その仕事がうまくいかない理由は「コミュ力が低い」せいではない | Rucca*Lusikka

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先日、いつも大変お世話になっている「出稽古(と自分では呼んでいる)」先の会社の皆さんと、仕事が終わったあとごはんを食べに行きました。その時に、

「クライアントさんとのやりとりをもっと円滑にしていくためには、やはりコミュニケーション力のアップが必要ですかね?」

…という話がでました。(お酒飲んでいたのでうろ覚えですが多分そんなニュアンス)

その時ふと思い出したのですが、お客さんへのセールスや交渉事には、いわゆる「コミュニケーション力」が高い人こそ「デキる人」と思われがちですが、自分が昔アパレル会社でショップ店長をしていた時、

「接客がうまい人、販売力のある人は、どこのお店でも大抵、”素のコミュ力が高い人”というわけではなかった」

という実感があったんですよね。なので、「サービス業での話ですが…」と前置きしてそう言ったら、

「なんと!それはなぜでしょう?」

と聞かれ、あれ?そういえばなんでだろう?でも確かに、

接客がうまい=販売力がある≠コミュ力が高い人

なのですよ。…酔っ払っていた事もありその場で即答が出来ず、では今度ブログで考察してみますということになりました。

というわけで今回は、接客力=販売力≠コミュ力の理由を考えてみたいと思います。

 

ケース1:袋の穴をスルーしてしまったのはなぜか?

ラッピング売り場

文房具売場は大好きで週に一度はどこかしらチェックしてます。

先日、ある文房具店でプレゼント用の買い物をした時、レジでギフト包装をするので番号札を持って少しお待ちくださいと言われました。

しばらく店内をプラプラし、そろそろかな?とレジに戻ろうとしたら、包装担当の子が出来上がったラッピングをそのお店の外袋に入れようとしてるところでした。

その外袋の真ん中に遠目でも見える穴が空いていました。その子はそれに気づき一瞬固まりましたがそのままラッピングした商品を袋に入れました。レジ担当の人がそれを受け取り私に袋を渡した時、その人が袋の穴に気が付きました。

「あ、申し訳ございません!ここに穴が開いてますね。少しお待ちください。」と言ってその人は新しい袋に入れなおしてくれました。

そのあと私はしばらく「なぜあの包装担当の女の子は袋の穴に気がついたのに取り替えなかったのか」について考えました。その結果、

  • そのお店ではいつも袋に入れますか?カバーを掛けますか?と聞かれるので、簡易包装を推奨しているのだろう
  • できるだけ簡易包装をお薦めするようにと、上司や先輩から指示されているのかもしれない
  • 包装担当の子は大学生くらいの歳で、まだ新人風だった
  • 外袋の穴はラッピング本体とは関係ないので、その子は許容範囲だと思ったのかもしれない
  • もしかしたらその子は以前に、お客さんに「袋くれ」といわれるがままにたくさん渡してしまい、店長に怒られたことがあったのかもしれない(妄想)

という推論に達しました。

おそらくその子は、先輩に指導されている(であろう)簡易包装を薦めるというマニュアルを重視するあまり、穴を見なかったことに、または許容範囲にしてしまった。しかしレジの担当者は穴に気がついたら迷わず袋を交換した。

お店の経費である資材はもちろん無駄に使ってはいけないけれど、サービスとして正しいのはレジ担当者の行動です。

穴を見逃した子と交換したレジ担当者の「差」はなんだろう?単に売り場での権限の差か、接客業の経験の差か、細やかかガサツかという資質・性格の差か?

【ここで質問です】

この子が、今後も資材を無駄にすることなく、しかし気がついた穴をスルーすることがない接客ができるようになるためには、上司や先輩はどうやって指導するのがいいと思いますか?

