先日、渋谷で打ち合わせがありました。せっかく都内まで出るのでついでに何か見たい展覧会やイベントがないかなと調べたら丁度コレがありました!
渋谷ヒカリエに色んな「ねこ」が大集合! – 岩合光昭写真展?ねこ? | ニュース – ファッションプレス
EVENT | 記事詳細 | 渋谷ヒカリエ/Shibuya Hikarie
「岩合光昭の世界ネコ歩き – NHK」は私の好きなテレビ番組のひとつです。とにかくもう岩合さんの撮るネコたちの可愛らしさ!おもしろさ!
私も実家にいたときネコと暮らしていたのですが、ネコって写真撮るのけっこう難しいですよね。だいたい目を合わせるのがキライなのでカメラを向けるとプイと横を向いてしまったり、とか。
でも岩合さんの写真のネコはみんな表情豊かで生き生きしてるんだなぁ。どうしてあんなにいかつい大きなカメラを持っているのに、ネコに警戒心をもたせず打ち解けた表情の写真を撮らせてもらえるのだろう??体からマタタビ臭を出せる特異体質なんじゃないか?とか思っちゃう(笑)(もちろん簡単に撮られているわけではなく、一匹の猫を撮るのに3日かかったというエピソードがありました)
そんな自然な姿の愉快な猫の写真がたーくさん飾られた写真展です。もうね、パネルを見ている人たちがみんな笑っているの。私も何枚かの写真の前で声を出して笑ってしまいました。
ネコ好きな人はもちろん、そうでない人も笑顔になれる写真展だと思います。最近どうも口角が下がりっぱなしだな…って人はぜひともお出かけになってみて下さい!渋谷ヒカリエにて25日まで開催されています。
ルッカの猫がたり1:野良猫三姉妹編
さて、ここからは私の「猫がたり」です。はじめに言っておきますが長いです。猫の写真をいっぱい見てたらたまらなく思い出し語りたくなったのです。よかったらお付き合い下さい。
これは旅行先の小樽にいた野良猫
私の実家は車の入らない谷戸の奥にあるため、今でいう「地域猫」が多い場所です(まあ当時は普通に野良猫と言いましたが)
私が中学1年の時に越してきて、しばらく経った頃お腹の大きなメスの野良猫が庭によく来るようになり、なんとなく餌をあげたらそのまま居付きました。
それまでずっと団地住まいで動物が飼えなかったので、私は「猫と仲良くなる」というのにずっと憧れていました。
しかし、そのネコは野良猫なのでなついてはくれず、餌も人間が離れてからやっと近寄って食べるという感じ。そしてしばらくして4匹の子猫を産みました。さらに子猫が乳離れしたら子猫を残していなくなったのです。
子どもを預けるためにわざわざ人間に甘えてきて居付くことに成功し、しかし警戒心は解かず、子どもがある程度育ったら置いて去っていく…なかなかの策士な母猫でしたw
さて、残された4匹のかわいい子猫ですが、そんなしっかりものの母親の教育の賜物か、人間に対してこれまた全然懐かない・・・(涙)
餌の時だけ「にゃー」とやってきて、あげにいくと一旦逃げて、人間がいなくなってから食べる、という、親譲りの可愛げの無さぶりでした。
とりあえず名前をつけました。
アカ、シロ、クロ、トラ・・・なんのひねりもないネーミングにw
4匹のうちクロだけオスで、成猫になった頃、他のオスに追い出されたのか庭にやって来なくなりました。
残ったメス3匹はそれぞれ個性があり、また、彼女らをめぐるオス猫たちの争いなどなど、懐いてはくれなかったけどネコウォッチングはおもしろかったです。
ある年、シロが風邪引いて鼻水だらけになり、またたく間に全員に感染り、一匹ずつ庭からいなくなって行きました・・・。それからしばらく、我家の庭には時々流れ者の野良が住み着くことはあっても、そのまま定住していくネコはいませんでした。
ルッカの猫がたり2:やんごとなきネコ家に来る編
さて、それから何年か経ってある日、我が家に新しい猫がやって来ました。
今度は野良猫ではなく、先祖代々の家猫であるヒマラヤンの「てんちゃん」です。私の友人がヒマラヤンを飼っていて、そのネコのお嫁さんにもう一匹飼いたいという話をしてて、たまたま私の会社の先輩にヒマラヤンのブリーダーをしてる友人がいる方がいたので紹介したのです。
