さてさてまたノートについて。
デジタルが発達した昨今、スケジュールやタスクはみんなPCやスマホで管理する人も多いと思います。そんなご時世なぜアナログな手書きのノートをつけるのか??
私がノートをつける理由は「考えるため」です。
・・・いきなりノートから話が脱線しますが、私が専門学校を卒業してグラフィックデザイナーになった頃は、まだ写植と版下の時代でした。
ひとつのチラシを作るのに、写植屋さんで文字を組んでもらい、紙焼き機(写植文字を劣化させずに拡大縮小させる機械)でその大きさを調節し、必要なら「薄剥ぎ」してピンセットとペーパーセメントで文字間を調整するのです(写植は日にちがかかる&高いので)。
今ならIllustratorやInDesignで10分もあれば出来る事にヘタすればまる1日以上かけていたのです。
デジタル万歳!!\(^o^)/
ですよ、ほんとほんと。
懐古的思想は全くなく100%デジタル化を肯定する私ですが、アナログ時代の、フォントを何通りも選べない制限(高いから)の中考えに考えてひとつのフォントを選んだこと、少ない色数での印刷、色校が上がるまでイメージを頭の中で作りこむこと、を知ってるというのは、遅くからデジタルデビューした自分にとって、逆にここだけは強みになってるのカモ、と思うことはあります。
いきなりデザイナーなりたてで、ものすごいたくさんのフォント、カラー、効果、そんな「無制限」の中から「コレ!」ってのを探し選び出すのは難しいと思いますから。(やりがちなのは、グラデかけすぎ&シャドウ落とし過ぎw)
デジタルって、ものすごく便利な半面、選べることや出来る事が多すぎるんですよね。
デザイナーだけでなく、例えばカメラマンやミュージシャン、または設計士さん、パタンナーさんなども、アナログからデジタルへの移行をリアルで経験した人は、アナログ時代の「制限あり」での制作の経験が、なんでも可能なデジタル時代に逆に「なにを捨てるべきか」への基準の助けになってたりしないでしょうか?
ノートの書き方&ツール
私はブログ書くのにすっごい時間がかかります。頭に浮かんだ思いをそのまま水が流れる如く文章に書けないのです。だーっと書いていくと「てにをは」が変になってたり、接続詞だらけになったり。なので3行づつくらい書いては整え、書いては整えという感じで書いています。
これをアナログでやってたらエライことになります。シャーペンの芯と消しゴムとノートがいくらあっても足りませんし、多分根気が続きません。ここでもデジタル万歳!です。
でもブログのアイディア絞りふくむ、「物を考える」ときはノートを使ってひたすら文字(+イラスト)を書きます。
この時の文字は、文章ではなくてキーワードです。
キーワードをどんどんつなげていって、マインドマップ風なMAPを作っていくうちに、いるものといらないもの、また次のテーマに使うもの、などが頭の中で整理されていくのです。
あと、イベントやセミナーに行った時には必ず、のちのアウトプットのためにノートを取るのですが、その時もこのキーワードMAPをだだだーっと書いて、後で見直しながらブログへ文章化していってます。
例えば、先日行ったWordBenchのイベントの時のノートはこんなかんじです。このキーワードMAPを見ながら直接、またはもう一度キーワードMAPから自分なりに感じたことを枝葉に伸ばして、さらにキーワードを追加させたあとブログの文章にしていってます。
イベントレポートではない普段の日記は、そのままブログの投稿画面に書いていく事のほうが多いですが、ネタは日々つけてるノートから拾ってます。
このキーワードをつなげていく作業はアナログの手書きノートじゃなくちゃ私はダメなんですよ。マインドマップをweb上で使えるツールも試したことはあるのですが、手描きほど自由にはできなくて。
FreeMindは、議論やアイデアをまとめる手法であるマインドマップを作成するためのフリーのソフトウェアです。簡単にグラフィカルなマインドマップを作成できるほか、作成したマインドマップをPDFやPNG、HTMLといった形式で保存する機能も備えています。
