去年マリエンバートで | Rucca*Lusikka

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横浜のwebデザイナー&ライターRucca(ルッカ)のサイトです。ノート術で人生を楽しくおもしろくすることをテーマにブログを書いてます。

この映画、ずっと観たいと思っていたのですが、なんせ古い映画だしDVDはもう廃盤だしアマゾンで2万4千円だし(2009年現在)・・・ということで半ばあきらめていたのです。

でもちょっと気になって調べたら、横浜の中央図書館でそういう古い映画が視聴ができるというではありませんか!?なので早速行ってきました!

Marienbato

「去年マリエンバートで」監督:アラン・レネ 1961年フランス

ありましたよ〜!!しかも

レーザーディスクで!(笑)

早速視聴コーナーで鑑賞です。

最近、アチコチでこの映画についてのアレコレを聞くことが続きました。一番のきっかけは私の好きな漫画家、萩尾望都先生の「バルバラ異界」に出てくる謎の美女「マリエンバード」からです。

なんとも複雑で不思議な映画らしいのですが、さてどんな作品なんでしょうか。

観終わった感想・・・こ、こ、これ、感想書くのすごい難しい。

あらすじはないし・・・ストーリーもほとんどないし・・・そもそも登場人物に名前もない。

でも魅入ってしまってあっという間の90分でした(でも人によっては眠くなるというのもわかるw)

最初は1人の男の延々としたモノローグから始まります。言ってる言葉には意味がなくて、建物や廊下、回廊、絨毯、映された対象の名前を延々と繰り返し・・・。

豪奢なバロック様式建物と庭を持つ城館で、社交シーズンなのか?セレブな紳士淑女たちが日々パーティーや観劇、演奏会、カードゲームなどをしてる。

ある男が女に声を掛ける

「去年、マリエンバートかどこかでお会いしましたね」

女は「私はしらない」と答える。

男は「あなたはこういう風に庭に立っていた」とか「庭にある男女の塑像について話をした」とか、細かに「去年」2人がどう過ごして、どう愛し合って、その後どうしようとしたかを執拗に女に語りだします。

女はその度に「私はしらない」と答える。

「今」、女は黒いドレスを着ている。(モノクロの映画だけどね)

しかし庭のポーチで塑像のある像の近くで男といる女はキラキラした白いドレスを着ている。男とこの塑像について話している。

女は白いオーガンジーのドレスを着てることもある。白い羽根のガウンを来て部屋にいる事もある。部屋の壁に大きな鏡があることも、男となにか約束をしていた事も、女の夫が静かに見ていたことも・・・途中に起きた「死」は妄想だったのか。

時間軸がバラバラになって、「去年」は現実なのか、女の記憶なのか、男の嘘なのか、黒いドレスの女は果たして本当に「今」なのか。

物語の各所で、バッハのようなパイプオルガンの音楽が鳴っています。

うーん・・・どんな映画?って説明するのが本当に難しい。。。でも映画自体は「難しく」はない。やばい、もう一度観たい??

しいて言えば・・・クラシックの音楽みたいな映画かも?

レーザーディスクの解説に、バッハの対位法を思わせる・・・っていう言葉がありました。クラシックはよくわからないし対位法っていうのも「のだめ」でしか知らないんだけど(汗

クラシックのたとえば交響曲って、主題のメロディーってありますよね。

それがいろんな楽器で演奏されて・・・繰り返し繰り返し、静かにだったり大きくだったり、転調されたり、メインになったりバックになったり、だんだんと変化しながらフィナーレに向う、みたいな。

そんな構成の・・・だから音楽みたいな映画だったかなぁ??

映像がまたとびきり美しいのです。

とにかくステキなのは女優の着てたドレスや宝石の数々・・・ものすごい素敵です。これ、ココ・シャネルが担当したそうですね。シャネルってすごいと初めて実感しました。

無機質な「生」の香りが全くしないバロック式のお城と、整然としたシンメトリーな庭園。パーティー会場にいる紳士淑女たちはみんな人形のように止まっていて、カメラが動くと動き出す・・・不思議な感覚。

「女」の女優、デルフィーヌ・セイリグのもの凄い美貌と、女の夫役の俳優の不自然なくらい細長い奇妙な容貌・・・。

うん、クラシックの曲を最初から最後まで聴いた、みたいな鑑賞感のある映画だったと思う。

オトナの映画だなあ。こういうのって日本じゃまず作れないだろうな・・・俳優さえ思いつかない。

あーやっぱDVDとかで手元に欲しいな〜。再販されないかしら??

参考リンク

2014年現在、Blu-rayで発売されているようです!

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