さてさてそんなわけでお仕事は来月までおやすみです。なんかあっという間というか・・・またもお家生活・・・ヒマだw
なのでちょっと停まってたブログの更新&読書にまた力を入れてってみようかと思いまーす♪
前に『国王を虜にした女たち』という本を紹介しました。それの繋がり?じゃないけど今日紹介する本はこちらです。
怖くて読めない英国王室残酷物語 (講談社プラスアルファ文庫)
著者の渡辺みどりさんという方は、よく皇室関係の番組に帽子かぶって出てくる方だよなぁ・・・世界史&イギリス史に詳しい方は、この本の内容はあまり目新しいことはなく、面白くもないかもと思います。タイトルも同時期流行ってた本のパクリっぽいし、中にはダイアナ妃のことも書かれているんだけどなんかこじつけに付け足した感がアリアリだし。
ただ私はこの本の主人公、ヘンリー8世についてほとんど知識がなかったため、へぇ~~と楽しく読めました。
ヘンリー8世という人は16世紀のイギリス・テューダー王朝時代に君臨した王で、エリザベス1世の父親でもあります。wikipediaによるとイングランド王室史上最高のインテリで、馬術やスポーツも得意な文武両道、立派な風采と高いカリスマ性を持った英明な王としてイギリス史に残っています。
テューダー王朝全盛期のイングランドを築いた王には6人の后があった・・・でもヨーロッパの王室はキリスト教なので一夫一妻制です。たくさんのお后が同時にということはありません。お后は次々に取り替えられて6人になったのです。
ヘンリー8世の最初の妻は、夭折した兄のアーサー王太子の妻だったキャサリン・オブ・アラゴンでした。
スペインの王女であったキャサリン・オブ・アラゴンは、王太子の死でわずか結婚半年で16才の未亡人となってしまい、王のヘンリー7世は悩みました。スペインとの同盟など政治的問題も含め、このままこの王太子妃を実家に帰すわけにはいかない、しかし王太子が死んでしまってはとどめておくことも出来ない・・・。
そこで王は、当時まだ10才の次男ヘンリーと結婚させようという手段にでたのです。王はその後、ヘンリーとキャサリン・オブ・アラゴンの結婚を遺言にしてなくなります。
次男はヘンリー8世として即位し、その後華やかな結婚式が挙げられました。花婿は17才、花嫁は23才、聡明でたくましく成長したヘンリーは幼い頃からこの兄嫁に尊敬と憧れを抱いていて、花嫁もこの魅力的な王と結婚したことにとても幸せを感じていたそうです。
キャサリン王妃は当時のヨーロッパで最高の教養と知性を持った女性といわれ、しかも信仰篤いやさしい人柄、そして美しい容姿、何不足ない理想的な花嫁で、2人の結婚は幸福そのものでした。
が、、、男の子が生まれなかったのです。7回の妊娠出産を繰り返した王妃でしたがどれも流産や死産になってしまい、唯一育ったのは娘のメアリーだけ・・・最後の子供が生まれてすぐに死んでしまったとき、王妃は32才になってしまっていました。
ヘンリー8世には愛人に生ませた庶子の男子がいましたが、イギリス王室で嫡子以外が王位を継いだ前例はありません。しかもまだ王は26才という若さなのです。
実は最初からこの結婚は『タブー』に触れるのではないか、という話がありました。それは旧約聖書の
『男は兄弟の妻を娶ろうとするならばそれは汚れたことである。彼らは子宝に恵まれまい』
の一文です。
キャサリンと前夫アーサーの結婚生活はわずか半年、当時16才だったアーサーは体も虚弱で、だから2人の間には実質的な夫婦関係はなかった・・・という事で、ローマ法王より特免状までもらいその問題を解決し、キャサリンとヘンリーの結婚は成立に至ったのでした。
ヘンリー8世は、やはりこの結婚はタブーだったのだ、と思うようになりました。度重なる出産と死産で王妃はかつての若さを失い、もはや跡継ぎは望めそうにありません。王家には跡継ぎになる健康な男子がどうしても必要なのです。でもカトリックでは離婚は認められないのです。
そのころ、ヘンリー8世はキャサリンの侍女のアン・ブーリンに夢中でした。フランスからの帰国子女だったアンは、センスがよく洒落ていてそして若くて魅力的で、さらに大きな野心を持っていました。ヘンリーは次第に王妃と離婚してアンと結婚することを望むようになったのです。しかし、教皇の特免状まで得て結婚したスペイン王女との離婚には難しい問題が山ほどありました。まず王妃のキャサリンが離婚に応じませんでした。
ヘンリーはどうしたか?・・・なんとキャサリンとの結婚はタブーに触れるため
やっぱり最初から無効でした
いう事にしちゃったのです!!当然、特免状を出したローマ教皇は激怒し、イギリス王室はローマ(神聖ローマ帝国の皇帝、カール5世はキャサリンの甥)と完全対立。ヘンリー8世はイギリス国協会を設立し、自らその首長となりカトリック教会を離脱したのです。
イギリス国教会はそんな『お家の事情』から誕生してたのでした。
6年に及ぶドロドロの離婚劇は終わり、哀れなキャサリン王妃は『アーサー未亡人』となり追放、娘メアリーは庶子とされてしまいます。そして勝ち誇るアン・ブーリン。民衆に慕われていた王妃は同情され、民衆はいつまでも彼女を『クイーン』と呼んでいたそうです。
6人の后の話が1人目でなんだか長くなってしまいました・・・続きはまた書きます。