なぜお城が好きなのか?お城とお城のある町の魅力とは〜るっかの城がたり | Rucca*Lusikka

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横浜のwebデザイナー&ライターRucca(ルッカ)のサイトです。ノート術で人生を楽しくおもしろくすることをテーマにブログを書いてます。

だいたい年に1〜3回、春と秋に旅行に行ってます。といっても国内ばかりで日程もせいぜい二泊三日ですが。

旅のテーマは結婚当初は「幕末巡礼」がメインで、これまで幕末テーマでは函館、京都、会津、萩、伊豆に行きました(でも高知と鹿児島にはまだ行ってない)

そしてここ数年は旅のテーマが「お城のある町」になってます。なぜなら過去に行った町にはたいていお城があって、

城下町って、な〜んかいいな。

と思うことが多かったから。

その町それぞれの歴史があって、きれいな景色や町並みが大切にされていて、町全体も活気があって、お城のある町は「来てよかった」という満足度が高い。

各地のお城はだいたい「城址公園」になっていて、春には桜が、秋には紅葉がとてもきれいだし、場所も高台にあることが多いので「その町いちばんの景色」を楽しむことができるのだ。

そんなわけで「お城巡り」に最近はハマっています。

行ったことのあるお城も2016年までで29城!…自分でもけっこうこれは「お城好き」といえるレベルだと思っていました、が!年末にその自信は打ち砕かれました。

お城EXPO2016。けっこう女性も多かった。これが城ガールか!

それは、クリスマスの3連休に横浜で開催された「お城EXPO2016」に行ってからです。パシフィコ横浜の会議室1〜5階まですべてをお城で埋め尽くした頭おかしい素晴らしいイベントだったわけですが、もうね、来ている方々のレベルが高すぎてw

ただの山にしか見えない写真を見て「○○城」って答えられるんですよ!もちろん天守は見ただけですぐにどこの城かわかる!

…私はまだまだです。もっと精進せねば。

でもお城は好きです!

というわけで、今年は不定期に「るっかの城がたり」を書いていきたいと思います。城の知識は足軽一兵卒レベルなのでもっと勉強しないといけませんが、実際行ってみた感想や「ここが良かった!」などをメインに紹介したいです。

お友だちとの、会社での、家族での、国内旅行が、「お城」を知るとちょっと楽しくなる!
…かもしれない??

旅に出てその地にお城があったら、ちょっと寄ってみようかな?と思ってもらえればとても嬉しいです。

ひとくちにお城といってもいろいろあるのですよ

そんなわけで日本あちこちのお城を攻城、いや観光しに行くことが多くなったのですが、見ていくうちに、だんだんお城といってもいろいろあることに気が付きました。

「現存天守」「復元天守」「復興天守」「模擬天守」というやつです。

国宝・松本城。天守から眺める日本アルプスの山々が素晴らしい!

  • 「現存天守」というのは江戸時代からずっと残ってるお城のこと。姫路城や松本城、犬山城など現在12天守がある。
  • 「復元天守」は、図面など資料が残っていてそれを元に新たに建築した天守のこと。木造で忠実に再現したもの(白河小峰城、掛川城など)と、外観だけ再現し鉄筋コンクリートで建築したもの(名古屋城、熊本城、会津若松城など)とある。
  • 「復興天守」は、天守はあったらしいけど詳しい資料がないので他のお城を参考にしながら作っちゃった天守のこと。大阪城、小田原城など。
  • 「模擬天守」は、天守がなかったのに作っちゃった、または別の場所に建てちゃった天守のこと(高度成長期やバブル期の観光ブームで?)

※以上、お城サイト「攻城団」さまの記事を参考にさせていただきました。→天守の分類(現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守の数) [お城入門] | 攻城団(全国のお城検索サイト)

江戸時代からある「本物のお城」は、今は12天守しかないんですね。

これらは「現存12天守」と呼ばれていて、そのうち5城(松本城、犬山城、彦根城、姫路城、松江城)が国宝とされ、他も全て重要文化財になっています。

はじめは石垣の魅力に気がつく

で、今までは「天守」こそが「お城」だと思っていて、城跡だけのところはつまんないと思っていたのですが、2011年に「萩」に行った時に考えが変わりました。

萩城の石垣。

なんかいい!なんかいいのだ!

萩城はもともと小さいお城で、天守はすでになく石垣だけが残っていますが、この石垣の佇まいが「な〜んかよかった」のです。

この「なんか」がうまく言い表せないんだけど、萩城だけでなくこの年初めて山陰・山陽地方を訪れた(修学旅行除く)のですが、あちこちの河原や田畑で石が積まれてる風景をよく見ました。

津和野川の護岸の石垣もかなりステキ。

多分とても古くからあるもので、今の土木工事にはない手積み感あふれる石垣。私が知らないだけかもしれないけど関東じゃあまりこういう石垣って見ないんです。

もっとコンクリート感がたっぷりというか。

西日本に行くほどこういう手積み感のある石垣を多く見るという印象です。

特に中世〜戦国時代に多い「野面積み」という、自然の石を積み上げたものがおもしろい。

石の大きさも形もバラバラなのに角や上辺がピシーッ!となってるのがすごくないですか?萌えませんか?

