今月はGWもあって働く日数がちと少ないなぁと思ってた折、たまたま派遣会社から電話があったから「月後半に短期でなんかないですかぁ?」と聞いてみたら、たまたま丁度いいのがありましたので、先週からそっちで働いております。
そんなわけでバタバタしてなかなか更新が出来ないのですが・・・。
先々週末、ゼツが会社の方からDVDを借りてきました。
クリント・イーストウッド監督で、渡辺謙主演でも話題になった映画です。
劇場で公開中の時も気になってはいたのですが、戦争映画が苦手なので、ちょっと躊躇していました。
今回も、ゼツが借りてこなければ観ることはなかっと思うのですが、観ておいてよかったです。
とてもいい映画だと思いました。あ、それと絶対、どちらも観ることをお勧めいたします。
この映画は、太平洋戦争末期の硫黄島の戦いを日米両方の視点から作られています。
どちらの映画も、あまり感情的なところはなく、お涙頂戴でもなく、戦争映画なので残虐な場面の描写はありますが、ことさらにそればかりを強調するような所もなく、むしろ「淡々と」事実が追いかけられていってます(もちろん創作の部分も大きいのでしょうが)。
私は小説を(ドラマや映画でも)読む時、親切に物語を「語って」くれるモノよりも、想像のスペースを残してくれる作りのモノのほうが好きであります。ハッキリと白黒つけないラストとか、役者の微妙な表情で気持ちを想像させるものとか、そういうの。だからあえて言うと何でも役者にセリフとしてしゃべらせる橋田寿賀子的脚本のモノは嫌い。
昔はそういう起承転結のハッキリしないあいまいな小説は嫌いで、ただの不親切&作者のカッコつけだと思っていたけど、大人になるにつれ、本をいろいろ読んでいくうちにその辺が少し成長したのかも??(とはいえ、わかる人だけわかればいいんだよ、みたいなスタンスの、ヘンに小難しいだけの作品は嫌いですが)
そういう意味ではこの2本の映画も、「淡々と」した作りが、観る人の年齢や感性、想像力、知識、にあわせて奥行きや広がりを持つタイプの作品なんじゃないかと思いました。
戦争映画ってとても難しい。単純に反戦、とか言うのは簡単だけど、その戦争が今から遠いものなのか、近いものなのか、によっても見方が変わってしまう。いや、戦いはみんな同じ、悲惨さは同じ、というのも分かる。でも「墨攻」の戦争と「硫黄島」の戦争はやはり違うんじゃないか?とも思ってしまう。
その辺がね、考え出すとどうにもわからなくなってしまう。
この映画、両方から伝わってくるメッセージは、戦場に勝者も敗者もない。英雄なんていない。ということです。
圧倒的な戦力の差。
絶対に敗北する戦いに向けて、自分たちが1日ここで敵を食い止めることによって、本土への攻撃が1日延びる、その為だけの死闘。その為だけの命。
Wikipedia『硫黄島の戦い』によると、日本軍の戦力は2万933人、うち戦死者が2万129人って・・・。
勝利したアメリカ軍の被害も大きかったそうです。この写真はあの有名な星条旗を掲げる写真、ですが、
「父親たちの星条旗」では、この写真から物語が始まりました。
この写真だけが、平和なアメリカ本土では戦勝の象徴として一人歩きしてしまい、この写真の6人の兵士のうち、生き残った3人は帰国すると英雄扱いされ、戦争のプロパガンタに利用されてしまいます。
アメリカのこの、戦場と本土との、このものすごい温度差というか・・・。戦争を起こすヤツはいつも安全な所からゲームのように戦況を見ているのか。彼らを英雄として祭り上げる民衆も・・・。本当に英雄なのは死んでいった奴らだ、と、帰国した3人のうちの1人はその後うつ病になってしまい、アル中になり、死んでしまったそうです。
負けて死んでいった日本人兵士も、勝って帰国した兵士も、なんだか本当にかわいそうだ。本当にかわいそうだよ。。。
映画では最後の最後まで生き残った日本人が二人。この「生き残り」方も、今の私の器ではちょっとまだ受け止めきれないのですが、なんだかこの二人の生き残り方は運とかそういうのだけじゃなくて、なんだかいろいろ考えさえられます。
あーー、なんか支離滅裂な内容です。うーん、限界。
そんなわけでまた機会があったら・・・。
ただこの戦争は、この映画はフィクションではなくて、ほんの60年前の出来事なんだよね。私の祖父母の世代のお話なんだよね。。おじいちゃんにもっと戦争の話を聞いておくんだったな・・・。
あのパン屋の若旦那は、あんな戦場から帰ってきて、その後普通に生きていけるんだろうか?みんなそうやって生きてきたのだとすれば、人間はなんて強くできているのだろう。。。