ケース2:コンビニのレジの行列

もうひとつ最近遭遇したこんなケース。

ある駅前に新しく出来たコンビニ。初めてその店に入った私は、奥の陳列棚にすすみ商品を取りました。レジは3つあって、店員がいたのは会計中のお客さんがいる奥のレジのみ。私はそのお客さんの後ろに並びました。

会計中の前のお客さんがお財布出すのに手間取ってる間に、3、4人のグループが商品を持って真ん中のレジ前に集まりかけ、後ろを向いて作業してた別の店員が真ん中のレジに入りました。

会計に手間取っていたお客さんが終わり、私が手に持った商品を出した時、そのレジの店員さん(大学生くらいの男子)が、

「あの〜ここじゃなくて真ん中の列の後ろに並んでください」

と言いました。そのお店は真ん中に一列に並ばせてレジを裁く方法をとっているからとのことです。

「え!並んだ時に言ってくださいよ。気がついてたでしょ?」と、思わず言ってしまったら

「決まりなんで」とムッとした顔で一言。カチーンときたけど仕方なく真ん中の列の一番後ろに並びました。このコンビニにはその後二度と行ってません(笑)

この後も私は考えました。

  • 新規のコンビニだったので店員も新人だろう。やはりマニュアルを守ることを目の前の客よりも重視してしまったのだろう

【ここでまた質問です】

奥のレジの彼が、ベテランのレジ係だったらこの時どんな接客をしたでしょう?

 

コミュニケーションがメインの仕事に、必要なのは高いコミュ力?

店長時代に私がいたお店は百貨店内のお店だったので、このレベルの子だと採用することはありませんでしたが、コンビニやファーストフード、書店などのアルバイトでは多いと思います。

そういう子でもそれなりに出来るようにするのがマニュアルであり、根気よく指導するのが店長の勤め。

でも、高校生でも大学生でも、パッとお店に入ってすぐに「サービス業の中での優先順位」を身につけられる子もいます。逆に出来ない人は大人であろうとダメ。これは「性格的な向き不向き」もやはり大きいと思いますが、ではそれこそが「コミュニケーション能力」か?というとそうではありません。

サービス業ですぐに結果を出せる人は「あるもの」を持っている人です。そしてそれは「コミュ力」でも「親切力」でもなければ「臨機応変力」でもないんです。

包装担当の子もコンビニの子も、サービス業に不可欠な「あるもの」を(この段階では)全く持ってないがための行動だったと言えます。

【ここで質問です】

ズバリ☆あるものって何だと思いますか?

Disney Sea

Disney Sea…そういえばもう10年位行ってない。。。

先日、ディズニーリゾートの会社説明会の様子がテレビのニュースで流れていました。ディズニーの接客の話はもう有名ですよね。9割がバイトでも素晴らしいサービスを誇り、顧客満足度も従業員満足度も飛び抜けて高い。

ディズニーには接客マニュアルはないんです。しかもバイトの時給も世間一般より高いわけではありません。ではどうして高いサービスのクオリティが守られているのか。

「ディズニーというブランド力が、質のいい人材を集めるからだ」という人もいるしその側面もあると思いますが、一番は「接客されて感動した体験を持つ人」が、ディズニーで働いてみたいと願って応募してくるということだと私は思います。

つまり、過去に気持ちいい接客というものを体験している人、そういうものがあるということを知っている人、意識したことがある人、です。

楽しい買い物、サービス、心配り、などを受けたことがあって、それに気づいたことがある人。良いサービスとはこういうことだの体験事例がある人。

この自覚が元々あるかないかの差は大きい。なぜなら、これがあると

素晴らしいサービスをする自分を「演じる」事ができるんです。

常に明るい笑顔も、気持ちのよい挨拶も、気さくな会話も、繊細な気配りも、元々の性格で持っていなくてもいいんです。演じることができればいいんです。

たぶん、包装担当した女の子もコンビニレジの彼も、その「イメージ」を持っていない。だから演じることができす素の自分のままでいる。そして目の前のお客さんよりもマニュアルや先輩の目を重要視してしまうのです。

でも彼らもまだ若いし、これからの仕事でそれを持つことができればきっと変わるかもしれません。

新しい袋に変えようかなと思った心を止めたもの、「真ん中に並んで下さい」と気がついた時に言おうとする心を止めたもの、その正体は一体何だったのか?