安土城の野面積み。石の大きさがバラバラです。

江戸時代から用いられたという、「切込み接ぎ」という石を四角く切り出してから積む手法のものも好きです。パズルのようで美しいです。

江戸城桜田門の石垣。モダンアートのような美しさ。

そこからお城本体もいいけど、石垣に興味を持ち始めました。

お城の石垣は、お城ができた年代によって石の積み方が違います。戦国時代までのお城はほとんどが「山城」で、山全体がお城であり軍事施設でした。城壁といわれるものは石垣ではなく土塁です。

石垣のあるお城を本格的につくったのは織田信長で、安土城がそれになります。

※厳密に言うと六角氏の観音寺城(安土城からすぐの場所にある)が最初で、信長はそれを参考にしたといわれています。しかし、最近では小牧山城の発掘調査で石垣が見つかり、もっと早く石垣を用いていた可能性があるらしい。

安土城は完成して数年後に本能寺の変が起こり、その後焼失したまま現在は石垣だけが残っています。

安土城の石垣。信長が召し抱えた石工集団「穴太衆(あのうしゅう)」が積んだので穴太積みともいいます。

安土城は外観を詳しく描いた絵図がないのですが、残った文献などから形を想像した模型が何種類かあり、安土城近くの資料館でそのひとつを見ました。

天守があの場所に再現されたらどんなに・・・とも思うけれど、あの場所はあのまま石だらけのほうが返って「兵どもが夢の跡」風情があっていいんじゃないかなと思ったり。

石垣だけが残る安土城。

天守があったとされる場所からの風景。当時は真下まで琵琶湖だったらしい。

お城というならやっぱ天守がないとね!

・・・ということでなのか、高度成長期やバブル期の観光ブームの波に乗って、実際には天守がなかったお城にも「お城っぽい建物」を建てちゃった「模擬天守」というのが実は日本中にあるのです。

また、天守があるのはわかってるし土台になる石垣もあるけど、お城の姿図や設計図で良質なものが残ってなく、わからない部分は想像で補完して建てちゃった「復興天守」というのも。

でもさすがにここに中途半端な「なんちゃって安土城」を建てるわけにはいかなかったのかもしれません。よかったよかった。

まあ、なんちゃってで建ててしまった模擬天守のお城も、それはそれで30年、50年も経ってしまえば「昔からある」町の風景、町のシンボルになるのでしょう。

でも天守があればいいってものではなくて、石垣だけのお城といえば竹田城が有名だけど(まだ行ったことがない)、石垣だけだからこそステキなお城もアリなんですよ!…ということに気がついたのは最近なんですけどね(笑)

安土城は石垣しか残ってないし登るのもとても大変だったけど(昔の人足腰丈夫過ぎる!)、見晴らしは最高だったし、石垣しかない分想像力をふくらませることができて、しかもここならではの特別な「臨場感」がありました。昔たしかにここに織田信長がいた、みたいな。

でもやっぱりきつかった!入り口で杖を貸し出してるので借りるが無難!

そうそう石垣といえば、お城EXPOでは小学生による「城の自由研究コンテスト」優秀作品の展示というものもあって

石垣の種類を再現した小2の女の子の作品

小学校2年生の女の子の作品。自分で河原に行って石を拾ってつくったらしい。左から、野面積み、打込み接ぎ、切込み接ぎ!素晴らし〜!

お城のある町が持つ「強さ」にも惹かれる

お城のある町には古くからの歴史がある分、町としての独特の個性とそして「強さ」があるように見えます。

会津人にとっての鶴ケ城、名古屋人にとっての名古屋城、大阪人にとっての大阪城、そして熊本人にとっての熊本城。

とくに去年の熊本地震では、熊本のシンボルである熊本城に大きな被害が出ました。

2015年10月の熊本城。なんてかっこいい!

2015年の10月に熊本旅行に行ったばかりの私もとてもショックだった。あんなに美しいお城が、石垣が、あんなにきれいだったのに崩れてしまったなんて。

去年はお城に行くと必ずどこでも熊本のための募金箱があったので、わずかばかりですがその都度募金をしました。

もちろん被害を受けたのはお城だけではなく、今も仮設住まいの方がたくさんいるのだけれど、それでも町のシンボルであるお城を元気にしたい!という思いが、城の町に住む人にはあるのでしょうね。

私の地元、神奈川県には小田原城があります。

同じ神奈川でも横浜と小田原は東と西でずいぶん離れているので、あまり「おらが町の城」という意識はないんだけど、子供の頃から遠足や観光で行ったことがあるのでやはり馴染み深いです。

小田原城がもし崩れてしまったらと思うとやはり胸が痛い。城址公園にいてアイドルだった象の梅子が死んでしまった時もとても悲しかった。

小田原城!天守だけでなく町を囲む総構えも魅力のひとつ。

お城っていうのは町のシンボルだけど、それ以上に何か、住む人の「心の拠り所」「心の我が家」という役割を担っているじゃないかなと思うのだ。

各地のお城を訪ねると、そのお城がいかに愛されてるかが伝わってきて、その愛が醸し出すものが私は好きなのかもしれない。

・・・なんて思うんですよね!

そんなわけで、「るっかのお城がたり」1回目でした。

私なりの「お城への愛」を今後も語っていきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします^^

参考リンク

紹介したお城

あとがき

お城EXPO2016では、お城好きで知られる春風亭昇太さんや、真田丸の時代考証を担当された平山優さんの話も聞けて大満足でした。そして中世の山城にも行ってみたくなった自分がいます^^

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