1個の卵 | Rucca*Lusikka

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横浜のwebデザイナー&ライターRucca(ルッカ)のサイトです。ノート術で人生を楽しくおもしろくすることをテーマにブログを書いてます。

先週末はとても暖かいと思ったら、明日あたりまた寒いみたいですね。風邪を引きそうで引かない今日この頃です。

でも季節は着実に春に向ってるんだな~。花粉もそろそろ飛び出してるようですし・・・昨年亡くなった父が病気を発症したのも今頃だったなぁ・・・と思うと、もう一年なのかという気がしてしまいます。

最初はちょっと体調不良のところにお酒を飲みすぎちゃったのかな?という感じで、次はちょっとボケが始まっちゃったのかな?になって、お酒やめてお酒の害が体から抜ければ治るとずっと思ってて、でもだんだん朝できていたことが夜にはもうできなくなっていって、歩けなくなって、しゃべれなくなって、入院する頃には水を飲む事もできなくなって。

どうやらこれはお酒が原因の病気ではないといわれて、でも他の原因がわからなくて、この頃にはもう父は元のようには戻れないってだんだん覚悟ができてたんだけど・・・3ヶ月経って転院したさきの病院でやっと、ある病気の疑いがあるといわれて、検査して・・・でもこの病気の検査ができる大学病院は少ないから時間がかかって、、検査結果を待たずに9月に亡くなってしまった。

闘病中のことはとても長く感じていたけど・・・こう振り返ると本当にあっという間だったな。。。

お彼岸に亡くなるのは寿命なんだよって、葬儀に来てくださった方から何度も言われました。

父はその前年から何度か手術を重ねてて、ようやく全部終わって術後の経過も良くて1年経って、もう心配ないね、と思ってたときに今度の病気の発症でした・・・しかも前の病歴とは全く関係ない病気・・・。

今でも思い出すと無念な気持ちがあるけれど、お彼岸でなくなるのは寿命・・・というのならもうそうなのか、と思うしかないですね。
うーん、なんかいろいろ思い出したらしんみりしてしまった。

話は全然変わるけれど、

昨日、作家の村上春樹さんが、イスラエル最高の文学賞「エルサレム賞」を受賞されて、授賞式で講演をされたというニュースの記事を読みました。

イスラエルといえば今ガザ地区への攻撃で国際的にも批判を浴びています。春樹さんへも国内で受賞や式典への辞退を求める声が多かったそうです。ご本人も「イスラエルを訪れることが適当なことかどうか、一方を支持することにならないかと悩んだ」そうです。

そして考えた結果、「欠席して何も言わないよりも、ここへ来て話すことを選んだ」と、講演の中でイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への攻撃を批判しました。
そしてこう仰ったそうです。

「固い、高い壁があり、それに1個の卵がぶつかって壊れるとき、どんなに壁が正しくても、どんなに卵が間違っていても、わたしは卵の側に立つ。なぜならば、わたしたち1人1人は1個の卵であり、ひとつしか存在しない、壊れやすい殻に入った精神だからだ。わたしたちが立ち向かっているのは高い壁であり、その壁とは制度だ」

すごく感銘を受けました。
私たちは壊れやすい卵なのだ。
父の病気から一番学んだ事もそういうことのような気がします。
卵なのだという事を知らなさ過ぎる。

今、格差社会と言われて困ってる人がたくさんいる。
その人たちを「自己責任だ」という。「自業自得だ」という。そう言える人は自分も「卵」なんだっていうのがわかってないんだと思う。もちろん、努力や勤勉で卵が割れないようにプチプチを用意する事はできる。でも「卵」であることだけは変わらないのだ。

大きな衝撃を受けたときに、1回目で割れるか割れないか位の違いでしかないんじゃないかな?
所詮は卵なのだ。

「不況」なんてまだいい。「戦争」、「病気」・・・。

卵である事を忘れている事が、ある意味「平和」な事なのかもしれないけどね。でもその平和はちょっとバブルだ。

春樹さん、「ノルウェイの森」と「羊をめぐる冒険」くらいしか読んだ事がなかったんだけど、「アンダーグラウンド」とかノンフィクションも書いてましたよね。今度いろいろ読んでみます。

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