藤村靖之とたのしごトーク【前編】知る・繋がる・自分で作るを取り戻す。 | Rucca*Lusikka

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先週の土曜日、月3万円ビジネの著者である、発明家であり非電化工房代表の藤村靖之さんのイベント、藤村靖之とたのしごトークに参加して参りました。

 

たのしごトークイベント入り口看板

「月3万円ビジネス」は去年の7月に出版された本ですが、今でも毎月のように増刷されていて多くの人に読まれているそうです(もちろん私も読みました)この秋、韓国でも出版されたとか。

月3万円ビジネスの考え方の根底には「競争社会から共生社会へ」というテーマがあるのですが、日本以上の競争社会であり、学歴社会、格差の大きい社会である韓国で、この本の内容がどこまで、どんなふうに、どんな人に受け入れられるのか?

そんなお話から始まり、この日は13時から17時まで!途中、参加者でいろんなアイデアを出したりする場もありながらイベントは進みました。

振り返りまとめてみたいと思います。イベントに参加できなかった方や、興味を持って下さった方への参考になればと思います。

競争社会の行き詰まり

大きく経済成長した時代は終わり、「経済大国」と言われた国の経済はどんどん収縮していく時代に入っている。

経済成長だけではない、人口も減っている。右肩上がりはもう続かない。みんなわかって来ている、でもなかなか「今までの成功の仕方、今までの幸福のあり方」の呪縛から抜けだせないでいる。

収入を増やすために働く時間を増やす → 働いてる以外の時間がなくなることによって支出が増える → なんでも買わなくてはならなくなる → 自分では何も作れなくなる→ますます支出は増える → ますます働かなくてはならなくなる。

これが悪循環の図式。今まではそれでも「働けば」収入はあった。しかし今は収縮していく経済の中で「働く場」が少なくなってきている。悪循環の中にいる人が「働く場」を求めて、さらに競争しあう。

「負ける人」がどんどん出てくる。この競争は「切磋琢磨しあう」なんていう競争ではない。文字通り「仁義なき戦い」である。負けた人生のあまりの惨めさ、そして勝った人もずっと勝ち続けていかなくてはならない。競争し続けるストレス・・・。

今までの成功の仕方(いい大学を出ていい会社に入って勤めあげる)、今までの価値観での幸福のあり方(家とお金と車があって年に一回海外旅行的な暮らし)、これらは競争社会の中で「マインドセット」されてきたものだということに気がつかなくてはならない。

ではどうやって?私たちは高度成長の30年で、「快適」と「便利」と「スピード」を手に入れた。そしてその代わりに「知ること」と「繋がること」と「自分で作ること」を失ってしまった。

ちょっとまって、私達は昔より情報を多く入手できるし、ネットで簡単に「つながる」事もできるのでは?・・・いや、それは本当に「知って」いるのか?「繋がって」いることなのか?

藤村先生は、もう一度人が「知ること」「繋がること」「自分で作ること」を取り戻すために、「月3万円ビジネス」という「あたらしいビジネスの方法」を考えたんだそうです。

グローバリズムとエコロジーと。

今「途上国」と言われる国で何が起きているか。

藤村先生はアフリカやモンゴルによく行かれているそうです。発明された「非電化冷蔵庫」の作り方を教えるために。これは現地で「売る」のではなく、現地の人が、現地の材料を集めて、自分で作れるようになるためだそうです。

モンゴルでは遊牧民たちが羊を売って電化する暮らしを選び、その結果首都には元遊牧民の人口が増え、失業者の数がどんどん増えている。遊牧に戻りたくてももう羊はいない。暮らしに困り捨てられた子供たちがマンホールで暮らし始め、「マンホールチルドレン」と呼ばれる子供たちが推定で4万~6万人ほど居るといいます。

照明とテレビと冷蔵庫があれば遊牧の暮らしを続けられる、とモンゴルの若者はいう。ならばとそんな遊牧民の若者のために自家発電機や電気をつかわない冷蔵庫の作り方を教えるのだそうです。

都会の華やかさや豊かさに若者は憧れる…そしてそれをさかんに煽る者たちがいる。

アフリカの最貧国と言われるジンバブエ。本来アフリカの人はのんびりと働き、お腹が空いたら木からバナナを取って食べる、そんな素朴な暮らしをしていた。そこへ2000年くらいから世界中のビジネスマンたちが来て、

「あなたたちは貧しくて不幸だ」
「もっと働けばもっとお金が入ってもっと豊かになって、幸せになれる」

と言ってさかんに煽った。そしてどんどん彼らを工場で働かせている。彼らは今までの仕事をなくし、さらに工場はその儲けで今度は全自動化されていく・・・彼らの仕事はどうなるのか?

