さて、おもしろきおとなのためのノート術【第3回】は「考えるためのノート」についてです。
まずは前回の「5行日記」の内容をおさらいすると
- 今日の出来事、感じたことなどを箇条書きで「5つ」にして記録する。
- 内容は「嘘」以外であればどんなことでもOK。長くなり過ぎないように簡潔に。
- 5行は「5つの短文」として、ひとつづつの文章の長さ(ボリューム)を揃えるように。
- 文章の長さをそろえることが、出来事や感じたことを「編集して書く」ということになる。
- 書くノートは何でもよい。こだわり過ぎず書きやすい形やスタイルを柔軟に探っていこう
以上がポイント。
日常の出来事や感じたことを、箇条書きに短く5つ書く。という簡単なことですが、これで身につくのは「毎日ノートに日々を記録する」習慣と、「日常の出来事を簡略にまとめる」編集力です。
このふたつの「型」を身につけることが、「おもしろきおとなとなって自由自在に自分の人生を生きる」になるための脳への鍛錬なのです。
自分の感じたこと・考えたことを言葉や文章で表現し、人に伝えることって実はけっこう難しい。
しかし人生を楽しくするのに必要なのは、自分が体験した「楽しい」「おもしろい」や「悲しい」「考えたい」を、自分や他人の心に留めておく「手段」をいかに持っているかなのだ。
そしてこの「手段」とは「表現力」であり「クリエイティブ」だ。
「クリエイティブ」は、鍛錬してないと年月とともにどんどん劣化していく。大人より子どものほうが創造力も想像力も豊かであるように。
「クリエイティブ」であることを人生から失うと、世の中のあらゆるものに対して「消費者」としてしか関われなくなってしまうのだ。それはどういうことかというと、お金の力や誰かの力を借りないと「楽しい」を生み出せない人生だ。
人生のおもしろさの「自立」を失ったら、世間の「常識」の奴隷になって仕方なく生きるしかない。
「クリエイティブ」は小さなことからコツコツと、日々の鍛錬で十分に鍛えていけます。
そのひとつがこの、私がおすすめするノートを書くという「鍛錬」なのです。
ノート術に関する記事のまとめ
- 前回の記事 おもしろきおとなのためのノート術【第2回】5行日記は編集力!
- ノート術についてのまとめはこちら My Notes 私のノート術について
5行日記の次は「考える」ためのノートを
5行日記が1か月以上続いたなら次のフェイズに行きましょう。
5行日記をひと月書ければ、毎日ノートを書くという習慣と、日々起きたことや感じたことを言葉(文章)で要約する力が身についてきてると思います。
5行日記は日々のストレッチと基礎稽古、フリーノートはその実践です。
考えるためのフリーノートの選び方
5行日記を書いているノートや手帳はそのままに、もう一冊フリーなノートを用意してください。これも最初は特に気合を入れず、まずは書きやすいもの、好きなものでOKです。
ただ推奨する書き方は、普通に左上から行に文章を書いていく書き方ではないので、罫線のノートではなく無地または方眼のノートがおすすめです。
サイズを選ぶ時の参考にしていただきたいことは
- 普段持つかばんに入れられる大きさと重さ、厚さ。
であるかどうかです。今度のノートはいつでもどこでも書けるように日々持ち歩いてもらいたいので。
自分に合う大きさや形状、書き方がつかめてくるのは4,5冊目くらいからだと思うので、それまでは「書けないなぁ」「ノラないなぁ」と思ったら躊躇せず違うタイプのノートに変えてみるなど、柔軟に対応してください。
フリーなノートに一体何を書けばいいのか?
今日の出来事や感じたことは5行日記のほうにこれからも続けて書いていきます。ではこのフリーノートには何を書けばいいのか?
