おもしろきおとなのためのノート術シリーズ、第8回目です。
さて、長く続いてきたのでここでいったん今までのまとめをしたいと思います。
このブログで過去に掲載してきた「MYノート術」シリーズの記事は、岡田斗司夫さんのスマートノート術のメソッドをベースにし、マインドマップはじめいろいろな手帳術・ノート術なども参考に、自分なりに書く内容や、書くにあたっての姿勢、道具、書くべき内容などを試行錯誤しながら実践しまとめてきました。
ノートを書き始めて6年が過ぎ、書き方も最初の頃とはずいぶん変わり、ようやく自分なりの「型」が身についてきたと思っています。
その「型」を元に、去年から新しく書き始めたのがこの「おもしろきおとなのためのノート術」です。
スマートノートの書き方がベースであることは変わっていませんが、スマートノートで少し抽象的だった第3フェーズ以降の内容をもう少し私なりに具体的にした内容になっています。
それでは今回はここまでの内容のまとめです。
なぜノートを書くのか、書きはじめるに当たってのステップ、ノートの書き方、ノートが成長したら次は?をもう一度振り帰ります。各章にそれぞれの内容を詳しく書いた記事へのリンクを貼っていますので、復習用に使っていただければと思います。
なぜノートを書くのか?〜まとめ
まず、なぜノートを書くのか?のおさらいです。
この「おもしろきおとなのためのノート術」のテーマは、「おもしろき人」になって「自由自在に自分の人生を生きる」、というものです。
おもしろき人とはなにか?とは、それは「常識の外に立てる人」のこと。
ものごとをあまり「考えないで」生きていくと、しらずしらず「常識」が「主」で自分が「従」になってしまう。価値観が常識に乗っ取られてしまうのだ。
例えばテレビでニュースを見た時に、「怒り」や「悲しみ」の感情が沸くことがある。
しかしその「怒り」や「悲しみ」は、ほんとうに自分自身のものだろうか?ニュースキャスターのコメントやVTRの作り方に影響されてはないだろうか?こういうニュースにはこういう反応をするのが常識的と、無意識にコントロールされてはいないか?
「おもしろい映画」と評判の映画を見れば「おもしろく」感じる。「美味しい」と評判のお店の料理を食べて「美味しかった」とSNSにアップする。
自分が本当に受けた感覚よりも、世間の「評判」の方を優先してしまう。無意識に。
評価の軸を「自分自身」より「常識」や「評判」に頼るクセがついてしまうと、その人から出てくるものはみんなとおんなじ「常識印の金太郎飴」になる。そんなおじさんおばさんが世の中にはたくさんいる。
自分の感覚を信じず、自分の頭で考えない。誰かのつくった「おもしろい」を消費するだけ。
つまんないおとな。つまんない人生。そうならないためにはまず「考える」鍛錬が必要。その「鍛錬」が「毎日ノートを書く」ことなのだ。
ノートに向かってあらゆることについて自分で考えること、自分の感覚を言語化して残すこと。
その鍛錬で「自分の感覚」と「自分の考え」を取り戻し、「常識印の金太郎飴」ではない「おもしろきおとな」として「おもしろき人生」を生きていこう!というのが、「ノートを書く」ことの目的です。
ノートの書き方ステップ〜最初は5行日記から
ではそのノートはどうやって書くのか?