相手に良かれ、自分に良かれと感じていながら行動や言葉にできない。これは「コミュ力が低いから」ではなくて、優先順位を決める価値観とその先のイメージが育ってない、ということだと思う。それが育てば行動が変わり、「コミュ力が出てくる」のではないでしょうか。

そのジョブの理想形を演じる気持ち

レジの貼り紙

某コンビニにて。ちょっとうまいと思った貼り紙(笑)

ショップ時代、販売力のある人は大抵その「イメージと演技力」のある人だった。気に入らないことがあると店長の前でもフテくされているくせに売り場に立つとお客さまには満面の笑み…みたいな意味も含め(笑)

私自身も本来は決して愛想が良いタイプではなく、行動も遅く、気が利くタイプでもなく(むしろ利かない)、フレンドリーで気さくな性格でもないのですが、お店でそれを演じることはできていました。

販売職になる前からあるブランドの服が好きで、そこの店員さんからステキなサービスを受けていたこと、それが私の中で「演じる見本」になっていたんだと思います。

また、私は子供の頃から地震が怖くて揺れるとすぐビビるのですが、かつてお店で大きな地震があった時、至って冷静に怖がるお客さんに声をかけ、建物が耐震構造であることを説明する余裕があったことが有ります。あとで自分でもほんとうに驚きでした。仕事ならできるんだなぁと。

あの時の人格は、また接客ジョブにならないと出せないかもしれません(笑)

仕事に就くということは、そのジョブを演じる(ロールプレイ)という部分を含んでいるんだと思います。

もちろん、「伝説の寿司職人」を演じられても、肝心の寿司が握れなければどうしようもないように、専門的な知識や技術、資格が必要な仕事は演じるだけでは出来ませんが、そのジョブの理想のイメージを持っていること、それを「演じる」という気持ちを持っていること、それがあれば適性がイマイチだったとしても、そのジョブが好きでさえあれば、演じることも楽しめるのではないかな?

さて、そんなわけで、最初の主題の、

接客がうまい=販売力がある≠コミュ力が高い人

の考察ですが、元々の性格・性質でコミュ力が高いことよりも、仕事という場では、「理想イメージ」を持っているかどうか、そしてそれを演じようとする気持ちを持てるかどうか、の方が大きいのではないでしょうか?

もしあなたの職場のチームに、包装担当子ちゃんやコンビニレジ男くんがいたら、こまごまと「こういう時はこうする!」を教えるだけでなく、その子たちがかつて一度くらいは受けたことがある「いい接客」を思い出させる、イメージさせる、という指導をしてみるというのもアリかもしれません。

 

お店は舞台。私たちは女優!

 

そういえば昔、「お水の花道」というドラマにそんな決め台詞があったのを思い出しました。ちょうど私が販売やってた頃に放送されていて、財前直見さんがとてもかっこよくて毎週楽しみに見ていました^^

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  • 以前のエントリーの「仮面」の話に通じる部分がありますね。「接客モード」の時の演技している自分と素の自分が分離すると嘘っぽくなってしまうので、自分なりに考えていたのを懐かしく思い出しました。
    「いいサービス」を受けることは贅沢だけでなく、自分の体験を通じて還元できるようになるんですね。まとまらない感想ですが今回も「あるある〜」から「なるほど」と楽しく拝読しました!

    • Sayawenさん、コメントをありがとうございます。

      私も販売の時、お店にいる自分を嘘っぽく感じてしまうことがありました。
      たぶん演じてる自分が[自分以下」に感じてしまうととたんに辛くなるんですよね。
      演じる自分は絶対に「自分以上」にしなくてはいけない。これは今後どんな仮面をかぶる時でも同じことだと思います。

      良いもの、ステキなものに対する感覚をいつも敏感にしておきたいですね^^

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