シニアのやるべき仕事とは~「経験を生かせる仕事」は間違い! | Rucca*Lusikka

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11月23日は勤労感謝の日。この日にふさわしいテーマのワークショップに参加させていただきました。

いつも仕事でお世話になっている東京のweb製作会社・株式会社budoriさんが、今度「シニアの仕事」についての新しいサービスを立ち上げるとのことで、その意見交換の場として開かれたイベントです。

イベント名は『たのしごとカフェ《シニア編》』。ゲストは「月3万円ビジネス」の著者であり発明家の藤村靖之さんです。

これから迎える少子高齢化時代における定年後のシニアの仕事や生きがいについて、さまざまなアイデアや事例、課題についてお話しいただき、この場に参加された多様な職種の方々からの意見も聞かせていただき、大変有意義な時間でした。

(参考)藤村靖之さんの月3万円ビジネスとは?

「月3万円ビジネス」というのは、月に3万円しか稼げないビジネスのことです。いいことしかテーマにしません。このビジネスはたくさん有ります。なにしろ月に3万円しか稼げないので、脂ぎったオジサンは見向きもしません。つまり、競争から外れたところにあるビジネスです。だから、たくさん有るのです。

「月3万円では暮らせないぞ!」と思うかもしれません。ならば「月3万円ビジネス10個」というのはどうでしょうか。月30万円の収入になります。支出が少ない生活を愉しむことを重ねれば、「月3万円ビジネスを5個」でもお釣りが来るかもしれません。

(中略)「月3万円ビジネス」は暇な時に空いた場所でやります。なにしろ「月3万円」ですから暇だらけです。上手に組み合わせればいくつものビジネスを併行できます。「副業」ならぬ「複業」というわけです。

月3万円ビジネスより本文引用

budoriの代表取締役の有村正一さんは藤村先生の起業塾での教え子だそうで、そのご縁から過去にも藤村先生を招いての「働き方」や「非電化」についてのトークイベントを開かれています。

藤村靖之先生と株式会社budori代表・有村正一さん

藤村靖之先生と株式会社budori代表・有村正一さん

3年ほど前に私が聴きに行ったイベント名は「たのしごトーク」。現在の大きなパラダイムシフトのなかで、いかに人は「たのしく働く」を取り戻していけるか、ということがテーマでしたが、今回のテーマは「シニアの働き方」です。

さて、ではなぜ「シニアの働き方」なのでしょうか?シニアの労働状況、労働意欲って今どうなっているのでしょうか?

おじさんの不治の病の処方箋?

人口の1/4人が60歳以上という超高齢化、少子化による労働力の不足、医療・介護費の増大、年金受給額の減少、などの社会問題を抱えて多くの人が知らずのうちに「長生きはリスク」と感じるようになっている昨今。

立派に会社勤めを果たし、家も持ち、子どもを巣立たせ、親も看取り、定年を迎えた60代の男性が会社を去り家庭に戻ると、子育ても介護も任せっきりだった妻はすでにそこから開放されて友だちとしょっちゅう遊びに行っている。膨大な昼間の時間を持て余し働きたいと思ってハロワに行けど、シニアの求人は「清掃・警備」ばかりで、(このオレが)それをやるくらいなら年金でつましく暮らしていたほうがいいと思ってしまい動けない。

大企業の場合は延長雇用というのがあるのでなんとかそれで65歳までは食いつないでも、給料も大きく減少し、回される仕事も今までのスキル(というより習慣)だけでできる閑職でモチベーションは上がらず。

そんなシニアが今後はもっと増えてくる。

今「老害」と呼ばれるような「キレるお年寄り」が増えているといわれてますが、なんだかこれって「しあわせ」じゃないからだと思うんですよね。「立派に」社会人として生きてきた人が、経済的な困窮という不幸ではないけど不満にくすぶっている。