そして引き取りに行くのに付き合った時、紹介された子猫のあまりの可愛さに私も飼いたくなってしまい、もう一匹残っていた男の子を貰い受けてきちゃったのでした。
何に感動したかって、てんちゃんは人間をちっとも怖がらないのです。
人間がいて当然、一緒の部屋にいて当然、愛されて当然、撫でられても抱っこされても当然、なのです(感涙)
ああ、やっと私は「抱っこさせてくれる」ネコに巡り会えた~~!!・・・嬉しかったなぁ。
さて、そんなわけではじめての「うちネコ」。しかしここで、ネコなんてものは気ままに外に出し、エサには残った魚の骨でもあげればいいのだ、という父母の価値観を変えることが急務でした。
「いいですか?お父さまお母さま、この子はやんごとない生まれの洋猫なのですよ。
いわば外国人で貴族の生まれなのですよ。野良にはなれないし、野良と接触させるのは危険なのだから絶対に外に出してはいけないのです!!一生安全な家の中で、箱入り息子で飼ってあげる事は決して不幸ではないのです。
そういう生まれの子なのです。それが幸せなのです。わかった!?おねがいしますよ!!」
ああ、なのに、私の留守中に開けた窓からてんちゃんが脱走してしまったのはその1年後。。幸いすぐ帰ってきて無事でしたが、その後何度も脱走するようになってしまいました。母も母で「だって外に出たそうなんだもの」、父にいたっては「知らねぇ!」・・・ヽ(´Д`;)ノ
根本にどうしても「閉じ込めてたらかわいそう」という価値観があるんですよねぇ…ああ、やはりダメでした。
最初はすごい怒ったんだけど、所詮夏は家の中の窓があちこちオープンがデフォルトな谷戸の奥の不用心な家。閉め切ってるのは所詮無理。まあ車の通りはないし、脱走してもちゃんとすぐに戻ってくるので、てんちゃんの散歩はだんだん大目に見るようになってしまいました。
ルッカの猫がたり3:そして武闘派に・・・
とりあえず外に出すのなら、近所にやたらと白い子猫が増えても困ります。去勢手術をすることにしました。去勢すればケンカもしないだろうし、もともと家猫なのだから野良猫にケンカを売られてちょっと怖い思いをしたら遠くにも行かなくなるだろう。
ところが・・・。
去勢したにもかかわらず、代々の家猫にもかかわらず、ヤツは大きな体というせいもあってかケンカが強いらしくあっという間にストリートファイターに。
額から血を流して帰ってくる、耳を破ってくる・・・その都度病院に連れて行き、先生曰く
「この子は気が強いですねぇ。。。怪我の場所がいつも顔です。これはケンカで負けてないってことですよ。」
睨むてんちゃん
やんごとなき生まれのご子息のはずが、育ちのせいですっかり武闘派になってしまったのでした。子猫の時の天使っぷりは消え失せ、片耳は切れ、額には傷、短く太い手足、立派な尻尾、抱っこしても犬のように固いw
性格も変わり、外に出るようになってから子猫の時みたいに気安く抱っこさせてくれなくなったし、ちょっかい出すと「うっせーな」と外に出てしまうようになっちゃいました(涙)
でもね、そんなイカついマッチョマンなてんちゃんですが、去勢したせいか声だけはいつまでもボーイソプラノで可愛かったのです。部屋の中にいる時は当たり前のように人間の隣であくびし、エサをねだる時は足元に絡みつき甘え、寝る時は仰向けで大の字になって眠る、お風呂に入れようとすると抵抗はするけど結局は観念する・・・やっぱ家猫なんですよね。
もうね、このギャップに・・・萌えるのですよ~
そんなわけでてんちゃんは、気ままに外に出て気ままにケンカし、人間を信頼しながらもネコとしてネコライフを楽しむ幸せなネコとして生きたのでした。
ルッカの猫がたり4:てんちゃんが置いていったネコ
その後私は実家を出たので、半分は母から聞いた話になります。
きままなネコライフをおくってたてんちゃんでしたが、やはり若き日のケンカ三昧がたたり晩年はネコ白血病になってしまいました。外に出さなければもっと長生きできたんだと思います。
でも幸せなネコだったと思います。思うがままに行動し、ネコとして生き、安心な寝床があり飢えることもなかった。昔、庭から次々といなくなった野良猫たちも、懐かなくて可愛げなかったけど、もっと世話してあげてればよかったなと思った。
