ついに完結してしまいました・・・ハチミツとクローバー。最終巻10巻を読み終わりましたです。
*ここからネタバレありです!ご注意*
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終わってみればそれぞれに、おさまるべき所にハッピーエンド。賛否あったようですが私はこの終わり方はハチクロらしくてよかったと思いました。最近に珍しい?きちんと終わったマンガではないか、と。
はぐちゃんと花本先生というのは、はぐちゃんがこれからも創作活動をしていくためには先生はかかせない大切な存在なので、本能でそちらを選んだというのに納得。
森田さんが好き、というのとはやっぱり全然違う流れの話で、はぐちゃんにとって本流はやっぱり先生なんだな。。天才同士はお互いにしか共有できない世界を持って惹かれあうけど、もしかしたら一緒にいるとやっぱり食い合っちゃうのかもしれない。
はぐちゃんは「描かないと生きていけない」くらいの「創作への才能」ある意味「業」みたいなのをすでに背負ってる。
竹本くんはどちらかというと、先生のスタンスではぐちゃんに片想いしてたんだけど、はぐちゃんと同年代の彼には、彼女のバランスを支えられるだけの自分の「土台」をまだ持ってないし。
でも最後にね、彼女が竹本くんにおくった『ハチミツとクローバー』のサンドイッチがね・・・泣けた。
はぐちゃんにとって森田さんには恋だったかもしれないし、竹本くんには友情だったかもしれない、けど、彼女の中には多分、大切なものという意味では同じなんだろう。
そして彼女が本当の意味で「生きる」ために必要な人が、大きな包容力を持った花本先生なんだろうね。本人はたぶん打算も計算もなく、まさに本能の選択だと思うけど、賢い選択だと思う。
オンナヂカラですかね・・・また出ましたが、この言葉。
やりとげねばならないモノを持ってしまった
全然話変わりますが、読み終わってこの小説を思い出したんですよ。
野沢尚さん脚本で映画にもなっていますね。
どんな話なのかというと(注*ネタバレです)
・・・かいつまむと、与志くん、ロバちゃん、愛子、曜子という4人の男女がいて、ひょんなことから同じマンションに住む事になります。
与志くんの恋人の愛子は不安神経症というメンタルの持病があり働くことが困難なんだけど、彼女が非常に頭がいい事に気づいた3人が、彼女に医大受験を進めます。
3人で予備校へ通う費用を出し合って、愛子は必死で勉強して医大に合格するのです。
だけど私立の医大は思ったよりもお金がかかって、3人の出資だけでは授業料に足りなくなり、愛子はこれ以上みんなに負担をかけられない、大学を辞めるしかない、と思います。
そんなとき、愛子は同じ大学の医師にプロポーズされます、相手は自分の持病のことも良くわかってるし、愛子が医師になるまでの費用も出してくれるという・・・。
愛子は与志くんを愛してるし、3人には、とりわけ与志くんには恩があるし、悩むんだけど、最終的には与志くんと別れて、その医師と結婚してしまうのです。
与志くんも、愛子の心の揺れを知りながら、最後まで愛子に強要しないのよね。徹底的に?、愛子の決断の邪魔をしない、というスタンスを守り抜いちゃう。
この小説のこのラストは、なんだか私にはちょっと痛くて、ずっと自分的に『未消化の為一時凍結』だったんだけど、ハチクロのラストとちょっと繋がって、すこし解凍できたというか・・・。
真山のセリフ、
『生きる意味が何にかかっているか―――だと思う。それが『恋愛』の人間もいれば、好むと好まざるとにかかわらず、何か『やりとげねばならないモノ』を持って生まれてしまった人間もいる。』
『どっちが正しいとかは無くて、みんなその瞬間はもう、本能にジャッジをゆだねるしかないんだろうな』
愛子はその後国家試験に合格して医師となり、夫と共にアフリカの難民キャンプの医療団に参加してるらしい、という消息がラストにありました。
愛子も、3人から贈られた『医師になる』という夢を、『やりとげねばならないモノ』として実現する為に本能で選択したのかな?
そんなわけで、私の脳内ではこのそれぞれに遠くにある作品が、リンクしてさらにいい感じにどちらも着陸できて、ちょっとキモチイイのでした。
山田さんは相変わらず最後までベソかいてましたがね・・・。
竹本くんは片想いですっごい成長したけど、山田さんは変わらなかったなぁ・・・
野宮さんがなんとかしてくれそうな感じのラストでありましたが、欲を言えば山田さんの『自力』での成長をもうちょっと見たかったな。
そんなわけで、最終巻感想終わり。