まず始めたいのは、岡田斗司夫さんのスマートノートでも提唱されている「5行日記」です。1日の終わりにノートに向かう時間を作り、今日起きたことや感じたことを5行、箇条書きで書きます。
ノートはそれ用に新しいノートを用意してもいいし、毎日使ってる手帳のフリースペースを利用するのもいいです。ちなみに私は「3年日記」というのを使っています。これだと去年の同じ日に書いた自分の5行日記が今年書く同じページに載っているので、去年なにがあったかを思い出すのにも便利です。
手書きがおすすめですが、スマートフォンの日記アプリを利用しても良いです。毎日続けられるかどうかを基準に自分に最適なものを探して下さい。
1日の出来事を5行書く。
ここで身につけたいのは「ノートを毎日書く」習慣と「編集して書く」という意識です。
- 1日に起きた出来事を5つ書き出す(ここですでに選ぶものと選ばないものとの選択をしている)
- 嘘は書いてはいけない。「起きたこと」の事実を要約して書き、感情を簡単に書き残す(嬉しい、悲しい、レベルで可)
- 日記ではなく「記録」と意識して書く。話し言葉ではなく客観的に書く。
- 5つの文章の長さをできるだけ揃えて書く(5つ選んだもののバランスを整える編集を行う)
5行日記で毎日、一日の出来事を編集していくことによって、「(書くべき出来事を)自分で選ぶ、自分の中に通す、感じたことを留める」ことに慣れていく。
5行日記はその「型」を何度も何度も繰り返すことで身に着けていく鍛錬なのです。
毎日5行日記を書く習慣が身についたら
まずは5行日記を2週間続けてみて下さい。毎日ノートに向かって書く習慣が身についたでしょうか?
そうしたら次のステップにいきましょう!
新しいノートを1冊用意して下さい。ここでは「フリーノート」という呼び方をします。毎日書く5行日記とは別のノートにして下さい。
「フリーノート」は自由な発想をさらに広げたり、悩みや問題を整理するために書くノートです。5行日記での気付きや心に留めておいたことをここでさらに発展させたり深く考えていきます。
書き方は2種類あります。
- 発想を広げたい、考えを深めたい、計画を立てたい、やりたいことを整理したい→この場合の書き方は「白」
- 悩みを解決したい、モヤモヤした感情を整理したい、愚痴を吐き出したい、黒い気持ちをなんとかしたい→この場合の書き方は「黒」
「白」は拡張です。通常の場合はこちらの書き方で。
「黒」は解決です。悩みや愚痴など黒い感情を整理したいときの書き方です。
「白」モードでの書き方
アイデアを広げたり、映画や読書の感想を書いたり、なにかを計画したい時の書き方です。
マインドマップ型式で、今日の日付と場所、テーマにしたいことを中央に書き、枝を広げていくようにキーワードをつなげていきます。
上から書く、左から書く、という概念は捨てて、ノートの見開きいっぱいに、中心から広がっていくように書いていきましょう。
連想ゲームのように言葉をつなげていきます。思ったこと、気づいたこと、なんでも、浮かぶままに書いていきます。
- やりたいこと・計画(学習、旅行、掃除、なんでも)
- ほしいもの(お金で買えるもの、買えないもの、定期的に書き出すと欲望が整理される)
- 食べたいもの(行きたいお店なども)
- 行きたい場所(行ける場所、行けそうもない場所、どちらも)
- おもしろかったこと(どこが?どこが?)
- 次にブログに書きたいこと(ネタ出し)
などを書き出します。
特に「欲しいもの」や「やりたいこと」を書くことはおすすめで、これによって「欲望」が具体的になります。
自分は何が欲しいのか、本当にそれが欲しいのかどうかを知ることはけっこう大切で、なぜなら「欲望」というのは生きていくモチベーションの大きな一つでもあるから。
本当は欲しいのに手に入らないからと諦めているものって、実はけっこうあります。心の奥に隠した「本当は欲しい」ものを見つけ出すことで、自分が欲しいと思っていたものが「代わりに欲しいもの」だったことがわかることも。
私はこの「欲望の整理」を月に1回はやります。たくさん書き出していくことで、その中での優先順位を考えたり、手に入れるための計画が浮かんだり、想定外のものがでてきたりでなかなか楽しいですよ。
掃除計画はしょっちゅうやっています。なぜしょっちゅうなのかはなかなか実行できないからです(笑)
苦手なものはノートを書いていても途中で飽きてしまうんですよね。なので何回もチャレンジして、気分がのってきたりタイミングが良かったりするとノートが進み、計画が具体的になり実行に移せるようになります。
のらないときは仕方がない、また今度!ですね。でも回数増やせばそのノリが「降りてくる」チャンスも増えるので、まず回数をと思っています(笑)
「黒」モードでの書き方
どうしようもなく沸き上がってくる黒い気持ち。
誰かへの嫉妬、怒り、悲しみ、イライラ、自分への失望、具体的な悩み、etc.
