小さい頃同居していた私の母方の祖母という人は、明治の女でなかなかクールな人だったと思う。人はいいけどあまり頼りにならない夫と8人の子供を育て、苦労はしたけど長男が親孝行で出来が良かった為、老後は平和に暮らし92歳で穏やかに亡くなりました。
貧乏ではありましたが祖母はけっこう着道楽で、背筋をシャンと伸ばし地味だけどいい着物を着て、粋に煙管をふかしておりました。だらしない姿は見たことがありませんでした。
それ以外は慎ましい人でしたが、お祝いへの気風が良く、私たち孫はお正月のお年玉や入学祝など、いつもかなり高額を戴いちゃっていました。
長女の叔母も同じで、嫁ぎ先の家がとんでもない吝嗇で相当苦労してきた人ですが、普段はチラシを見ながらスーパーをはしごするなど慎ましいながらも、家電などを買うときは必ず「一番いいもの」を買うし、私の結婚の時などのお祝いもかなりたくさん戴きました。
お金の苦労をしてきた人だからこその、お金の上手な使い方なんだろうなあって思います。
さて自分。
正直、あまりお金の使い方がうまいと思えない・・・。良くも悪くも自営業で共働きの忙しい家で育ったのであまり手をかけられず、お小遣いもなくなったらもらう、という感じでお金の管理にはかなりアバウトに育てられてました。
でもお金持ちの家じゃなかったので、金銭感覚はごくごく普通だと思う。車の免許も海外旅行も、洋服の贅沢も、みんな働き出してから自分のお金でやってきたし。
で、自分はどうも出来ないだろうなって思うのが、「株」と「借金」な気がします。
「借金」なんてしないに越した事はないし、借金してまで欲しいものもないんですが(家のローンは組んだけど)、「働いてお金をもらう」はできても「お金を増やす」がね、才能がない気がしてならない。
いや?昨日の日記とも少しリンクするんだけど、お金の使いどころというか、価値とか、そういうのちょっと考えちゃうのですよ。
昨日夕食時にテレビで「なんでも鑑定団」を観ていたのですが、株の運用でいい時は残高が2億7千万あったという男性が出演していてこんな話をしていました。
昔お世話になった人から会社の運用資金として1千万円の借金の申し出があったそうです。その人からは「すぐに買い手が探せずに現金化ができない。だからこれを担保に」と1千万円位の価値はあるという古い切手を持ち出したそうな。
男性はその時株で儲けたお金があったし、お世話になった恩人だったので1千万円貸したそうです。だがそのお金は戻ってこなかった・・・そんなわけでこの古い切手の鑑定をお願いにやってきたそうです。
「借金のカタの骨董品って、本物だったことないよね?」
なんていいながらテレビを観てたんだけど、なんと!その切手には
5千万円の値打ちが!!?( ̄口 ̄)
「この人スゲーなー」
「こういう人が勝ち組なんだね?」
なんて話していたんだけど、あとから思うに、2億7千万の現金があるとはいえ、恩人を助ける為に価値のわからない古い切手を担保に1千万貸せるって、けっこうすごいんじゃない?て気がした。270万の貯金があるRuccaさんが10万円貸すのとは訳が違いますよ??
運もあると思うけど、宝くじが当たるのとはまた違うよね。
私は小心者なのでまあ分相応に、「なんとなく不安な将来の為に」コツコツ貯金を積み立てるしか出来ないんだろうけど、なんだかそういう「あてのない貯金」を持ってる人ほど「振り込め詐欺」に引っかかり安いような気がしてならない・・・(;´Д`)
価値はリスクに宿る
ってことなんだろうな、やっぱ。