FreeMindで作成したマインドマップは自由に展開/折り畳みができ、またWebブラウザで動的に動くマップを作成することもできます。
でも↑これは、マインドマップを他者にプレゼンテーションするのにはいいアプリだなって思います。
(ちなみに手描き&カラーでマインドマップを描くのは、ノート上だと狭いのであまりしません。今後の計画とかを練りたい時にじっくり大きな紙の上で描きます。)
このような、手書きでキーワードをどんどんつなげて行く方法は、発想を広げたい時に向いています。逆に広がった発想をまとめたい時はポストイットを使ってます。
ポストイットにキーワードを書いていって、最初散らばってたそれらをグループ化させて、さらに優先順位をつけて、Todoに落としこむのです。仕事が複数重なった時に使うことが多いです。
スマートノート本の中で、この方法はアメリカの有名な実業家であるカーネギーさんの悩み整理法として紹介されていました。(スマートノート本P86~P92 )
悩みのラベル貼り
ある時期、あまりにも多い事業の悩みや家庭の悩みが重なったカーネギー氏は、自殺しようとピストルを置いた引き出しを開けました。そこで一緒に入ってた便箋に目が行きます。そうだ、死ぬなら遺書を書かなくては!
そしてふと思いつき、今自分が抱えてる問題や悩みを一つ一つ便箋に書き出してったそうです。そしたら1,000個はあると思っていた悩み事が、どうしても60個しか思い浮かばなかったのです。まだあるはずだと絞り出しても70個でピタリと止まってしまった。
そして、
その70個の悩みをひとつひとつをちぎって4つの山に仕分けし始めたそうです。
「明日出来る事」「来週以降着手すること」「来月でも間に合うもの」「解決できないこと」
そして、4つ目の山をゴミ箱に捨て、残りを机の引き出しにしまい、自殺のことなど忘れたように奥さんと夕食に行ったそうです。
1000個もあると思ってた悩みが、実は70個しかなかった。
これは何かというと、
「複数の問題を頭の中でグルグルと回している状態」なんだそうです。悩みの解決に使うべき脳の容量をジャグリングに使ってしまっている。
岡田氏は、この「悩みのジャグリング」は「紙に書き出す」で解決できると書いてます。
スマートノート本の中で、私が一番印象に残った部分です。悩みの解決にはもちろん、複数の物事や仕事が重なって「忙しいような気がする」になった時も、私はこの方法で一旦脳内を整理させます。すごい効果があります。
私のMYスマートノートはこんなふうに、考え事、日々の記録(フェイズ1,2の5行日記も併用)、思考の拡張&整理に多く使っています。アナログのいいところはパッとすぐに広げられるところです。PCは立ちあげないといけないから。
アナログノートは[畑]です。本の中でも言われていますが、ノートは頭の中の畑を耕す事に通じます。スマートノートは「これをやればたちまちお金持ち!」とか「アナタもすぐに成功者に!」とかそういうものではありません。「効率化」のためのものでもありません。ひたすら自分の中の思考をトレーニングするためのものです。
そして、この「考えヂカラ」こそが、なんでもある、なんでも選べる、デジタル社会の情報の海を、自分の「見識(教養やセンスや美意識)」をもって自由にわたるべき力になると思うのです。
デジタルの恩恵をたっぷり受けながら、その自由さに振り回されたり持て余さないためにも。
さて、でも私がノートを始めてからいちばん悩んで試行錯誤したのが、
ノートは何冊持つべきか?
でした。当時基金訓練の授業を受けていたので。勉強用のノートがまずありました。さらにスマートノート、さらにスケジュール帳。これってまとめたほうがいいのかな??せっかくスマホもあるしデジタルとも連携させたい。
…結論をいうと、私は今も3つに分けています。
まずスマートノート、そしてスケジュール帳、そして仕事用ノートです。
さらにアナログノートの弱点である「過去ログをパッと検索できない」をどう克服するか??
長くなってきたので、このへんはまた次回以降に書いていこうと思います。