伝わる文章を書くための8つのポイントとひとつの心構え | Rucca*Lusikka

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横浜のwebデザイナー&ライターRucca(ルッカ)のサイトです。ノート術で人生を楽しくおもしろくすることをテーマにブログを書いてます。

8月になりました!毎日暑いですね。あまりの暑さに日中は外出することができず、最近は日が暮れてからのそのそと買い物に行くという吸血鬼ライフをおくっています(謎)

さて、先月は何件かのweb文章についてのイベントに出席してきました。

ひとつめは、7月19日にApple Store銀座で行なわれた、CSS NITE Vol.64の、

ふたつめは、7月25日に行なわれた、schooのweb授業での

どちらもwebでの「文章の書き方」についてがテーマでした。

私は仕事でwebサイトや紙のチラシを作りますが、その場合テキスト(文章)はお客様が用意してくれたものをそのまま使う時と、お客様の用意してくれた資料などから私が書き起こす時と、案件ごとにいろんなケースがあります。

仕事はデザインなのですが、やはりつくる際、文章を整理したり、見やすくしたり、見出しを考えたり、ということも必要なので、「web文章の書き方講座」というものを一度受けておこうと思ったのでした。

文才からの開放〜設計思考で書く!Webテキスト表現術

まずCSS NITEでの森田さんの講義から。

よく文章について「文才がないから」「センスが無いから」という人がいるけれど、文章に一番必要なのは「設計する力」。大切なことは「伝わること」。

1.テキストを「設計する」

料理のレシピを例にして、最初ダラダラ?っと作る順番を並べていただけの文章を、使う材料、調味料、に分類し、さらに手順の、野菜を切る、炒める、煮る、などそれぞれに見出しをつけ、写真を載せ、「わかりやすく」表現するという実例を見せてくれました。

完成品のイメージ、前もって準備すること、必要な材料、手順、図解、完成までの注意点、などの要点をおさえ設計してから組み立てれば、わかりやすく伝わりやすい文章ができる。サイト設計そのものにもいえますね。

 

2.インパクトを「設計する」

キャッチーなタイトルの付け方、目を引かせるための工夫として反対の言葉を並べて見る。たとえば「コンピュータ×おばあちゃん」や、「草食×男子」「腐×女子」「マツコ×デラックス」など、本来出会うことのない言葉同士が並ぶとインパクトが強くなる。「え?」っと思わせることができる。

後述の吉岡さんの講義でも同じ意味合いの教えがありました。例えば「○○やめました」っていうもの。「iPhoneやめました」「博報堂やめました」など。どちらも確かに「なぜ?」とクリックしたくなるタイトルになりますね。

 

3.見る人にとっての優先順位を考える

これも例を上げて、例えば急に歯が痛くなって近くの歯科を検索した時に必要な情報とは

  • 今日が定休日じゃないか、診療時間は?
  • 場所、家からのルート。
  • 電話番号や予約フォーマット

であって、ホワイトニング技術が〜〜や、最新の設備が〜〜、院長の略歴が〜〜というのは二の次である。

だいたい歯医者というのは歯が痛くなってから探す人が多いので、「いま歯が痛い患者さん」からの優先順位を考えて設計する必要がある。

・・・私、歯科関係のお仕事が多かったのでちょっと分かるんですけど、歯医者さんって設備や技術やメニューをまず載せたい方が多いんですよね(そしてビジュアルイメージは白人が好き)

まずどんな情報を一番目立つように伝えるべきなのか。ギャップがないようクライアントさんとここを良くすり合わせる必要があります。

講義後の質問で「その辺わかってくれない頭の硬いクライアントに対してどうしたらいいでしょう?」というものがありました。これはテキスト設計の話ではなくディレクションの話だなと苦笑されてましたが(でも私もそれ聞きたかったw)、その場合はとにかく「成功してる実例」を見せること、だそうです。

「実例」のストックを普段から頭の中にたくさん貯めておく必要がありますね。

4.見やすいレイアウト(目の動線)を考える

これはデザインの部分にもなってきますが、

見る → 感じる→読む→理解する→行動する(コンバージョン)

という導線をイメージして設計することが大切だと。これはサッカーのパスに例えて話されててとてもわかり易かった。そして文章は「アンダー300ライティング」を意識すること。

「アンダー300ライティング」とは、300文字という制限のもとでひとつの文章をまとめるということ。Twitterなら2ツイート分くらいの量。これは視覚的にも読みやすい「かたまり」なんだそうです。

その中に伝えるべき単語や情報を入れるようにと。例として2時間ドラマのテレビ番組欄を上げられました。たしかに短い言葉で内容がわかりやすく、たまに傑作もありますよね。

5.良質なテキストとは”めんどくさい”を飛び越えるジャンプ台

森田さんのお話は、一貫して「わかりやすくするために必要なこと」について語られていました。そして本当に「わかりやすかった」です。さらに思ったのはとても「たとえ話」にするのが上手いんですよね。

料理レシピに例えたり、歯が痛い患者さんに例えたり、サッカーのパスに例えたり、会場の老若男女だれにでもわかる内容での「たとえ」のストックをたくさんお持ちなんだなあと。

お釈迦様の説法も「たとえ話」がとても多いと聴いたことがあります。「わかりやすく説明する」「わかりやすく設計する」、どちらも相手のことを考えてこちらで努力すること、ですよね。確かに「文才」とか「センス」ではない部分だと思います。