武闘派てんちゃんは、ウチの庭に他所のネコの侵入を許すことは絶対にありえませんでした。知らないネコが庭にいたら、目をサンカクにして威嚇し、全てを追い出してました。
しかしてんちゃんは晩年、一匹のメスの子猫(といっても生後1年くらい。体が小さかった)を連れて来ました。連れてきたというよりはついてきた、が正しいらしく、てんちゃんが追っ払ってもまたやってくるのです。そのうち根がつきたのか、てんちゃんはその子猫が庭に居付くのを許しました。(でも絶対に家の中には入らせなかった)
「母ちゃんすまん、こいつの面倒も見てやってくれ。オレは根負けした。庭に住むのを許そうと思う」
と言ったかどうかは知りませんが(笑)、そんなわけで子猫は庭に住むことに。しかしこの子猫、てんちゃんにはなつくけど人間には警戒心いっぱいで絶対に近寄ってこないのです。前にいた野良猫たちとおんなじです。
さて、困ったのは父母です。
今は子猫だけど、ほおっておいたらそのうち庭で子猫を産んでしまうだろう(てんちゃんの子でなくても)。昔と違って今はそうはいかない、避妊手術を受けさせなくては。
そんな訳で無理やり捕まえて病院に連れて行き、手術を受けて帰ってきたんだけど、そのトラウマか、ますます人間を怖がりなつかなくなってしまいました・・・。
子猫には「チビ」という名前が付けられました(これまた愛情のないネーミングw)
ルッカの猫がたり終:母とチビ
いつもてんちゃんにくっついてたチビでしたが、その後しばらくしててんちゃんは亡くなりました。12歳でした。
チビはずっと窓から部屋を覗きこんでは、てんちゃんを探していたそうです。。。
部屋を覗くチビ
元々てんちゃんは私が連れてきたネコで、父母はもう新しい家猫を飼う気はなく、そんなわけで我が家のネコはまた人間に絶対懐かない庭のチビだけになりました。
でもてんちゃんが置いていったネコなので、前にいた野良猫みたいに適当にではなく、ちゃんと毎日キャットフードをあげてました。チビは警戒心が強く庭から絶対外に出なかった。
でもネコにはネコ世界の掟というかルールというか、そういうものがあるらしくて、まずチビにエサをあげるとチビは絶対半分残すんだそうです。で、どっかに行く。
その後しらない老猫がそれを食べに来るんです。時々その老猫もまた半分残してどっかに行く、そうするとまた別の老猫が来てその残りを食べていくんです。
全部なくなって老猫がいなくなるとチビは帰ってくる・・・おもしろいね。(でもチビの好きな餌は絶対に残さないらしいw)
てんちゃんに拾われて?庭に住むようになったチビ。庭から絶対に外に出ない臆病なチビ。そのチビの残りご飯をそっと食べに来る老猫たち。見ないふりをするチビ。
ネコにはネコ社会の弱者助けあいってあるんだなと思いました。えらいよね、ネコ。
さて、先日母から電話がありました。チビが元気が無いと。
チビといっても多分もう10歳過ぎてる。野良だし歳だしこの暑さだしねぇ。病院に連れて行きたくても絶対に捕まらないだろうし、無理に捕まえて病院に行ったらそれこそショック死しちゃうんじゃないだろうか?
でも昨日また電話があり、ちょっと元気になってきたと。日陰を作り、お水も餌もこまめに取り替えてあげて、母なりに頑張って?お世話したらしい。ホッとしました。
「ああもう世話が焼ける、元々お前がてんを連れてきて、そのせいでチビも居ついちゃって、結局あたしが最後世話をするんだから!」
とブツブツいいながらも、食欲のないチビのために最高級なプレミアムエサを買って来たりといろいろ気を使ってるようです。
母は今一人暮らしなので、チビには長生きしてほしいなと思いつつ…でももうちょっと懐いてくれてもいいのにね(笑)
そんな我が実家の庭の「ネコ歴史」でした。
長々と読んでくれてありがとうございました♪在りし日のてんちゃんの写真です。なんかもうこんなショボ顔の写真ばかり(笑)。・・・写真に撮るのが難しいネコでした。
岩合さんみたいに撮ってあげたかったなぁ・・・そんなわけでねこ写真展、かわいいイキイキとした表情のネコたちにぜひ会ってきてくださいね!
写真集、買っちゃった♪ちょーーーーかわいいっす