- 基本的には…「なんでも」
- いつ書くのか…「書きたい時に」
- どんなふうに書けばいいのか?…「お好きに」
なんですが、それではあまりにも不親切すぎるので(笑)慣れていくためのステップや、書く内容によっての書き方の分け方などを説明します。
ベースにしてる書き方は、スマートノートとマインドマップです。
ノートに書く内容のグループを大きく分けるとこの3つになると思います。
- メモ・記録からの思考の拡張、掘り下げ
- 予定・計画・やりたいことなどの拡張・掘り下げ
- 悩みごとや愚痴からの問題解決
仮に上のふたつをノートの「ホワイトモード:白」下のひとつを「ブラックモード:黒」と名付けます。
まずは「ホワイトモード:白」での書き方のステップを紹介します。
ホワイトモード:白での書き方
毎日をほぼ波風なく送ってるときは、このホワイトモードで書くことが多いと思います。最初のうちはその日の5行日記の中から特に掘り下げて考えたいことをひとつピックアップして、それについて書いてみるのがいいでしょう。
では新しいノートを目の前に置きましたら、まず表紙を開いた1ページ目に今日の日付を記入しましょう。
さらにめくった見開きの2ページ目と3ページ目が、今日書くエリアです。
フリーノートでは「左上から一行づつ書く」という観念は捨ててください。書き方の基本はマインドマップ(ですが完全なマインドマップの書き方ではない)です。
ではマインドマップとは
マインドマップとはざっくり説明すると、イギリスの著述家トニー・ブザン(Tony Buzan)氏が提唱した思考・発想法のひとつで。頭の中で起こっていることを目に見えるようにした思考ツールのことをいいます。
マインドマップ – Wikipedia より画像引用
表現したい概念の中心になるキーワードやイメージを中心に、木の枝を伸ばずように関連するキーワードやイメージを連想してつなぎ、広げて行くことで、発想力や創造力が磨かれ、より高度な考えの整理法、記憶力、直観力、集中力、人を察する力を身につけることができるといわれています。
発想を広げたり、思考を深めたり、情報を整理したいときに、このキーワードをつないでいく書き方はとても有効です。
本格的にマインドマップで描いていくなら、亜流ではなくしっかりとその基礎を学びルールに基づいた描き方が大事なので、その際は本を読んだりセミナーに参加するなどしっかり正しい基礎を身に着けてください。
しかしマインドマップを描くには大きめのスケッチブックや、カラーをそろえたペンも必要なので、日々ノートを書くというスタイルには少しハードルが高いです。
もちろんフリーノートを正しくマインドマップで描くのもアリですが、ひとまずここでは正しいマインドマップ的描き方にはこだわってないことをご了承ください。
フリーノートの「ホワイトモード:白」とは
- メモ・記録からの思考の拡張、掘り下げ
- 予定・計画・やりたいことなどの拡張・掘り下げ
日々のノートはこのどちらかのパターンで書くことが多いです。あ、ちなみに5行日記は毎日書いてほしいですが、フリーノートは1日2日飛ばしてしまってもかまいません。時間のあるとき、考えたいことがあるときに書いてください。でもこちらも習慣化させるのが一番なので毎日を目指しましょう。
まずは今日の日付と書いている時間、場所を真ん中に記入。
そしてまずひとつ円を書き、その中に「考えたいキーワード」をいれ、そこからつながるキーワードをつなげていきましょう。
例に入ってる言葉がアバウトですが、そんなに「こうあらねば」と構えずに、気楽につなげていきましょう。
たとえば「久しぶりにシチューをつくった」→「鶏肉がやはりうまい」→「明日はどうしよう」→「ドリア」/→「グラタン」
「ルーを入れる段階で分けてカレーも作ればよかった」→「どっちか冷凍」→「カレー」→「週末」→「カレーは豚肉」→「追加する」
と、しょうもない内容でもOK。
「一度の料理で複数できる」→「シチュー」/→「カレー」/→「肉じゃが」
→「ドリア」/→「カレーうどん」
などアイデアを広げていくことが出来ます。
と、さまざまに心に浮かんだことを連想しながらつなげていきます。端にメモを書き込んでもかまいませんし、カラーで書いてももちろんOK!イラストも得意ならどんどん描きこみましょう!
旅行計画や学習計画をこれで立てるのも楽しいですし、すぐに必要で買いたいもの、いつか買いたいものなどを書き連ねるのも欲望が整理されておすすめです。
切り抜きやチケットなどを貼り付けるのも楽しいです(続くと厚く重くなるので持ち運びに向かなくなるので注意ですが)
とにかく1日見開き2ページを埋めるように書いていきましょう。
ただ、もっと書きたいことがあっても2ページまで。書き過ぎはいけません。続きは明日にします。
書くことのモチベーション
5行日記とこのフリーノート、基本はこのふたつです。
これを毎日毎日書いていく。考えて、楽しんで。
新しい本を読んだとき、映画を観たとき、新しい服を買ったとき、感じたこと…喜んだこと、悲しんだこと、腹がたったこと、とにかくその心の動きを言葉にしてみること。
けっこう難しいんです。だからつい「嬉しかった」「おもしろかった」「がっかりした」で終わらせてしまう。でもそこでもうひとつ心に踏み込んで「どこがおもしろかった?」「なぜ悲しいと思った?」を考えてみる。
そして、自分の心にも他人の心にも、それが伝わる言葉をさがしていく。
その鍛錬の場がこのノートです。
誰かが作ったものをお金を出して消費することしかできない人生は、つまらないしどこか病む。何かを生産する、創造する、クリエイティビティは「自分の中から」生み出していくもの。
その「自分の中」にはたくさんのものが詰まっているのに、「表現力」を持たなければなにも現せない。だからまず言葉を持とう!
その鍛錬の場がノートなのです。
では、今回は日々の出来事を書き出す「ホワイトモード」での書き方の説明でしたが、次回は自分の心の中の暗黒の沼と向き合うための「ブラックモード」の書き方です。
以前書いたこの記事をベースに新しく書きおこしますのでご参考に♪
ノート術に関する記事のまとめ
- ノート術についてのまとめはこちら My Notes 私のノート術について