おもしろきおとなのためのノート術【第4回】心が黒いモヤモヤに覆われた時の書き方 | Rucca*Lusikka

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日々の気づきをノートに綴っていく。その時間が自分の未来をよりおもしろいものに変えていく。そんな気づきの一滴をすくって描くRuccaのブログです。Lusikkaはフィンランド語で「スプーン」のことです。

おもしろきおとなのためのノート術【第4回】は、「モヤモヤ・愚痴・怒り」などブラックな感情が沸き起こった時のノートの書き方についてです。

第3回目の「考えるためのノート」で紹介した書き方が、通常モード=「白」だとしたら、こちらは暗黒モード=「黒」です。

「白」は、発想を広げる、アイデアをたくさん出す、計画を練る、などのための書き方ですが、同じ方法で「黒」をやってしまうと、吐き出した黒い感情が増殖し呪いとなって我が身に降り注ぐ危険性があります。

なので今日は「黒モード」だなと思った時はいつもの書き方はやめて、これから説明する書き方でノートに向かってみてください。

写真は横浜・日本大通りの銀杏並木。見事に黄金色でした。

その前に第3回目までのおさらい

  • 「おもしろき大人のためのノート術」とはなにか(ノートを勧める理由)→第1回
  • 今日の出来事、感じたことなどを箇条書きで5つ記録する「5行日記」をつける→第2回
  • 「5つの短文」として、ひとつづつの文章の長さ(ボリューム)を揃えるように書く(長々と書かないように。ひとつがだいたい1〜2行で)→第2回
  • 5行日記を毎日付ける習慣が身についたら「考えるためのノート」を用意する。→第3回
  • ノートはA5以上の大きさで方眼または無地のものがおすすめ。→第3回
  • マインドマップを描く要領で、中心にテーマを置きそれに関するさまざまな発想を枝を広げるように継ぎ足していく→第3回

5行日記は短い文章で1日の出来事を「編集する」ことの鍛錬。

考えるためのノート(フリーノート)はひとつのテーマから思考を広げ、繋がっていくキーワードをたくさん出すのが鍛錬です。

このキーワードを出していくのも慣れていないうちは難しいものです。そんな時はスマートノート本(岡田斗司夫著)の解説にもありましたが、脳内にキャラを作ってそいつと会話させてみるというのもけっこうおもしろい手段です。

会話をつなげていくポイントになるのは疑問符「何が?」「それで?」「どんな?」です。

心に潜って言葉を見つける(白黒共通)

心を表現する的確な言葉を見つけることは難しいです。つい思ってもいないことを言ってしまうこともしばしばあります。

心を人に伝える力が「表現力」で、自分の心に近い言葉を見つけ出せる人ほど、人の心を動かす=楽しませる、感動させる、考えさせることができるのではないだろうか。

表現力が身につくと人生はグッとおもしろくなる。そしてこれは日々の鍛錬で身につけることができます!

この「おもしろき大人のためのノート術」は、その鍛錬をするためのノート術です。

たとえば映画を見た感想なども、

今日は映画を見に行った
→「なんの?」→この世界の片隅に
→「どうだった?」→すごく感動した
→「なにに?」→絵の表現がステキだった
→「どんな場面の?」→すずさんの描いた絵と実際の風景が時々混ざるところ
→「ほかには?」→エンドロールが良かった
→「なんで?」・・・

という風に「問い」を使い対話にしていくと、「感動した」や「おもしろかった」や「泣けた」などのありきたりな感想から、映画を見て自分の心が「動いた」ことにもう一歩近づいてそれを言語化していくことの鍛錬になるのです。

このように、「なにが?」「どんな?」で広げていくのが、おもしろき大人のためのノート術「白」の書き方。

そして「なぜ?」で掘り下げていくのが、おもしろき大人のためのノート術「黒」の書き方になります。

心のモヤモヤは「書いてスッキリ」できる

「黒い気持ち」といってもいろいろあると思う。

誰かへの嫌いという感情、嫉妬、自分への失望、罪悪感、将来への不安etc…

人間として生きてる限りこういう感情と無縁になることはまず不可能。でも黒い気持ちを毎日抱えていくのはしんどいし、シワも増えるし髪も抜けます。

できればこういう感情に振り回されずに日々穏やかに過ごしていきたいもの。

ふと空を見上げたら飛行機雲が幾重にも。ちょっと「君の名は。」ぽい写真が撮れました。

書くことで心をスッキリさせる

…というのは何も目新しいものではなく、ノートや日記に気持ちを書き出すことで心を整理するノート術は、すでに広く知られていて本屋さんに行けば書籍もいろいろあります。私のこのノート術は岡田斗司夫さんのスマートノートがベースで、それを試行錯誤し書き続けてることでできた「型」の紹介です。