そういうダークな思念を頭のなかでジャグリングさせておくのは危険です。「黒」モードの書き方とは、そういう黒い感情に適切なラベルを貼り心のなかに置き場を作って片付ける、または寝かせておくための書き方です。
まず、今日はブラックなことと向き合ってノートを書く!と決めたら、普段の「白」の書き方ではなくこちらの書き方で書くこと。
「白」の書き方はアイデアや連想を広げていく書き方なので悩みの解決には向きません。
フォーマットに従って書くようにします。ノートの見開きの中心にます黒い気持ちの「お題」を書き、上に「どうする」右に「起きたこと」左に「過去にあったこと」下に「なぜ」と書きます。
- 1. 起きたこと(事実)を書く
- 2. なぜ?をどんどん掘り上げていく
- 3. 過去に似たことがあったらその事例を書き出す
- 4.「どうする?」を考える
ポイントは「なぜ」をどれだけ掘っていけるかどうかです。
できるだけたくさんの「なぜ」を書いていきます。なぜそう思った?なぜそうなった?なぜ○○さんはそう言ったか?なぜ自分は○○をした?
黒い感情をそのままノートに書き連ねることは絶対にやめて下さい。その負の言霊が呪いとなって我が身に降り掛かってきて危険です。その時は吐き出してスッキリしても解決にはなりません。
必ずフォーマットに則って、論理的に客観的に、「なぜ」を掘り下げていくことがだいじ。
ひと通り書ききったと思ったらそこでやめること。見開き2ページ以上は書かないように。ここで大切なのは悩みや黒い気持ちにを封じ込めることでも吐き出すことでもなくて、「適切なラベルを貼る」ことなのです。その作業がこのフォーマットに則った書き方です。
モヤモヤとした思いを書き出し整理していくことで、そのモヤモヤにある程度の輪郭が浮かび、大きさもわかってきます。そこまでわかってきたらラベルを貼れたと同じこと。あとはひとまず仕舞っておきましょう。
白と黒の2つのモードで書くフリーノートが習慣化したら
ノートの書き方「白」と「黒」、どちらも同じノートを使っていただいて構いません。
大きさはA5以上で、罫線のあるものより無地または方眼のものが向いています。見開きにしやすい綴じ方のものだとさらに良し。
自分に合う大きさや形状、書き方がつかめてくるのはだいたい4,5冊目くらいからですね。一度コレと決めてもそれに固執せず、「最近あまり書けないなぁ」「ノラないなぁ」と思ったら躊躇せず違うタイプのノートに変えてみるなど、柔軟に対応してください。
5行日記は毎日書くことがだいじですが、フリーノートは毎日必ずでなくてもいいです。もちろん毎日書ければなおいいですが、時間もそこそこかかるので書きたいと思った時にで。でも5行日記が習慣になっていれば一緒に毎日、少なくとも3日に一度は書きたくなってきます。
5行日記とフリーノート、このふたつを良いサイクルで回してくださいね!
そして、ノートが習慣化して、自分の考えかたや感情、感覚を「取り戻せた」と感じられるようになったら、次のステップはノートから外へ出ていくことです。
「おもしろい」の消費者から「生産者」になりましょう。
ノートは畑。「おもしろい」の消費者から生産者へ!
