きつねと私の12ヶ月 | Rucca*Lusikka

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買い物があってジャックモールのほうへ行ったので、カフェでコーヒーでも飲んでから帰ろうと思ったら水曜日だった事に気がつきました。隣は映画館、水曜日はレディースデーで1000円!

なにか今から観れる映画でおもしろそうなのあるかな?と思って寄ってみたら、丁度始まるのが「きつねと私の12ヶ月」という映画でした。

そんなわけでなんの予備知識もなく見てみる事に…。

Kitune


きつねと私の12ヶ月

(原題「LE RENARD ET L’ENFANT/THE FOX AND THE CHILD」)
(フランス/リュック・ジャケ監督/ベルティーユ・ノエル=ブリュノー、イザベル・カレ、トマ・ラリベルトゥ、他)

フランスのどこら辺なんだろう?舞台は大自然の山と森の中です。1人の少女が学校帰りに森の中で一匹のきつねに出会うところから物語は始まります。

その10才の少女「リラ」は、美しいきつねの姿にまさに「一目惚れ」してしまうのです。

そしてその日からリラは毎日森へ行き、危険な目にあいながらもきつねを探すのです。きつねのあのふかふかの背中に触れたい、きつねと友達になりたい!!

警戒心の強い野生のきつねは当然リラを警戒します。

でも、リラの尋常じゃないストーカーパワー(^_^;)で、きつねもだんだん警戒を解いていき、二人の距離はだんだん近づいていく…そして!!

と、まあそんな感じのお話なんですが、

映像はとにかく美しいし、リラ役の少女はそばかすがいっぱいで可愛くてしかもすごい演技も上手だし、なによりもきつねにこんなにも表情があるのだとは!ていうか野生の動物達をこんなに表情豊かに、こんなアングルで、撮れるものなの??全員本当は背中にチャックがついていて人間が入ってるんじゃ?ってくらい動物達の表情が、映像が、演技?が素晴らしいのですよ。CGじゃないはず・・・。

自然や野生動物の描写もすごいですが、フレンチシネマっぽい、衣装や小物のさりげない配色のおしゃれさとかもなかなかステキだと思います。

リラの「きつねと友達になりたい!!」という情熱とエネルギーは凄まじく、見ててこう、

「きつねにだんだん取り憑かれているのでは?」

とこちらが危惧するほどで、もしかしてこれは「少女がきつね憑きになる話?」とうっかり誤解してしまいそうなほど…(^_^;)(ところでフランスでもきつねが人を化かす、とかあるんだろうか??)

リラの執念深い片想いはだんだんと通じ、きつねはリラを警戒しなくなっていき、二人は森で一緒に遊ぶくらいに心を通わせられるようになっていく。

リラはきつねに「テトゥ」という名前をつける。森に行って笛を吹けばテトゥは応えて吼える。憧れていた「テトゥの背中を撫でる」こともできるようになる。

★この先ストーリーネタバレですのでご注意★

 

でもリラはそこで間違える…リラは、家で飼ってる犬のように(この前に初めてリラの家で犬を飼っている事がわかる)、犬と人間の関係のように、テトゥとも「もっと仲良くなれる」と思ってしまう。

そこである事件が起きて・・・。

…ここで私ちょっと違和感があったのです。

あれ?いままでのリラの一途なテトゥへの想いって、テトゥを「犬」にすることだったの?って。。。テトゥに首輪を(バンダナだけど)させようとするリラがね、今までの流れから思うと・・・あれー?いきなりそうなの?リラ??みたいな。

結局、その「事件」のあと、ラストではリラとテトゥは惹かれあいながらも、

「私たちはお互いの領域に入るほどの友達には…絶対になれない」

というのを悟り、距離を置くようになり、やがて自然消滅・・・という結末になるのでした。野生の動物と人間のどうしようもない壁、「仲良くなる」を間違えたリラの幼さ。

ラストで大人になったリラが、当時の自分と同じ年くらいの息子にテトゥのお話を聞かせながら、

「好きと所有するは違うのよ」

って言うんだけどね、それはそれでおさまりのいいラストではあるんだけど…。

でもやっぱり、リラがいきなりテトゥに首輪をしようとしたのは違和感があるな?。

テトゥと「友達」になっていく過程がとても良かっただけに…。でも子供ってそんなもんなのかな?大自然も野生の動物も知らず、犬を飼った事もない私には、リラの気持ちがイマイチわからなかったのでした…。

とはいえこの映画、ラストちょい手前まで出てくる人間がリラだけなんですよ。リラとテトゥの「別れ」も、オトナとか社会とかに引き離される、といったものではなくて、あくまでもリラの責任。

その書き方が、子供を甘やかさないフレンチって感じでとても良かったと思いました。

Kitune2

見どころはやはりとにかくこのリラちゃん役の子の演技のうまさとかわいらしさかな。もちろん映像の美しさも。音も。音、サウンドのいい映画館だと良くわかると思うけど、背後から蜂の飛ぶ音が聞こえてきたり、鳥の声が右から左に飛んでいったり、すごいリアルです。

野生動物のドキュメンタリーのような、冒険ファンタジーのような…幻想的な自然の風景もたくさん楽しめました。

ただ、ただ、、、これを言ったらおしめぇよ…的なことを、あえてひとつ言わせていただくとすると。

映画のラストシーンが終わって、スタッフロールが流れ、主題曲が流れ、全てが終わったあとに、

衝撃の一文がスクリーンに!!!

「野生のきつねは伝染病などを持っている可能性が高いので、むやみに触らないようにしてください」

入れなくちゃならないのはわかる!わかるよ!!??わかるけど・・・

ちょっと台無し??:*:・( ̄∀ ̄)・:*: みたいな?★

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