父が入院してからちょっと考えることがあります。
よく『自立してなきゃダメ』みたいなこというじゃないですか。経済的な自立はもちろん、1人で自分の事は自分でできて、趣味を持って友達をたくさん持って、1人でも充分生きていける力を持ってないとって。
私はその通りだと思うんですよ。ていうか私の親の世代って、家庭をかえりみないような亭主でも女はひとりじゃ自立して生きていけないから、子供の為とかいろいろ犠牲にして、我慢してきた人が多かったんだと思いますよ。そういうお母さんを見て育った娘は、特にそういう意識を持つんじゃないかな。
私の両親はずっと自営業の共働きでした。
父は働き者ではあるけど、余暇は自分の趣味を優先する人で、あまり家庭的な父親では無かったです。日曜も友達とゴルフや麻雀。母は今でも『お父さんはいつも1人で遊びに行って、家族をちっともどこにも連れてってくれなかった。』とぼやいてます。
なので、仕事を引退してからは母が強い強い。父、弱い弱い(ノ∀`)
そこで父の病気です。父ちゃんは自分のこと何にもできません。母頼りです。
『アナタがいなかったら俺は今頃生きていません、感謝してますよ』
という父の言葉を、『調子がいいんだから』と苦笑いしながら聞きながら、それでも母はやっぱし父がいなくなったら残りの人生は淋しいんじゃないかな。とはいえ母は趣味も友達も多いのでなんとかなるだろう、でも父は母なしでは多分生きていられないだろう。
平均寿命から考えると、女のほうが1人残される確率が高いわけですよ。母の姉たちはみな未亡人になりました。
母の一番上の兄という人は、大勢の兄弟の長男として、とても面倒見のいい優しい人だったです。私ら兄妹にもとても優しい叔父でした。一番末の姪の私をとても可愛がってくれました。そして長男として常に弟妹をまとめ、老いた祖母と同居し、嫁の叔母と一緒に最後を看取ってくれました。
叔父夫婦はとても仲が良くて、叔母は家庭的できれい好きで手先が器用で、夫のために、息子達のために、孫達のために生きている人でした。
3年前に叔父が病気で亡くなり、叔母は一気に老け込んでしまいました。ちょっと鬱になってしまったようです。
母は、叔母はあまりにも兄貴べったりで、他に趣味とか友達がいない人だったから、1人になるともろいんだねぇ・・・。と言ってました。
確かにそうかもしれない・・・あまりにも仲が良かった夫婦は片方がいなくなった時、本当に抜け殻になってしまうんだなぁって。でも逆に、片方を失ったら抜け殻になってしまうほど仲が良かった、というのはとてもとても幸せだったことなんじゃないかな?
なんて私は思ったりもします。
そんなわけで考えてしまうのが、『ひとりスキル』と『ふたりスキル』
自分はけっこう『ひとりスキル』は高いと思うんですよ。とりあえず自立思考は昔からあったほうだし、まだ若くて?健康、というのも大きいですが、自分で自分の世話くらいできるし、今は無職だけど販売でならすぐに勤め先を見つけられる自信はあるし、販売職は女が60過ぎても一人前に食っていける仕事なのじゃ。
ひとりの時間も、本を読んだりブログ書いたり?しながらストレスなく過ごせるし、常に不安感を持つほどの淋しがりやでもない。
多分ダンナも私以上に『ひとりスキル』は高い人のような気がする。
なんとなく私は今まで育った環境やら、受けた教育やらの影響か、『ひとりスキル』を高くしておかなくてはいけないような気がしてしまうのですよね。
ていうか、私の世代の女って同感な人多くないかしら??実際友達にも職場の同僚でも、『ひとりスキル』の高い女はたくさんいます。しっかりした仕事を持って、やりがいもあって、自立してて、趣味や友達を多く持って、旅行や自分磨きを楽しんでる人ばかりですよん。
男も『ひとりスキル』の高い人は昔より多いんじゃないかなー??料理や掃除のうまい人多いし。今は学校でも男子も家庭科あるし。
晩婚化、少子化と言われていますが、この『ひとりスキル』が高くないといけないよ教育?が原因な気がとってもしてしまいます。
いや、もちろん大切なんだと思うのですよ。『ひとりスキル』は。
でも世の中に結婚という制度がある以上、『ふたりスキル』も同じくらい大切に思わないといけないのかもと思ったわけで。
『ふたりスキル』の大切さがね、これからもっと注目される時代になるといいなぁ。
ひとりスキルは努力で上げられるけど、ふたりスキルは係わり合う事でしか上げられないと思う。『がまん』とか『妥協』とか『思いやり』とかだよね。自分の『わがまま』をコントロールできないとダメ。。
こういう『ふたりスキル』が高くないといけないよ教育?が浸透すれば、結婚率も上がるし、夫婦不和も減って子供がキレにくくなる??
ひとりスキルが充分に浸透した今の時代だから、次はふたりスキルが高くなるようになるといいよね。相反するものではないと思うんだ。
よく結婚式のスピーチで言われるけど、ふたりなら喜びは二倍に、悲しみは半分に、っていうのは本当だと思うし、アルバートさんもキャンディに、ひとつのものをふたりで分けあうって素敵なことだねって言ってたし(謎)
私もふたりスキルはまだまだ鍛えていかないとなぁ?。ひとりスキルが減るような形にじゃなくて。そう思うとやっぱ職見つけるのが先決か???( ̄口 ̄)
いつか片方を失ったとき、何年かはまったくの抜け殻になりつつも、必ず蘇られるようにね。
***追記***
先日父の見舞いに行って、ひとりでできる、なんて健康な人間の思い上がりなんだってつくづく感じました。。。絶対誰かの世話になんないと生きていくなんてできないんですよね?。ひとりで何でもできたくっても。
前に雑誌かなにかで読んだのですが、全身が動かせない難病の女性が、フィリピンの孤児の少女の里親になって育ててるそうなんですよ。もちろん彼女は身体を動かせないのでボランティアさんや支援してくれる人に助けてもらっています。
『私は身体を動かせないから、心を動かすのです』。って言ってた。
そんなにまわりに迷惑かけてまで・・・って思う人はたくさんいるんだろうな。
心の動かし方・・・このスキルとっても必要だと思った。自分がそうだけど、ひとりでできると思ってる人ほど、他人を助ける事に不器用な気がします。