スマートノート術の本の中で、アメリカの実業家・カーネギー氏のこんなエピソードが紹介されていました。

事業に行き詰まり自殺を考えたカーネギー氏は、遺書を書くつもりだった便箋にふと、抱えている問題のひとつひとつを書き出してみた。すると1,000くらいはあると思ってたさまざまな問題が実は70にも満たなかったことに気がついたのです。

これらの紙を今度は「すぐ解決できるもの」「来週以降から着手するもの」「来月でも間に合うもの」「解決できないもの」と4つの山に分け、最後の山はゴミ箱に捨てて、その後奥さんと食事に行った、というお話でした。

つまり、1000もあると思っていた悩みの正体は、頭のなかでグルグルと70個をジャグリングさせていただけだったことに、書き出してみて初めて気がついたのです。

また、私の好きな宮本輝さんの小説「月光の東」では、夫に自殺された主人公が心療内科の医師の勧めで日記を書き始め、その日記の内容が物語となって進みます。

彼女が日記を書いていくことで、夫の死の悲しみと怒り、死んだ夫の愛人だった女への憎しみでいっぱいだった心が、書くことで徐々に感情が整理され、子どもたちの心や亡くなるまでの夫の人生に思いを寄せることができるようになり、悲しみは癒され成長していく様子が描かれています。

書く、という行為は心の整理でもあり、自分の心と深く話し合う行為でもあるんですよね。

ただし、一定のルールの中で書くことが大事

愚痴や悩みを書いて整理するのは良いことですが、書き方には注意が必要だと思っています。

なぜなら、ただ鬱憤を晴らすために愚痴をズラズラ書いていくと、どんどんその「愚痴」の中に自分がハマってしまい、ますます視野が狭くなり同じループから抜け出しにくくなることがあるから。

なので「ズラズラスタイル」はおすすめしません。私は昔、感情をそのまま流し込むように日記を書いていた時期がありましたが、今思うとその日記は感情のループ加速装置でもありました。

出口のないまま流し込まれた負の感情は(私に文才があれば別のものに昇華されたのかもしれないけど)それは単なる負の言霊と化して我が身に降り注ぐだけでした。

黒い気持ちをスッキリさせるためには、一定のルールのもとにきちんと工程を踏まえて処理していくのが望ましい。

カーネギー氏の、ひとつひとつ書き出す→4つに分類する→解決しないものはいっそ捨ててしまう。というのも、複数抱えた問題の整理にとても適した工程ですよね。

これは「問題」を「タスク」に言い換えられます。問題を優先順位別にタスク化することで整理したのです。

さてでは、ノートで悩みを整理していく書き方とは?ですが、先に言いましたがこれは通常の「白」の書き方には向きません。

発想やアイデアを広げていくための書き方で、うっかり愚痴や黒い気持ちを広げていったら危険ですからね。

では、どうやって書くのがおすすめかというと

「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」

で掘り下げていく書き方です。これはスマートノートでも紹介されていますが、私はこの書き方を黒い気持ちの時に特に活用していて、気持ちの整理に役立てています。すごいおすすめです。

 

黒い気持ちを手放していくノートの書き方

スマートノートの第3フェーズの書き方の中に「論理的思考」のためのフォーマットというのがあります。私はこれをベースにして、なにか悩みや問題があったの書き方に利用しています。

書く前にまず、自分の心に「これから黒い気持ちを解決するためにノートを書く」と宣言しておきましょう。そしてノートの真ん中に、現状抱えてる問題についてひとつ書き出します。

では私が以前に書いた「黒」ノートを例に出します。

中央に「悩みの原因」を書きます。

 

「母と喧嘩をした」…なんとも大人げない内容ですが、webで公開するのに「黒い気持ち」の相手が身内以外だといろいろ問題があるので(笑)これを上げていきます。

そして画面を4つのゾーンに分けます

  • 右方面に「起きたこと」(事実とそれによって感じたことを書きます)
  • 下方面に「なぜ?」(悩みの理由を掘っていきます)
  • 左方面に「過去にあったこと」(今回の問題と似ている過去の事例があったら書きます)
  • 上方面に「どうする?」これからどうするのがベストかを書く(実行不可能でも思いついたら書く)

ノートを4つのゾーンに分けます

ではここから「なぜ?」を書いていきます。※ひとつがあまり長文にならないように注意

「起きたこと」と「それにより沸き起こった感情」に「なぜ?」と掘り下げていく

母と喧嘩した、の原因は、そもそも母の日当日の午後に母から「母の日のプレゼントがお前だけまだ届いてない」という電話がきっかけでした。

私は前々日にデパートでプレゼントを購入し配送を頼んだのだけど、そこでは母の日は混むからと時間の指定ができなかったのです。

私の母はちょっと僻みっぽいところがあり、誕生日や母の日をうっかりすると「すごく落ち込んだ」アピールをしてくるので、そこが非常にめんどくさいなと常々思っていました。

今回もちゃんとプレゼントを送っているのに、まだ午後なのに、そういう電話がかかってきたことで、ついカッとなり、

「送ったよ!配送会社に文句を言ってよ!」と声を荒げてしまった。

もういい年した娘と高齢の母、と思うと、自分の言い方ははかなり大人気なかったと反省したのですが、やはりモヤモヤする!

