前々回のブログの記事、「世間ではなく「社会」に届く言語で話すということについて」の中で、「自分が劇的に変わるきっかけになるもの」について、
- 言語を手に入れる
- キーワードを手に入れる
- 仮面を手に入れる
ではないか?と考えている、と書いたのですが、今回はその続きで「キーワードを手に入れる」ことについて考えてみたいと思います。
※前に「キーワード」と書きましたが、考えているうちに「キーワード」だと思うイメージと違ったので、以降「キーメッセージ」と変更します。
最初の「言語」とは、届けたい相手に伝わる言葉、のことです。相手との関係性の中で一番最適な言葉が使えるかどうか。特に今の時代は顔の見えない相手と「文字で会話をする」という新しい形のコミュニケーションが増えました。
実はそこは、相手によって自分の顔を使い分けることが出来ない場所、常に自分の「ひとつの顔」だけで、近い人にも遠い人にもコミュニケーションする、という今までになかったスタイルで臨まなくてはならない「場」だったんです。
「ひとつの顔」についての記事はこちら→ひとつの自分ですべての関わりの人に対するということ【ブログ編】 | ルッカ*ルシカ ブログ
しかし今までどおり使っていけば、発言はいつも返事をしてくれる「近い人」向けの言葉になっていきます。もちろんそれだけで充分SNSは楽しい。だけど「近い人」に向けて出した言葉も実は「社会」につながっている。その視点がなく悪ふざけをしすぎてしまうと、「炎上」という大きなペナルティを受けてしまう危険がある。
だけど「社会」には怖い人ばかりがいるのではない。SNSやブログを使って自分を発信していくことは、まだ会えていない自分の「共感者」「仲間」に出会えるという大きな可能性を持っています。
その「可能性」は、行き止まりから新しい道を拓いたり、無名の人が有名になったり、弱者が弱者のままで強者になったり、ダメだと言われていたものに光が当たったり、思いもかけない助っ人が現れたり…といった、何かがひっくりかえるかもしれない「可能性」です。
自分の今の現状を変えたいと願った時、その「可能性」を信じて発信をするなら、近い人にだけ通じる内輪(世間)の言葉ではなく、その向こうにいるこれから出会いたい「社会」の人へ届く言語で話すことを意識しなくてはならない。そうでなければあなたの言葉はまだ見ぬ人には届かない。
それが「言語を手に入れる」です。「言語」といっても基本敬語であれば、それは「届く言葉」です。難しいわけではありません。
ですが「社会」の人に届けようという姿勢で書くということは、何から(どこから)書くか、何を書かないか、どんなスタイルで書くか、どんなデザインを選ぶか、そもそも自分は何を届けたいのか、何を為したいのか、どうしたらそれが伝わるのか、をよくよく考えることが必要になります。
でもまずは「伝わるための正しい言語」というのがある、ということに気がつけばそれが一歩!
そして次の、今日のテーマが「自分のキーメッセージ」を得る、ということについてです。
キーメッセージってなに?
キーメッセージとはなにか?というと、「自分の想いを表した短い言葉」です。
たとえばブログでいうと、ブログタイトル、またはそのdescription。これはこのブログを作った時もうんと悩みましたし、仕事でお客さまのサイトを作るときも一番悩んでいただくところです。
このブログのタイトルは「ルッカ*ルシカ ブログ」です。ブログをリニューアルするとき、私には「ここから自分を発信して新しい仕事につなげていきたい」という目標がありました。さて、どんなタイトルにするべきだろうか?
リニューアル前のブログのタイトルは「OrangeMail」でした。これは私がオレンジ色が好きだからつけた名前。シンプルで気に入っていましたが「Mail」という表現がなんだか私的な日記ぽいし、他にも同じタイトルのブログが何件もありそうです。なのでリニューアルとともに変えることに。
でも、あまり書くテーマを限定させるようなタイトルにはしたくなく、奇をてらったものよりも長く親しめるようにシンプルなものがいい。
ルッカ(Rucca)はずっと前から私が使っていたハンドルネームです。でもruccaだけではドメインが取れず、ではひとこと加えようとなり、ルッカと似た響きで、フォンランド語で「スプーン」のことを「Lusikka(ルシッカ)」ということを知り、ルッカのスプーンという意味で、
ルッカ*ルシカ ブログ(Rucca*Lusikka)
になったのでした。
ルッカがスプーンでいろいろ気になったことを掬っていくブログ、という意味です。結構こじつけ&語呂合わせですね(笑)タイトルそのものには強いメッセージや色はつけず、私らしく(名前だし)なおかつ同じブログ名は(今のところ)ない、ということでなかなか気に入ってます。
さて、さらに悩んだのがdescription。ブログの短い説明文のことです。2013年10月現在、このブログのdescriptionは、
趣味はカフェでコーヒー飲みながらのノート書き。
スマートノートでいろんな想いを重ね繋げながら
自由自在な「おもしろき人」になりたいRuccaのブログです。
横浜でグラフィック&webデザインのお仕事などしてます。
となっています。でも実は少しづつ、すでに5回くらい内容は変わっています。Twitterのプロフィール文もそうです。ごくフツーの紹介文なんですけど実はウンウン唸って考えました。Twitterはこちら。