そんなことがアフリカの各地で起こっている。

日本では、原発事故のあとさかんに「太陽光発電」がもてはやされている。藤村先生のお知り合いで、素人ではなく、環境問題や原発問題にそれなりの知見のある方が所有してる空き地に、とあるメーカーより「メガソーラーにしませんか?」という打診があったそうです。

固定資産税のかかる土地が有効活用できて、月々現金収入が入り、さらに太陽光発電を推進することは原発をなくすことにも繋がるだろう・・・その方はこれはいい話しだと思ったのですが、何かが引っかかり藤村先生に相談されたそうです。

藤村先生はこう仰ったそうです。

太陽光も原発も根っこは同じ、「人が電気を使いまくらないと実現しないビジネスモデル」なんだよと。

太陽光発電には今、あちこちの投資家たちが目をギラギラさせている。本当のエコロジーを考えている人はいない、と。

世の中の紛争は、領土とか宗教とかいろいろ原因はありそうで、でも実はほとんどはエネルギーの奪い合いなんだ、と先生は言われます。日本の高度成長で先送りしてきた問題も、今、アフリカやモンゴルなどで起きていることも、全てエネルギーのこと。。。

私はこのへんは不勉強で、エネルギーとかエコロジーとか・・・もっと学ばなくてはならないとつくづく感じます。

スーパーのレジ袋をやめてマイバックに、とか、割り箸をやめてマイ箸に、とか、省エネ家電でエコロジー、とか、電気自動車でクリーンに、とか、そういうスローガンのひとつひとつに時々違和感を持つことはよくあって、でもそれがなぜなのかよく自分でもわからなくて…。

私自身の中でそれは「よくわからないから先送り」にしていることなんだと思う。

よくわかってしまったらきっと生きにくくなるのかもしれない・・・そんな予感、みたいな。

これはエコロジーの話だけではなく、その前の「競争社会」での働き方にもいえるかもしれない。

私は小売販売の仕事を長くしていました。毎年前年105%以上で組まれる予算。世の中の景気は悪くなって、洋服の値段は下がり、ものが売れなくなってきてるのに、予算だけはいつも右肩上がり。

おかしいと思ってた。

でも達成するのが「仕事をする」ということで、達成できないのは自分の努力がたりないからで、事実少数でも達成できてるお店もあるわけで。それを目指すのが「仕事の醍醐味、自分自身の成長」であって。

おかしいと思ってた。

 

でも「よく考えたらいけない」と感じていた。考えてしまったらきっと生きて(ここで働いて)いくのが辛くなりそうで。

 

わからないまま、考えないまま・・・「その他の理由」でその後会社は辞めたのだけど、結局、辞めた本当の理由は「その他の理由」ではなく、それが原因だったのだと、辞めてから1年くらいたってようやく気がついた気がします。それまで本当に「それ」に向き合えなかった事に気がつきました。

藤村先生の仰った、

「知ること」「考えること」「繋がること」を取り戻す

この「知ること」・・・について、「知る」は「考える」事だと思います。「考えること」を取り戻す。これは渦中にいるとなかなか難しい。

同じようにまだまだ私には「思考停止」状態になってることがきっと山ほどあるんだろう。取り戻していきたいです。

 

「たのしごと」…月3万円ビジネスについて

月3万円ビジネスは、「競争しない」ビジネスです。奪い合わずにわかちあう。

ここで、月3万円ビジネスという新しい仕事のカタチの話や、その目的、目指すもの、続けるための大切なこと、などなどのお話しになります。

  • どんなビジネスが可能になるのか?
  • どんなアイデアがあるのだろう?
  • どんな心構えでやるべき?
  • どんなものが必要?
  • そもそも一体どういうビジネスのこと?

まず月3万円ビジネスのお約束は、

  • いいことしかしない。
  • 2日以内でできるビジネス。
  • 月3万円を×5種類。
  • 初期投資(借金)をしない
  • 固定費をかけない
  • 奪い合わず、分かち合う。

以上です。(のちにもう少し詳しく)

そこで、イベント主催の株式会社budoriさんが用意して下さったポストイットに、それぞれのテーマで自分の意見やアイデアを書き、パネルに貼っていくというワークがありました。

  • まずは自分が考える「良いこと」について。
  • そして次に「楽しいこと」について
  • そして最後に「誰のためのどんな仕事」について。

たのしごとを考える

たくさん貼られました~!いろんなアイデアがいっぱい出て面白く興味深かったです。質問&回答もありました。

ちょっと長くなって来ましたので、続きは分けてまた書こうと思います。もう少しここは詳しく書こうと思います。

ではでは後編に続く!

後編はこちら→藤村靖之とたのしごトーク【後編】知る・繋がる・自分で作るを取り戻す。です。

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