映画「君の名は。」のラストシーンにちょっと思ったこと※ネタバレ注意 | Rucca*Lusikka

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日々の気づきをノートに綴っていく。その時間が自分の未来をよりおもしろいものに変えていく。そんな気づきの一滴をすくって描くRuccaのブログです。Lusikkaはフィンランド語で「スプーン」のことです。

今年はシン・ゴジラと君の名は。と、邦画でヒットが続いてますね。

両方見ましたがどちらもとてもおもしろかった。シン・ゴジラのほうは特にファンの人による二次ネタがまたおもしろく、「蒲田くん」イラストなどTwitterで流れてくるのが楽しみになってます。

さて、今回は「君の名は。」の話。

私は新海監督の作品は前のも何作か観ていて、特に「ほしのこえ」がとても好きなのですが、新海監督作品ってどれも作品の世界に「入り込むまで」がけっこう大変なのです。

あの青臭い感じの、思春期の文学少年の自意識過剰な世界観のキモさ、いやピュアさの表現というか、あれにね、ワタシの中の汚れっちまったオトナ部分がアレルギー反応を起こすのだ。本来ドロドロしてるものをあえて過剰に美しく描くことでドロドロ感を封じ込める無理矢理さに。

でもそれは最初の5分だけで、その5分を耐えれば無理矢理へのヘイトは消え、あとは物語の中の世界観を楽しむことができて、些細なストーリーの矛盾とかディティールの粗さ(破れたスカートにお裁縫で刺繍する女子高生っているか?みたいな)とかそういうの一切気にならなくなって、美しい風景描写と、せつない心のすれ違いなどなどに、最後はぽろぽろ涙を流してたりするんです。

で、すっかりきれいなココロになって、物語世界を楽しんだ満足感にあふれるわけですが、しばらくたつと「あれ?そんなに感動する話だったかな?」と思うようになり、でもまた観て最初の5分をクリアすれば、きっとまた同じように感動してきれいなココロに…(以下ループ)

なんとも不思議な作家さんです(笑)

さて。

そんなわけで「君の名は。」現在大ヒット中ということですでに観た人も多いかと思いますが、これも最初は「また神木くんかよ」「最近の邦画って神木くん使えばなんとかなると思ってるよね」と、そのあざとさ?にナナメな心から観はじめたのですが、最初の3分でもう物語に入り込み、最後には

神木くん最高~!!

となってしまってました(笑)

ストーリーもテンポが良く、映像はもう抜群の美しさで、声優さんは神木くんも良かったけど、女の子のほうの上白石萌音さんも素晴らしかったです。

でも見終わって2週間がたって、やっぱりいろいろフツフツとこみあげてくる「あれ?」がありましてw、大ヒット作品にケチをつける気は全くないのですが、その辺ちょっと今日は考えてみたくなりました。

ネタバレ注意!まだ見てない人はこの先を読まないほうが絶対に!!いいです!!

 

おもしろいタイムトラベルものに必ずあるもの

君の名は。

(C)2016「君の名は。」製作委員会

君の名は。 : 場面カット – 映画.comより画像引用

秒速5センチメートルを見たことがある人は、君の名は。のラストシーンですごくハラハラしたと思います。

で、結局この2人は出会うの?出会わないの??的な。

秒速~では出会わずに終わってしまいましたが、「君の名は。」ではちゃんと出会えてハッピーエンドでした。だからホッとしました。だってここで出会わず終わっちゃったらお客さん許さないでしょー!