ノートは畑です。
畑を耕し、種を植え、育て、実がなるまでには相応の時間は絶対に必要。毎日のノート書きを鍛錬とし育てていけば必ず「収穫の時季」がやってきます。それを感じてきたら次のステップ「おもしろいの生産者」になることです。
具体的にいうと「クリエイター」になることです。
日常のブログでも、小説でも、イラストでも、写真でも、今日のお弁当でも、好きな本の紹介でも、なんでもいい、自分だけのコンテンツをつくること。
例えば私の場合はこのブログがそう。
毎日5行日記に書いている内容から、さらに深く考えたりアイデアを広げたいと思ったことをフリーノートに書き出し、整理し、そこからブログ記事にしています。
ネットを使えば誰でも簡単に自分のクリエイティブを世界に発表できる。
そして発表することで自分の身近な生活圏の外にも仲間が生まれ、さらに仕事だって生まれます!
ノートという畑で育てた作物を、世界に出すことで循環させてまたノートにつなげていく。このサイクルがうまく回り始めたら、人生はおもしろいです!
ぜひ、まずはネットで自分のコンテンツを作って欲しいですね。
そしてネット上の自分のコンテンツは、あなた自身の「ホーム」になります。
SNSは「社交場」です。場の空気に左右され、古いものは全て流れていき、あなたがあなた自身でいられる場ではありません。あなた自身のコンテンツをネット上に持つことは揺るぎないホームを持つこと。
SNS疲れしても帰ってこれる場、続けていくことで少しづつ評価を蓄積していける場。
目的は、未知の新しい仲間を見つけること、そして「オファーが来ること」です。あなたの「おもしろい」が仕事(楽しめる仕事)につながっていったら、さらに素敵なサイクルのスタートです。
ぜひここを目指してほしいです。
また、ネット上にホームを作るに当たっての情報収集の一助になればと思い書いたのがこちら。
おすすめのブログサービスのメリットやデメリットと、最初に絶対に踏まえてほしい注意点など。ぜひ参考にしてください。
ノートから世界へ、そしてまたノートへ
自分の人生をおもしろく自由自在に生きていく人は、自分の見識で物事を評価し、様々な情報を自分の中でつなげられる教養を持ち、世間の常識を「主」にせず、自在に常識の外側にも行けるアウトローな人です。
そういう人は間違いなくおもしろい!
ノートはそんなおもしろき人生を送るための鍛錬の場であり、ネット上に自分のコンテンツ「ホーム」を持つことは、ノートの収穫のサイクルを回すことでもあり、クリエイティブの生産者になることです。
100年生きると言われるこれからの未来、仕事を引退したら何をしますか?子どもが巣立ったらどうしますか?
忙しく生きているうちに、自分の中の「クリエイティブ」をどんどん失っていませんか?
「おもしろきおとなのためのノート術」は、クリエイティビティをいつまでも自分の中で失わないように育てていくためのノート術です。
興味を持った方、はじめ方は簡単!ノートとペンがあれば今日からでもOKです!
ぜひ始めてみてくださいね!
お友だちサイトのご紹介♪
私の友人が長年温めてきた?テーマでついにブログ公開しました☆
彼女とはテーブルウェアフェスティバルに毎年一緒に行ってますが、写真がとっても上手なのでいろいろ教えてもらったりと大変お世話になっております^^
黄みの名は。 | いところーるより画像引用
四季折々の自然の中にある美しい色あいを写真で紹介し、「萌黄色」「はなだ色」など日本の古来からのみやびな色の名前とその由来を素敵なエッセイと共に紹介するブログです。
ほんわかしたり、懐かしくなったり、そんな風に心に残る素敵なサイト。WordPressの公式テーマ「Twenty Seventeen」で作られていますね。
ぜひ訪れてみて下さい♪
「おもしろきおとなのためのノート術」についての記事一覧
参考書籍
私は2016年から使っています。こちらは2017年度版です。
あとがき
今ごろ風邪を引きました・・・まわりでも風邪引きさん多かったりします。5月とは思えない暑い日が続いていますが、夜になるとまだ少し涼しかったりと、なかなか調節が難しいですね。みなさまご自愛下さいませ。