる。

※忙しい時は逆に「やらなくてはならない」ことばかりが先に出てくるかもしれません。そういう時は「違う!やりたいことを考える!」と気持ちを切り替えて下さいね。

こうして書き出すと、それぞれの優先順位といつやるのがベストかが見えてきます。

展覧会だったら会期はいつまでか。美容院はいつだったら行けそうか。勉強だったらいつから始めて毎週何曜日にしようか。ブログは何曜日に公開しようか。掃除のペースはどのくらいがベストか。伝票整理は…本を読むための時間は…。

※多忙な人は休日に「何もしない」を予約するのもアリですよ!

そしてそれを今度はスケジュール帳に落とし込みます。

コーヒーがポットでくると少ししあわせ♪

スケジュールにやりたいことを落とし込む

以前は手製&手書きの手帳を使っていましたが、いまはスケジュールはデジタル化しました。年々忘れっぽくなり(涙)リマインダ機能が必要になってきたので。

使っているスケジュールアプリは「Lifebear」というもの。

もちろん手書きの手帳を使っている方は手帳でいいし、アプリも自分の使いやすいものでかまいません。「Lifebear」は見た目が見開きの手帳そのもので馴染みがあり(私はiPad miniを使っているので画面も大きい)、予定とタスクを分けて入れられるところがとても使いやすいです。PCでも使えます。

そこに、仕事の納期などは「タスク」で入力し(チェック機能がある)、人との約束(スカイプなども含む)は「会う予定」、病院の予約などは「予約」として入力し、さらに「自分の予定」を入れます。

行きたい美術展はこの日、買い物はこの日、ブログを書くのはこの日、勉強するのはこの日、本を読むのはこの日、伝票整理はこの日、と。

家事の予定も書き込みます。「繰り返し」で予定を入力することもできるので、「掃除機」「水回り」「片付け」など項目を分けて、毎週何曜日とか、3日おき、などルーティーンに。

その月の中頃までに、これらの予定を全部来月に入力します。

先に自分の予定を決めて入力しておく

そしてその後、仕事が入ったらまずは自分の予定を中心にスケジュールを考えていきます。もちろんそこで自分の予定をずらさなくてはならないことも出てきます。

でも!

結果は同じだったとしても、こうしてからは前よりずっと「自分が舵を取ってる」感があるんです。

自分の予定と仕事の予定、どちらを先に決めたかの違いだけなんですが。

私がこれをガッツリはじめたのが去年の6月からで、その後ほぼ毎週ブログが更新できるようになりました。それまで3ヶ月位ずっと書けずにいたのに。忙しさは変わらないのに!(むしろ今のほうが忙しい)

私はノートとブログを書くことである種の幸福感を得ていて、書けている状態の自分が正しくて正解なのだ。なので書けている時の自分が好き。好きな状態の自分が続いてるというのは、自分で舵を取っているということだ。

「書く」には奪われた舵を取り戻すパワーがある

自分の予定を他のことより先に決めて、そのための時間をまず予約する。

これだけでずいぶん意識と行動が変わるものです。考えてみれば人との約束も自分との約束も同じくらい大切なはずなんですよね。

もちろん病気など「運命」に舵を取られてしまうこともある。

そんな時に自分に取り戻すためにはなにが一番武器になるんだろう?と考えると、やはり

書くこと

なのだ。書くということには実はそのくらいの大きなパワーがあるんだ。麻央さんも書くことで舵を取り戻しました。

書くことは、考えることでもある。

運命に舵を取られたら、まず書くことからはじめよう。ノートを広げて、自分の心の中に潜ってみよう。本当に欲しいものは何か、本当に心地よいことは何か、本当にやりたいことは何か、本当に好きなことは何か。本当に大切にしたいものは何か。

何度でも何度でも自分に繰り返し聴いてみよう。

おもしろきおとなとして生きていくのなら、人生の舵は自分の手で取っていこう。

夏本番、海に行きたくなりますね〜。

このシリーズをここまで通して読んでくださった方、ありがとうございました!

ひとりひとりの「おとなたち」が、常識印の金太郎飴人間に流されず、どんなに多忙でも致死的退屈症にかかることなく、日々ノートを書くことで、自由自在におもしろく人生の舵を取りながら生きていければ、未来はきっと明るいです。

書くことにはそれができるパワーがあるのだ!

というわけで「おもしろき大人のノート術」おしまい。

でももちろんブログは今後も続くので、ノートのことも折々に書いていきます。これからも読んでいただけるとうれしいです。

ありがとうございました。まだノートをはじめてない方は明日買いに行きましょう!

「おもしろきおとなのためのノート術」についての記事一覧

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「おもしろきおとなのためのノート術」と以前の「MYノート術」の記事一覧

 

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