高度成長に乗せられた人たち。バスの外から拍手されプライドを形成してきた。

「高度経済成長に乗せられた人たち。バスの外から拍手されプライドを形成してきた。」

藤村先生いわく、こういう「おじさん(もちろんおばさんも含む)」の価値観を変えることは難しい。

こういう人が老後になってクリエイティブに生きていくのはとてもとても難しい。なぜなら「立派なキャリア、立派な人生」を継続していくために「自由でクリエイティブなことをする」ということを犠牲にしてきてしまったのだから。

そしてこういうおじさんには「仲間」がいない。大きなバスの中では自分の椅子を守ることに努力し、いつかこのバスを降りなくてはならない時が来たら、次に来るマイクロバスに確実に乗れるように「立派で」いるしかなかったから。

おじさんが新たな場でまた働こうとするときに、「シニアに割り振られた仕事」しかないことに嘆いて終わりではなく、働くことによって「生きがい」と「収入」を得てしあわせになるためにはどうしたらいい?

それは、自分がとてもとても好きで、世の中のためになる「クリエイティブなこと」をするしかない。

だけど「立派に生きてきた人」はプライドが高くクリエイティブではないので、自分のキャリアに見合う仕事以外に価値を見つけられないでいる。本当ならそこでマインドセットが必要なんだけどそれが出来ない。

これはもはや精神論でどうにかなるものではない、方法論で考えなくてはならない。

難しいシニアのマインドセット、ではその「方法」って?

budoriさんの構想するサービスは、このシニア世代の「まだまだ働きたい」「社会の役に立ちたい」という願いと、企業側の「ぜひシニアに働いて欲しい」というニーズ(啓蒙も含む)との架け橋をつくることです

詳しい内容はこれから順次正式に発表されていくと思いますが、先行事例として

早朝の時間帯に(早起きな)シニアにシフトに入ってもらうモスバーガーの取り組み

「土日はわしらのウィークデイ」…シルバー雇用の成功事例

などの紹介がありました。

「定年」=リタイア

という言葉(概念)を無くしたい。シニアと企業の意識改革を図っていくサービスとしたい。

さて、ではこの構想をカタチにしていくにあたって、立ちはだかるのはやはり「従来の働き方で得られた従来の老後」がこれからは困難であるという事実に、なかなか目を向けられない「従来の仕事をしてきた」、または「している」人の意識を変えること、です。

そこで精神論ではなく「方法論」のひとつとして、budoriスタッフさんたちがあらかじめリサーチしてきた「現在60歳前後~で元気なシニア」のペルソナ(具体的なユーザーモデル)を元に、「この人にはどんな仕事をすると良い?」を、参加者で考えアイデアを出すワークショップが始まりました。

その人の特性やスキル、趣味、生活環境などの情報から、第三者の目で「この人だったらこんなことが出来るのでは?」「ぜひこんなことをして欲しい」を考えるのです。

ペルソナから仕事を考える

ペルソナから仕事を考える

そして各自考えた「この人のこれからの仕事」を貼っていきます。参加者はbudoriさんとお付き合いのあるコーディネーターの方や建築関係の方、震災の復興支援の活動をなさってる方から、自然派化粧品会社にお勤め、webマガジン編集者、介護施設運営、システムエンジニア…などなど多様な職種の方々で、それぞれの目線からの意見がたくさん出ました。

そして藤村先生が対象者ひとりひとりにとっての「マインドセット」はどうすればできるか?についてコメントし、またさらにアイデアや意見が出る、という形で進みました。

実はここで藤村先生による痛烈な「おじさんdisり」が入ったのですがそれは割愛するとして(笑)、ただ、この日上げられた3~4名の人に共通するのは「定年してもそこそこ生活は安定できて、無理につらい思いをしてまで働く必要はない」という「現シニア」の多数代表のような、元大企業勤務&元公務員という背景を持つ方々でした。

なので藤村先生は「この人たちには無理に働いてもらわなくても良い」と。

こういう人たちは生きがいややりがいを求めながらも結局は「リスクを犯しての一歩踏み出しよりは現状維持の方を望む」と。

60歳間近になって定年後どうしよう?と考える人には、「どうしよう」と言いつつもその先への心からの「欲望」がない。
本当に「どうしよう」と考える人は50を過ぎた頃にはもう考え始めているし、もちろん定年の延長なんて選ばない。

