映画マリー・アントワネット | Rucca*Lusikka

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そんなわけで先日、映画マリー・アントワネットを観てきました。

  • 監督 ソフィア・コッポラ
  • 原作 アントニア・フレイザー
  • 出演 キルスティン・ダンスト
  • ジェイソン・シュワルツ
  • 製作 2006年 アメリカ

マリー・アントワネットといえばマンガの「ベルサイユのばら」で知ってる人が多いと思います。私もそうです。なんといってもベルばらの単行本はもちろんアニメのDVDまで持ってますから!

この映画が観たいと思ったのはもちろんその影響もあるけど、普通の歴史大河みたいな作品ではなく、もっとファッショナブルで華麗な映像が魅力の新しい作品、というのに興味を持ったからです。

実際、その通りでした!!

ベルサイユでロケしただけあって、セットは華麗(本物だし)!、登場人物の華やかな服、豪華なアクセサリー、たくさんの食事、色とりどりのお菓子、アントワネットの愛したプチ・トリアノン宮の田園風景、アントワネット役の女優のかわいらしさ。

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色彩のセンスが良くて・・・パステルでシックなピンクや水色、花柄、ロココ、そんなきれいなもの、豪奢なもので埋め尽くされた映画でした。

で、この映画極端にセリフが少ないんです。とにかく映像で魅せる。

14歳の愛らしい、天真爛漫な娘が、政略結婚で他国の王家に嫁ぐ、そこはとんでもなく豪華で、とんでもなく贅沢で、とんでもなく堅苦しく、へんてこな儀式や決まりごとでいっぱい。着飾った貴族達のうわべの親しさと陰での嫉み、中傷、意地悪、腐敗、退廃、・・・このあたり全部映像と「ひそひそばなし」だけで繰り広げられます。

ずっとそんななかでアントワネットの心の中は語られず、行動のみを映していきます。

オペラに感動して拍手をする姿(フランスでは当時拍手はしてはいけなかったそうです)、自分に興味を示さない夫に対して一生懸命に話しかけたり、甘えたりしようとする姿、オーストリアの母(マリア・テレジア)からの小言の手紙を読んでため息をつく姿、王弟に先に世継ぎが生まれてお祝いしながらも部屋に戻って泣き崩れる姿、仮面舞踏会や賭博にふける姿、ちやほやする取り巻きとの乱痴気騒ぎ・・・。

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やがて待望の子供が生まれて、堅苦しい宮廷から下がり、お気に入りの人たちだけで離宮のプチ・トリアノンへ。子供たちと田園風景を楽しんだり、わざと農作業の真似事をしてみたり、花壇を育てたり、お芝居を企画して演じてみたり・・・。
そして優しいだけの夫、お坊ちゃんな夫にはない魅力のあるフェルゼン伯と恋の真似事をしてみたり・・・。

なんとなくまわりが昔と違うような気がする・・・なんとなく何かが自分たちから離れていっている気がする・・・でもそれがなんなのかなぜなのかはわからない・・・。

同じような毎日を送っていただけなのに・・・ある日突然

革命がっ!!!( ̄口 ̄)

仲良しだった貴族たちに、危ないから外国へ逃げて、とお別れをし、彼らはどんどん去っていきます。でも自分たちは王家のものだから逃げるわけには行かない。

そしてついに武装した市民達がベルサイユに襲ってきたのです。荒れ狂う群衆の前にバルコニーから姿を出した王妃は、深々とその頭を下げる・・・。

そこまでほとんど、話の軸になるようなセリフがないんですよ!!

でもこれってけっこうすごくない?って私は思ってしまった。

橋田壽賀子的説明セリフ一切なし!!ぜんぶ役者の演技と映像。

またこのルイ16世とアントワネットの生活そのものが、華やかで実がなくて、外の嵐にまったく気がつかないもろいものだったっていうのが・・・何の説明もなかったけどこれ観てればわかるでしょ?みたいな。

きっとベルサイユから連れ出されて、断頭台までが、この人たちにとって初めて自分の足で地面を踏んで、自分の頬に風を受けた人生になるんだろうな、という予感だけさせて、映画は終わりました。

だからある意味この映画、「歴史大河」を期待していった人には肩透かしかもしれないし、ある程度フランス革命の知識がないと最後で「置いてきぼり」になっちゃうかもしれない。

レビューでよく見る「画面は華やかできれいなんだけど、内容がなくて中途半端な感じ?」という意見もまぁ、わからなくはない・・・音楽はイマイチだったと思うし。

この映画は華やかなものを華やかなままに撮って、余計な説明を一切しないことによって、この人たちが何故滅んでいったのかをその先に置いていった映画だったんじゃないかな。

最後のアントワネットのバルコニーでの頭を垂れる姿・・・圧巻でした。

うん、いい映画でした。

Barc