知る権利と決める義務 | Rucca*Lusikka

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去年の夏の終わりに、父が定期健診で「大動脈瘤」というのが見つかって、即手術のはずだったのですが、他にも病気がいくつか見つかってしまい、そちらから手術・治療となり、なんだかんだと年を越えやっと今月、その大動脈の手術となりました。

かなり大きな難しい手術ということで、先週その説明を本人と母と私とで主治医の先生から受けました。

インフォームドコンセント

[informed consent]

〔説明をうけた上での同意の意〕医師が患者に診療の目的・内容を十分に説明して、患者の納得を得て治療すること。

今ってこの形式がどの病院でも取られているんですね。ひと昔前だと本人には「大丈夫ですよ」と言ったあと、「・・・奥さんちょっと来て下さい」みたいな感じだったと思うんですが。患者や家族のほうも、先生にお任せします、みたいな。

主治医の先生いわく、これによって患者さんには「知る権利」が与えられると同時に「自分で決める義務」も生まれるのです、と説明されました。

わかりやすくいうと「ガン告知」などで、たとえばガンの患者さんに、昔は本人にはそのことを隠して余計なストレスを与えない、という方針もあったけど、インフォームドコンセントの原理では、やはり全てをお話して、今後、痛みや副作用を伴う治療を望むか、積極的な治療はしないで痛みを和らげる方を選ぶのか、最終的には本人の意思によって方法を決めるという事なんだそうです。

働き盛りのお父さんなら治療を望む方が多いだろうし、90歳近いおじいさんならもう痛いのはいいです、と思うかもしれないし。

父の場合も、さまざまな危険性や手術をした後のリスクなど、そんな不安感を煽るような(本当のことだとはわかってはいても)キツイ事本人に今言わなくっても・・・と、ハラハラするようなことをハッキリ言われました。

そういうリスクを全部承知で手術に同意するかしないかを、書面で明らかにしておかないとならないそうです。

「知る権利」と「自分で決める義務」・・・難しいですねぇ。

私だったらどうだろう?歯医者に行くのも怖いチキン野郎なので、もしかしたら私はガン告知なんてされたくないかもしれない。でもはっきり知っておいた方が、心構えが出来て悔いなく残りの生がおくれるかもしれない・・・頭ではわかってますが・・・。

ああーそれにしても年をとるっていうのは、死ぬという「不治の病」が進行していくことなんだなぁ・・・生きてるだけでいつか死んでしまうのね・・・へんな言い方だけど。

父の場合、もともとあまり物事に執着がない人なので、好きなお酒が飲めなくなるなら死んだ方がいい、と考えるかもしれない。仕事も引退して借金もなく、息子と娘もそれぞれ心配なく、孫も元気に育ってる・・・そう思うと母次第かも。母がどれだけ父が生きてくれるのを望んでいるかどうか。

年をとるとやはり夫婦って大事なんだなぁ。けっしてものすごい仲良しな夫婦じゃなかったんだけどね・・・(^_^;)

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