価値はリスクに宿る? | Rucca*Lusikka

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横浜のwebデザイナー&ライターRucca(ルッカ)のサイトです。ノート術で人生を楽しくおもしろくすることをテーマにブログを書いてます。

なんだかまだ話を引きずりますが(^_^;)

往年の名作映画「風と共に去りぬ」での話です。

ヒロインのスカーレットが、南北戦争後の貧困の中、家と土地を競売にかけられそうになって、何とか期限までに不当に吊り上げられた税金を納めなくてはならなくなった。しかし家は明日の食料すら事欠く状態で、借金できるアテもない。

一家を養う彼女は一大決心して、家のカーテンを取り外し大急ぎでドレスに仕立て、精一杯着飾って羽振りのいいフリをし、帰国したばかりで実情を知らないレット・バトラーを、最悪自分を抵当にしてでもうまく騙してお金を出させようと画策するシーンがありました。

精一杯着飾り、「やってやるわ」と意気込んでアトランタに向うその場面は映画でも小説でも私の好きなシーンのひとつであります(*^_^*)

で、何を思ったのかというと、

例えば、住む所を失い、貯金もなく、仕事もなくなったとしよう。

で、それは大変でしょうと、「とりあえずこれでなんとかしなさい、なんとかなったら返して下さい。」と30万円渡されたとします。

さてどうします?

?とりあえず住む所を探し、敷金礼金などにする。あとは生活費に回しながら仕事探し。

まあこれが一般的な気がしますが、

?身なりを整える。安い車と携帯電話を買う。使えるコネを使いまくって仕事を取ってくる。

という人もいるだろうな。ベンチャーの社長さんとか、こういう人が多いんじゃないだろうか?

もう20年近くも前になりますが、私が当時いた広告代理店(といっても小さい)の先輩デザイナーがこのタイプでした。

私より2歳年上だったからその当時23、4歳くらい。すごい才能があって美人。だけどオヤジw そして筋金入りの極道一歩手前から更生して、中卒から職業訓練校に通い、この小さい代理店で、パチンコ屋やスーパーのチラシを作りながらデザイナーの道を歩き出した人でした。

その会社は営業が仕事を取ってきて、制作に回す、というスタイルで、デザイナーが直にクライアントに出向く事はあまりなかったんだけど、仕事を通してある大手商業施設の広告担当の課長さんにそのセンスを見込まれて、大口の仕事を回してもらえるようになったのです。

その商業施設はちょっと郊外にあったため、先輩は自費で車を買い、会社近くの有料駐車場を毎日自費で利用し、打合せには積極的にとにかく自分の足で向ってました。営業さんおいてきぼり(^_^;) さらに仕事が大きくなると、自分でスタイリストやカメラマン、コーディネーター、ライターを探しチームを作り、ついにはクライアントさんごともらって独立してしまいました。

その間、会社といろいろあったとは思うのですが、詳しい事は私にはよくわかりません。

その後、バブルがはじけたりといろいろありましたが、今も元気に会社を経営されて、何年か前にご結婚もされたようです(*^_^*)

私はのほほんと就職した野心も何もない新入社員だったのですが、その先輩にはとてもかわいがってもらえました。23歳にしてその波乱万丈な半生?を聞いたときは、この人とは立っている足元が自分とは違う。クリエイティブな業界で残っていく人っていうのはこういう人だろうなぁと思ったものです。

その後、辞めてからも先輩の会社にはちょこちょこ足を運んでお手伝いなどをしていました。女の子ばかりで文化祭の準備みたいな雰囲気が楽しかった。

ウチで働かない?と言われたときは、丁度当時いた会社を辞めたいと思ってたときだったのでちょっと悩んだ(正直お給料が激減するというのもあった)。で、親に言ってみたら、いままで一度も私の進路にはNOと言わなかった母にキッパリと反対された。

「女は友達とビジネスをしてはいけない」

ウチは自営業だったので、母なりにそれは経験してきたことからの教訓なんだろうと思った。

正直、先輩の会社はプライベートも仕事もどっぷり一緒な女子寮みたいな部分もあって(師匠の家に住み込む弟子たちみたいな?)、私には、たまにお手伝いをさせてもらうくらいのほうがいいのかも、と思うようになったのでした。

なんか話が流れていっちゃいましたが・・・(ノ∀`)

先輩がその大口のクライアントをモノにしていく所を、のほほんとした私は隣で見ていたのですが、もしそこからの最初の小さな仕事の発注を当時のチーフが受けていたら、チーフも才能のある姉御肌のステキな女性でしたが、多分チーフは営業さんを飛び越えてまでそこの仕事をさらに自ら取りにいくことはしなかったと思うのです。

でも先輩は「チャンス」と、自腹で車を買い、駐車場代を払い、足で通いつめて仕事をもぎ取って独立するに至った。すごいよなー・・・23、4歳の女の子だよ??普通のちいさな「常識人」にはできないことです。

そんなわけでもう一度、

価値はリスクに宿る

わけですね、と思ってみる。いや、リスクに飛び込める勇気、なのかな。勇気の裏づけは自信?「こうなりたい未来」への強い強い思い?