日頃から「たとえ=メタファー」を常に考える訓練が必要だなと思います。ぼーっとしてたらなかなかできない。メタファーをうまく使えるようになればディレクション力も上がると思います。この辺はこれからスマートノートで意識して練習していきたいです。

参考リンク

 

WEBライティング実習webで読まれる文章を書くための方法を学ぶ

さて次はschooのweb授業、吉岡さんの講義から。

こちらも1時間弱の短い時間ながらとてもいろんなテクニックが凝縮された講座でした。公開添削もあって実践的でした(課題出せなかったけど・・・残念)

6.「webの文章は一期一会」と考える

まず、紙とwebの文章の違いについて。紙の文章は順番に読んでもらえる、継続的に読んでもらえる、しかしwebの文章は読まれる順番もバラバラで、基本的に「一期一会」であると。読者は全て一見さんと考える

…いきなりですがここにすごいぐさっと来ました。ブログの文章はつい「前にも読んでくれてる人」向けになってしまって、以前書いたことは省略しがちでした。でもこれからは毎回毎回「はじめて会う人」を意識して書こうと思いました。

 

7.気づいてもらえない文章は存在しないと同じ…読まれるタイトルを考える

これもキツイ言い方ですが、web上の文章は「読まれてなんぼ」であると。なので読んでもらえる工夫を最大限にしないといけない。そのためにタイトルをどう付けるかは非常に重要であると。

先述の「○○やめました」の他に、よく見るけど例えば「××な私が○○を成功させた7つの方法」とか数字を入れる、とか、「○○やってみた」なども「お!?」っとおもわせクリックさせる力があると。「釣り気味」くらいでちょうどいい感じなのかも。

また検索エンジンを意識することも大切。できるだけ個人名や商品名を入れる。エゴサーチされ有名人の人にRTやシェアされる率が上がりやすい。

 

8.「居酒屋で初めて会った人に説明するように」

自分の仕事の面白さを1000文字位で説明する文章をお題に出されました。その時に「誰に向かって書くのか」を考えるときは↑の居酒屋で初めて出会う人に語るように、ということ。

居酒屋はうるさくてノイズもたくさんある。話してる途中で店員がオーダー取りに来たり、隣のテーブルから大きな笑い声が起きたりして話が中断してしまうこともある。

webの文章も同じで、読者は最初から行儀よく読んではくれない。「思いもよらぬ読まれ方」をすることもある。文章の一部だけを切り取られたり、見出しだけを読まれたりもある。なのでどこから読まれてもわかりやすい文章を心がける必要がある。

説明はその都度詳しくする。リンクや画像も効果的に使う。見出しも重要。

個性的な「味のある文章」というのは揚げ足を取られやすいのでwebには向かない。

「思います」ではなくきちんと「です」と言い切る。

…などなどでした。いちいちうなづけることばかり。「思います」はかなりやりがちなので気をつけたいです。

 

吉岡さんのブログ

 

 

以上、簡単ですが二つの講座のレポートでした。

お二人からのメッセージの共通点はやはり、読む人へのわかりやすさを常に考えること、ですね。

まず設計を考える。そして設計図にしたがって見やすいようにデザインを組み立てていく。さらに、多くの人に見てもらえるようにキャッチーなタイトルや見出しを取り付けていく。

個人的にはあまりにもあざといタイトルはちょっと恥ずかしいなとか思ってしまうんだけど、「読まれてなんぼ」というのもまさにその通りだと。

ワタシ的に、今回この授業を受けて取り組みたいと思ったのは記事に見出しをつけることですね。私のブログ記事いつも長いんで・・・そんなわけで記事中の見出しをわかりやすくしてみましたがいかがでしたでしょうか??

そしてさらにこのブロ着記事のタイトルを「それっぽく」してみた・・・しかしちょっとひねりが足りないなぁ??うーん、難しいです。

 

最後に、

先日、ミシマ社から出版された、内田樹@levinassienさんの新刊である「街場の文体論」を読み終わりました。内容も深く量も多く、まだ頭の中でこなれていないので感想が書けるとしたらもう少し先になりそうですが、大変読み応えがあり教えてもらうことの多い本でした。

その中で繰り返し語られたいたのが

「相手に伝わる言葉について」

でした。これは紙でもwebでも同じでとても大切なのはやはりそこだなと。

伝わる文章のための、媒体によっての書き分け方などテクニックはもちろん必要だけど、「伝える」ために最も必要なのは

読み手に対する敬意

であると。そこから「伝えるための手段」を考える力が沸き起こってくるんだなと

この心構えの上にあって、テクニックが初めて生かせられるのですね。ブログであっても、web記事であっても、事業紹介であっても、またはお礼状でも、社内メールや連絡文であっても。

テクニックはやはり実践と経験もありますね。文章って、考えて書けば書いただけうまくなれるものだと思う。

例えば「風邪を引いたので今日休ませてください」という内容だって、相手への伝え方で印象はきっととても変わる。(言い訳をうまくするという意味ではないですヨ)

伝える力、表現する力は、あればあるほど人生が生きやすくなる。文章でも、言葉ででも。

これからも毎日のノート書きと、このブログで、ちょっとづつでもそういう力を身につけていきたいです。

 

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