さて、2014年GWの旅の二泊目は安曇野に宿を取りました。小布施から南下していきますが、途中、棚田好きの(正確には石垣好き)の私の希望で、姨捨(おばすて)というところへ立ち寄りました。
この棚田は1999年に「姨捨(田毎の月)」が国の名勝に指定され、2010年には「姨捨の棚田」として重要文化的景観として選定され、農林水産省により「日本の棚田100選」にも、その第1号として数えられ、2008年に全国に数ある月の名所の中から姨捨が第1位の「お月見ポイント」にも選ばれた。 更に時代を遡ると、高知県桂浜や京都府東山(滋賀県石山寺とする説もある。また豊臣秀吉は信濃更科と陸奥雄島、それに勝る京都伏見江と位置づけていた)とともに従来から日本三大名月に数えられ、いずれもその筆頭に上げられていた。
姨捨山 – Wikipediaより引用
古い石垣は城だけじゃなくて河原や棚田にも多くあります。特に棚田って、自然にはありえない、人間が知恵と工夫と手で創りだした独特の風景ですよね。関東ではあまり見られないこともあって、なんて綺麗なんだろうって思うのです。
3年前に萩に行った時も、東後畑棚田という棚田を見学しました。棚田の下はすぐ海になっていてここも大変きれいな景色でした(GW中で季節がら黄砂もすごかったのですが)
そんなわけで今回の旅ルート上に棚田があると知ったら行くしかないじゃないですか!てなわけで2日目は姨捨へ。
今回の旅MAPです。松代~小布施~姨捨~安曇野と、二泊三日で周りました。
※信州の旅の記事一覧はこちら→信州の旅日記 | ルッカ*ルシカ ブログ
いざ!棚田へ!
姨捨(おばすて)という地名もなんだか印象的ですよね。「姨捨山」といえば、昔あったという年を取った老人は労働力にならないから山に捨てるという棄老伝説。
ここがその伝承のある地なのかは正確には定かではないそうですが、広々とした善光寺平の風景が真下に広がるこの地は「名月の里」とも言われていて、古来より松尾芭蕉などたくさんの俳人・歌人が歌を詠んでいます。
わがこころ 慰めかねつさらしなや 姨捨山に照る月を見て(古今和歌集)
おもかげや 姨ひとり泣く 月の友(松尾芭蕉)
雨雲を 晴るるみ空の月影に 恨みなぐさむ姨捨の山(西行)
さらしなや 姥捨山の月ふけて わが世の秋は見るひともなし(樋口一葉)
夜景もとてもきれいなところらしいので、いつか夜にも来てみたいです。
さてさて、旅日記に戻ります。 棚田の場所はわかったのだけど、どこから見るポイントが一番きれいなのか的な情報がネットでは探せなくて、とりあえず行けばなんかしら看板とかあるかな?とスタートしました。
電車で行くのなら、JR篠ノ井線・姨捨駅からその周辺を歩くのがベストらしいですが、こちらは高速道路から車です。どこで降りてどこに停めればいいんだろ?と、調べたところ、長野自動車道の姨捨サービスエリアから徒歩で外に出られるとのこと。
そんなわけでこの姨捨SAに車を停めて、歩いて駅まで降りて散策することにしました。
が!
あたりまえなんですけど、棚田って急斜面にあるものなんですよね。ここのSAは山頂近くにあってここからでも眺めは超絶景。棚田はこの下に広がっています。
行きはよいよい帰りは怖い~~~♪
確定ですよwしかしここまで来たらやはり降りなくては!と、覚悟を持って斜面を降りていきます。
15分ほど下って行くと、JR篠ノ井線の線路にでました。向こうに見えるのが姨捨駅です。今回は駅には寄らずにさらに下ります。
「月見畑」という場所を示す看板があり、まずそこを目指して降りて行くと…なんとも想像の斜め上を行くシュールな遊具のある公園が。
ここは棚田に映る月を楽しめる場所なのだそうです。そしてこの辺りから棚田の風景が広がり始めてきました。この下に長楽寺というお寺があります。 こ、これ以上降りて行ったら帰り足(と心臓)がヤバイんですけど…というくらい降りてきましたが、こうなったら長楽寺まで頑張ってみることに。
長楽寺につきました。たくさんの歌碑があるお寺です。あの大きな石は「姨石(姨岩)」というそうで、あの上に乗って名月と棚田の風景を見ながら古来より多くの人が歌を読んだとか。
棚田です!!
正直、季節的には田んぼに水が入った頃のほうがきれいだろうなと思いつつ…でもこの曲線、やはり美しいですね!!
なーんて気持ち良い風なんだろう!!おもいっきり深呼吸です。
高地なのでソメイヨシノもまだ残っていて、薄いピンクに、濃いピンクに、赤、新緑のグリーン!この山々の彩りの美しさ!しばし風景に見とれます。ああ、来てよかったなぁ…。
しかーしw
わかってはいたけど帰りは降りてきた分登るのでした…病み上がりの体でしたのでチヌかと思ったw しかし姨捨SAにたどり着いてベンチに座った途端、滝のように汗が流れて、そのあとしつこく残っていた鼻水がピタリと止まったのです。もしかして風邪、なおちゃった??
棚田パワー(謎)すげ~!!
そんな姨捨棚田めぐりでした。SAから行かれる人は脚力を鍛えておいたほうがいいと思います(笑)あと季節はGWだとやはりちょっと早いですね。5月中旬~下旬が良さそうです。真夏はかなり暑そうな気がします。
旅のこぼれ話
棚田とは全く関係ない話です。ドライブ中、BGMに徳永英明さんが歌うユーミンの「卒業写真」がかかりました。
♪人混みに流されて変わっていく私を あなたは時々遠くで叱って
という有名なフレーズがありますが、これってオンナゴコロ的には共感できるフレーズなんだけど、男ってこういう気持ちになることってあるのかなと素朴な疑問を持ち、ゼツ(ダンナ)に聞いてみたところ
「絶対ない」
即答されました(-_-;) ※意見には個人差があるとは思います
「木綿のハンカチーフならわかる」
というので歌詞を思い出したら、
♪恋人よ、君を忘れて変わっていく僕を許して じゃないですか!!
そうかー。女は「変わっていく私を叱って」だけど、男は「変わっていく僕を許して」なのか。うーむうーむ。
そんなわけで、納得しつつもなんだか腹が立ってきたのでした。…姨ひとり泣く月の友(笑)
参考リンク
信州千曲市観光情報サイト|「姨捨棚田」ウォーキングコース 信州千曲市観光情報サイト|姨捨山 名月の里 さらしな・姨捨 [千曲市観光協会]