アパレル店長から勉強&修行を経て、在宅でグラフィック&webデザインの仕事をしています。 趣味は本屋&文房具店巡りとカフェでの「スマートノート」書き。人生の目標は「考える力と伝える力」を持った自由自在な「おもしろき人」になること。 ブログはこちら↓ルッカ*ルシカ ブログ
横浜@裏横???rucca-lusikka.com/blog/
これらが今現在の、わたしの「キーメッセージ」です。自分を端的に表現するための「タグ」を文章化したもの。これに至る前に自分で考えた自分のタグはこちらです。
「ノート」「文房具」「本」「ブログ」「スマートノート」「カフェ好き」「横浜」「フリー」「在宅」「デザイナー」「おもしろき人」「考える」「元アパレル店長」
こんなふうに自分で自分につけました。そして発信を続けていくうちに「社会」の人が私にタグを付けてくれました。それはTwitterで私が入れられているリストを見るとわかります。そのリスト名は上のタグの言葉とだいたい一致しています。
おもしろいなと思ったのが「なんとかなるさ」というリストに入っていたことです。見つけた時ちょっと嬉しかった^^
キーメッセージを手に入れると変わること
この「タグ」については、次に書きたいと思ってる「仮面」にも少しつながるかもしれないと思ってます。
この自分のタグ、自分のキーメッセージを見つけること。それをつけて、なおかつ人からつけられるそれが自分と大きく乖離していないのならば、
自分がどんな人間で、今まで何をしてきてて、これから何をしたいと思っていて、どんな人に出会いたいと思ってて、どんなギフトを持っているか。
これは伝わってるということかな?
キーメッセージがあると、想いが人に伝わりやすくなります。そして自分も人に伝えやすくなります。何をブログに書いていったらいいか、何を自分は書きたかったのか、迷ったり悩んだ時ここに戻ればいいのですから。
でも、世の中はどんどん変わっていきます。自分も少しずつ変わります。変わらないものと変わっていくもののなかで、作ったキーメッセージが「今」に合わなくなってきたり、自分についたタグが窮屈になったりすることも起きてくると思います。
また、もっと想いが伝わる言葉が、表現があるかもしれない。「想い」そのものをもっと深く掘り下げれば別の言葉が生まれてくるかもしれない。
このブログのキーメッセージも今のこれが完成じゃなくて、表現はこれからも変わっていくでしょう。企業のキャッチコピーが時代とともに変わっていくように。でも一番大切な想い…「mission」は変わらない。
変わらない想い=「mission」と、自分自身の「今」をつなげて表現することば=キーメッセージ。その「ひと言」をつねに持っているために、考える、考える、考える。
私の考える方法は、いつもそうですがノートとポストイットです。ノートでまず考える、マインドマップを作る(広げる)、そしてポストイットに言葉をひとつひとつ書き出す、それをノートに貼っていく、グループにしていく、いらないものを削っていく(たたむ)。
ノートについてはMYノート術シリーズをご覧ください(全部で12+あって長いです)
→ Myノート術 | ルッカ*ルシカ ブログ
そうやって考えることで、自分の本当の思いや願いが具体的になって、考えることでそれらを表す言葉が見つかる。考えれば考えるほど、それを正しく表現できた言葉に出会える。
そしてようやく見つけた「言葉」は、願う未来への道をつくる。
ブログをつくる時に考えたキーメッセージが、今の私になっている。次の未来の為にまたつくる、考える。
そして、キーメッセージのもう一つのチカラ。
先日、山田ズーニーさんの文章表現のセミナーに参加しました。私にとってはとても充実してなおかつ重い4時間でした。そこでズーニーさんから強く伝わったメッセージは、
心の底からの想いが言葉となって「表現」された時、その人本人と想いを伝えた相手の心の開放だけでなく、それはそこに立ち会った他人の心も動かし開放する。
でした。それが表現のゴールであると。
考えること、そして言葉を探すこと、表現すること・・・それが誰かの心を開放したりする。
私のブログもそんなブログになれるのだろうか?・・・私の表現とは、私のメッセージとは、私の「想い」は?私自身は?・・・ほんとうにそれ?本当に見えてる?表現出来てる?
なんだかそんな哲学的な問いをど?んと頂き、なおかつまだまだ考えが浅い自分自身の姿を見つけちゃった思いとで、実はどっぷり疲れて重たい気持ちで帰ってきたのでした(セミナーそのものはもちろん素晴らしく、ズーニーさんの人柄と想いがしっかり伝わり、あたたかい気持ちになりました)
伝わる言語について考え、使い方を正しく磨いていくこと、そして自分の未来につながるキーメッセージを常に考え続けること、これはこれからまた再開しようと思うノート術シリーズのテーマにしたいな、と、今考えています。
このシリーズの記事
その1→「世間ではなく「社会」に届く言語で話すということについて」
その2→キーメッセージをつかむ…「言葉」は願う未来への道をつくる。
参考書籍
「言葉をつくる」というテーマで、今までに読んだ書籍です。広告をテーマにしたものが多いですが、すごく参考になりました。ズーニーさんの「伝わる揺さぶる?」は、スマートノートを実践してる人にもブロガーさんにも、文章を書く人全てにとってもオススメです!