ヘンリー8世と后たち③ | Rucca*Lusikka

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なんだか思ったよりも長くなってしまいました・・・時間があるっていうのもありますが、けっこうアレコレ調べてたら面白くなっちゃって。ヘンリー8世と后の話はシェークスピアの戯曲にもなってるくらい有名だし、関連本もかなり出てますね。

最初からはこちら ヘンリー8世 アーカイブ | Rucca*Lusikka

さてさて、待望の男子が生まれましたがジェーン王妃はその12日後に亡くなってしまいました。。このころイギリスはバチカンと敵対したことでヨーロッパのなかで孤立。なのでジェーン王妃の死には、国王が「王妃はいつでも取り替えられるから、腹を割いて子供を取り上げろ!」と言ったとか・・・という噂まで流れたそうです。

ヘンリー8世は王妃の死ですっかりふさぎこみ老け込んでしまいました。かつての美男子の面影はなくなり、もはや肥満した、気難しい短気な暴君でした。無事男の子が生まれたとはいえまだ幼児、ここはやはりまた若く健康な后を迎えねば、と、周りは動き始めますが、ヨーロッパ中の姫君はこんな恐ろしい王と結婚するのは絶対イヤだと、縁談はいっこうにまとまりません。

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いろんな思惑が錯綜する中、フランドルの令嬢、アン・オブ・クレーブズが候補に挙がりました。お見合い写真では(肖像画だけど)なかなかの美女。御年は24才。

ヘンリー8世は肖像画を気に入り、わくわくと花嫁を迎えました。

ところが・・・。

肝心の花嫁は肖像画と似ても似つかなかった・・・趣味は手芸と女らしいけど、王の好きな読書や音楽の話も出来ない。いやそもそも英語が話せない!!それよりも容姿が徹底的に好みに合わない!というかむしろ生理的にダメなタイプ??

王はどうしたらこの結婚から逃れられるか、そのことで頭はいっぱいになります。無理!絶対無理!この女と子供をもうけるなんて絶対出来ない!!

幸い?アン王妃は程よく鈍感な気立てのいい女性で、自分が王にそこまで嫌われているとは思わず、その人柄は宮廷の人たちにも愛され、長女のメアリーは自分とそう歳の変わらぬこの継母を敬い、まだ幼いエリザベスも彼女を母として慕いました。

家庭内は平和になりましたが・・・肝心の王はどうしてもダメ・・・彼女は処女妻のまま、王は早くも彼女との離婚に向けて画策を始めます(なんというかなぁ)

結局、彼女が少女時代に他の男性と交わしていた婚約が正式に破談になってなかった、というもっともらしい理由をこじつけて、王は彼女との結婚をまたも「なかったこと」にしちゃったのでした。たったの半年で!!

彼女はキャサリン・オブ・アラゴンやアン・ブーリンが離婚の際どうなったかを知っていましたから、王からの離婚の申し立てには快く承諾。賢く身を引いて身の安全を確保しました(身勝手な暴君から早く逃れられて良かったと思ったのかも?)。

この事で彼女は多大な年金と「王の妹待遇」という名誉が贈られ、2人の継娘とは温かい友情を交わしながら穏やかに一生を終えたのでした。

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さて、やっと面倒な離婚劇を終わらせたヘンリー8世はその年の内にまたも結婚します。しかも相手はアン・オブ・クリーブズの侍女だったキャサリン・ハワードです。まだ19才!30才も年下のこの可愛い可愛い侍女にすっかり夢中になってしまったのです。

若く可愛い妻を得て、ヘンリー8世は若返ります。

しかし彼女は一国の王妃になるような教育も受けてないし、そんな野心も持っていなかったのでした。あまりにも若く軽薄で無邪気すぎた王妃は、まず前妻のアンを慕っていたヘンリーの子供達からは総スカンを喰らいます。家庭はまたも複雑に荒れはじめました。

そしていつしかヘンリー8世の耳に、キャサリン王妃が不義密通をしているというウワサが入ります。キャサリンは結婚前からすでに異性関係が派手で、結婚後も続いているというのです。密かに調査をさせたところ、やはりウワサは事実であることが判明。王はまたも可愛さあまって憎さ100倍・・・ついに彼女に逮捕状が取られたのです。

彼女は罪人としてロンドン塔に送られ・・・そして斬首されてしまったのでした。実は彼女は2番目の后、アン・ブーリンの従姉妹でもありました。因縁というかなんというか・・・。

ハンプトン・コート宮殿の「銀の杖回廊」には、白い服を着たジェーン・シーモアの幽霊が現れる・・・と前に書きましたが、さらにこの宮殿の王室チャペルの前の回廊には、キャサリン・ハワードの幽霊が夜な夜な現れる・・・と言われているそうです。

そこは彼女が逮捕される時、王に赦しを求める為に悲鳴を上げて走っていった回廊なんだそうです。

さて、ヘンリー8世、すでに51才。持病は悪化し健康状態もよくありません。若い妻に裏切られたショックでますます老け込みさすがに疲れ果てました。。。

もはやもう子供は望まない、それよりもまず王妃にふさわしい教養のある人で、さらにこの複雑な家庭をまとめ、なおかつ自分の看護(介護?)をしてくれるような、世慣れた大人の女性に妻になって欲しい。と願うようになります。

そしてその理想にピッタリの女性が最後の王妃、キャサリン・パーでした。ただ、未亡人だった彼女にはすでに恋人がいました。しかしそこはヘンリー8世、その恋人を王の権限で遠方に赴任させちゃったのです。彼女は王の熱烈なプロポーズを断りきれなくなり、覚悟を持って6番目の后になることにしたのです。

とりあえず続く!!…たぶん次で終わります。

参考リンク

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参考書籍

 

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