本当にハッピーエンドでよかったと、心から心から思っています。

でもしばらくたつとすごく違和感?が出てきちゃったのだ。それはですね、やはりストーリーに「タイムトラベル(リープでもスリップでも)」要素が入っていたからかもしれない。

ざっくりいうとこの話は、ひとつの村が隕石の落下で滅びてしまったというAルートの歴史を撤回するために、3年未来にいた男の子が、実はその隕石落下の悲劇を食い止めるための神秘能力を持つ一族だった女の子とともに奇跡を起こし、隕石は落ちたけど村人は助かったBルートに変える、というストーリーです。

タイムトラベルモノの映画や小説・マンガというのはいつの時代にも必ずヒット作があって、ぱっと今思いつくものだけでも「夏への扉」とか「王家の紋章」とか「バックトゥーザフューチャー」とか「時をかける少女」「とらえられたスクールバス(時空の旅人)」「JIN」「時生」「信長協奏曲」などなど。思い出せばもっといっぱいあると思う。

私が特に好きなのは、萩尾望都ファンということもありますが「銀の三角」「バルバラ異界」、これも時空を超えた作品です。

過去に行ってそこで生きていくだけの話もあるし、過去に行ったことによって未来が変わってしまい、さあどうしようとそれを修正しにまた過去に行く話もあれば、最初から目的を持って過去を修正に行く話もあるし、未来からやってきた人間が今を変えて去っていく話もあれば、過去に自分の人生を変えてくれた謎の人物が未来の自分だった話、いろんなパターンがあります。

ただこれは好みの問題なんだけど、私が納得できる、というか、おもしろいと思えるタイムトラベルの話って、たいてい最後に主人公が何かを得る代わりに何かを失ってるんですよね。

  • 「時をかける少女(大林監督)」は、愛する人の記憶を失っている。
  • 「時をかける少女(細田監督)」は、親友の命の代わりに大切な人を失っている。
  • 「JIN(マンガのほう)」は最愛の人の命の代わりにその人と生きる未来を失っている(もうひとりの自分はそれを得ているけど)
  • 「銀の三角」では、運命の結び目となっていた少年の存在そのものがなかったことになってしまう。
  • 「バルバラ異界」では、最大に愛するものを(再び)得ながら、同時に同じくらい愛していたものを失う。

この中で「君の名は。」とシチュエーションが近いのが「バルバラ異界」で、たどるべきAルートの未来を回避するために、過去と未来に干渉する力を持つモノ(君の名はだと神社のご神体?)が「歴史のやり直し」をする(させる)。

そして「君の名は。」には「口噛み酒」という奇跡と関わるアイテムがあり、バルバラ異界には「◯◯を食べる」という、やはり奇跡に通じる儀式がある。

そして奇跡の代償として「バルバラ異界」では、あまりにも大きかったものを主人公も読者も失うのだ。

でもそれは結果的に「もともとの間違いを正した」ということで、登場人物たちは前より少し幸せになっている(ただそのために起きたひずみの予兆だけを不気味に潜ませながら…)

が、やはり「失ったもの」の喪失感がすごい。だからこそこれはすごいラストだと思う。

タイムトラベルで得た幸せの代償、がないタイムトラベルものは、実は心にあとあとまでは響いてこない・・・というかやっぱり何かが足りない。

だから「君の名は。」はおもしろかったけど、やはり「バックトゥーザフューチャー」的な娯楽作品だなぁと。あ、もちろん娯楽作品としては大・大成功で、最後はハッピーエンドでよかったと心から思っていますよ。

でもあえていうのなら、たとえば主人公の2人の時差を、3年と言わず20年…いやせめて10年にして欲しかったな。代償として。

そうすると、ラストのあの階段のところで出会った2人の年の差は10歳になるわけですよ(女の子のほうが上)。

10歳以上の年の差で、お互いがお互いとわかり、それで愛し合えたら、それこそその愛が「本物」というリアリティが出るんだけどな。

(もし愛し合えなかったとしてもそれもまた代償ということで)

でもそうしちゃったら、おそらくここまでのヒット作品にはまずならなかったかもね(笑)

 

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あとがき

新海監督作品の不思議さは「ほしのこえ」が一番だと思ってます。まだあまり装飾過剰じゃなかったからそのぶんダイレクトに。
機会があればもう一度「君の名は。」は見ておきたいな。ラストについてもう一回考えたい(笑)

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