という気持ちでノートに向かいました。

自分が大人げなかったのはわかってる。でもモヤモヤするこの気持ち!!

さて、ではひとつひとつ考えて行きます。

  • なぜ、母はプレゼントにうるさいのだろう(昔はそうじゃなかった)
  • なぜ、私は「送ったからもう少し待っててね」と優しくいえないのだろう
  • なぜ、母は夜まで待てなくこの時間に電話をかけてきたのだろう
  • なぜ、母が「○○してくれない」と言う度にすごく重い気持ちになるのだろう

「なぜ」を考え「どうする?」につないでいきます

母の言動に対してのなぜ?の答えは本人に聞いていないので仮定ですが、自分の中の「なぜ」に対する答えとともに、ずいぶん言語化されて来ました。

母側の「なぜ」の分析

  • 母がプレゼントにこだわるのは友だちに自慢したいからかもしれない
  • あの年代の人は、子どもや孫から自分がいかに大切にされているかがステイタスなのだ
  • 父は母にプレゼントとかしない人だったので積年の不満が溜まっているのかも

私の中の「なぜ」の分析

  • 子どもの頃は両親は仕事が忙しく、そのため兄も自分も親離れは早かった
  • 両親が仕事を引退したあと、暇になった母の関心が自分に向いてきたのが重かった。
  • 母が望む「友達のように仲のいい母娘」は今さら自分には無理!というのが罪悪感になっていて、過剰に反応してしまう。

と、このようにノートが埋まっていく。

このようなアレコレはずっと以前からあり、もう自分は解決しようとは思ってなく、自分の気持ちのコントロールだけだと思っている。今回はちょっとそれがうまくいかなかったのだ。

なので今後の対策(できるできないは別に)

  • 記念日はできるだけ実家に行く、または待ち合わせて会うようにする
  • 会えない場合は先回りして電話をし、プレゼント送ったからねと伝える
  • たまにはこっちから電話する

と、今回はこんな答えにたどり着きました。

モヤモヤが完全になくなるわけではないけれど、モヤモヤのままにせず原因を考えてきちんと言語化すると、モヤモヤの正体がわかってきて、それだけでもかなりスッキリするのです。

悩みには「ラベル」を貼っていこう

このように、黒い気持ち・感情はノートに書いてスッキリさせるというのは、感情をそのままノートにダウンロードして鬱憤を晴らすということではありません。

心の中のモヤモヤにたいして「適切なラベルが貼れたこと」が「スッキリ」の正体なのだ。

自分の心の中に向き合い、「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」と問い続けることでそれは探し出せます。そしてどれだけ深く潜れるかは潜水と同じで鍛錬が必要です。

でも急に一気に深く潜ろうとせず、まずはひとつの悩みに対して見開き2ページが埋まるまで、にとどめましょう。いっぱいになったら続きはまた今度です。

一回潜っただけでもかなりモヤモヤの正体に近いラベルは探せているはずです。そうすれば次回以降またそこから探せるから大丈夫です。

ただ「ラベルを貼る」と「悩みが解決する」は違います。

電車の川と本物の川の中州な風景

悩みを解決するにはノートではなく実際のアクション(行動)が必要でしょう。そのアクションにつなげるためのこのラベル探しですが、すぐにアクションを起こせない場合は、それは「名前をつけて一時保存」となります。

「名前をつけて一時保存」したものは、ひとまず脳内の悩みジャグリングの中にはもう入ってきません。そして時間というのは不思議なもので、ふと思い出して開けてみたら中身はもうカラになっていたり、形を変えて別のものになっていたということもけっこうあるんです。

まずはモヤモヤの正体にラベルを貼る、これがこのノートの書き方でできることです。

おもしろきおとなのためのノート術、「白」と「黒」の書き方の違い、分かりましたでしょうか?

人生をおもしろくクリエイティブにしていく「白」の書き方と、モヤモヤする感情に囚われた時の「黒」の書き方、両方を上手に使って鍛錬し、毎日を自由自在に生きていきたいですね!

※ちなみに、この母の日の電話のあとプレゼントの配送が届いたらしく、今度は「ありがとう」と電話がありお互いに謝ったのでした。

 

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あとがき

もうすぐ2016年も終わり。新年はノートを書き始めるいいきっかけです。まだのひとは2017年をぜひノート元年にしてみてくださいね!

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