なのでサービスを初めるならまずこの「欲望」を持つ人からはじめよと。(ただ、この持たない人の中にも本当は心の底で持ってる人もいて、そこへの気付きとしての啓蒙はアリかなと私は思う)

さて、方法論としてこの「他者目線」から自分のスキルや欲望を見直すというのは、私はとても面白いと感じました。自分のペルソナを全く知らない人に見てもらって、その人の立場から忌憚なく「あなたはこんなことが出来る」「こんなことをやればいい」という意見をもらうというのはけっこう目から鱗が落ちることです。

そして逆に、自分はこう生きてきてこんなスキルが有るのだからこういう仕事ができるはず、という思い込みも剥がしてもらえます。

 

「キャリアを生かせる仕事を」という呪縛をまず捨てよ!

え?シニアだからこそ「これまでの経験や知識を活かした仕事」をするのが一番ベストじゃないの?

これ、私がこの日一番もらったマインドセットです。多くの人がきっと、引退後のシニアにとってベストな仕事はこの「経験が生かせる」ことだと錯覚してると思います。私もそうでした。

でもそうじゃないんです。

シニアにとって一番ベストな仕事というのは「本当に好きなことをやる」

ことだというのです。

シニアが新しいことをするのに臆病なのは不安だからです。高い高いプライドが自分の「失敗」を許さないからです。恥ずかしいからです。

それを打ち破るには「本当に好きなこと」をすること以外ありません。「本当に好きなこと」のためだったら「失敗」への不安も恥ずかしさも打ち勝てるからです。本当に好きなことしかそれには勝てません。

そして「本当に好きなこと」をやることで出くわす困難や問題を解決するのが、「今までの経験」や「キャリア」や「スキル」なのです。それらははじめにありきではなく、好きなことをやっていくうちに自然とまた生かされてくるのです。

問いを発することで知識は知恵になる、というお話も

問いを発することで知識は知恵になる、というお話も

結局すごくシンプルなことなんですが「本当に好きなこと」をやれることだけが持つ「底力」のパワーこそが人生を次のステージに開くことに繋がるのではないでしょうか。

シニアに割り振られる仕事に納まるのではなく、この人だからできるという仕事への道を開く。

だからこそ自分がなにが好きなのか、したいのか、という欲望に鈍感になってはいけない。それって日々に疲弊すると忘れちゃうんですよ。欲望がわからなくなっちゃう。

その前に気づくためにも、気づく人を増やせるためにも、自分自身が忘れないためにも、感想をレポートさせていただきました。素晴らしい機会をありがとうございました。

出会いのきっかけ

さて、私とbudoriさんとの出会いのきっかけは3年前です。

当時フリーでやっていきます!と宣言したとはいえ実際には仕事のツテもなくアテもなくコネもなく、なのでまずこのブログを開設し、自分が興味あるイベントに参加してレポートを書いたり、好きな本の感想をアップしたり、ということを始めて半年ほどたったころでした。

その間に書いた、月3万円ビジネスの藤村靖之先生の講演を聞きに行った時の感想記事を見たbudoriさんから

「今度うちの会社で藤村先生を招いて働き方についてのワークショップをやるんですけど遊びに来ませんか?」

と、お誘いを頂いたのです。

それから私が在宅でwebの仕事をしてるということで「よかったら手伝ってくれませんか?」というありがたいお声かけをいただき現在に至ってます(感謝です)

ひとつのブログ記事が、のちの仕事に繋がりましたよ!

これは私の小さな事例ですが、好きなことをとことんやってたら得られた縁、という例としてちょっぴり紹介、でした^^

参考リンク

参考&おすすめ書籍

おすすめ本&グッズの一覧

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あとがき

久々更新になってしまいブログ筋(謎)がはげしく筋肉痛です(汗)。何回目の決意かという自己ツッコミの気持ちはありますが、自分も原点に戻れる大切な時間となりました。
これが私のとことん好きなこととして、ブログ筋トレを粛々とまた続けていきます。

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