横浜で外国人墓地といえば山手が浮かびますが、もうひとつこんな広大な敷地の外国人墓地があるなんて、市民でありながら全然知りませんでした。
最近は週末も仕事をしないといろいろ終わらなかったりということもあって、そういえばずいぶん「おでかけ♪」というものをしてないんじゃないかということで、先週末、天気もいいのでドライブに行って来ました。
こういう時の「ちょろっとドライブ」の出かけ先の定番はいつも決まってて、横浜横須賀道路を下って逗子で降りて、葉山のパン屋さんブレドールでランチを食べて、隣のサンルイ島でさくらんぼのクラフティという超絶☆激うまケーキを買って帰るのであります。
でもせっかく天気もいいし、春だし、海岸通りをドライブしたい・・・と思ったのですが、渋滞嫌いのゼツは嫌な顔をする・・・(-_-;)チッ。。
そんなわけでせっかく葉山まで来たのにすぐに横浜へとんぼ返りだったのでした。とはいえまだまだ明るい時間。このまま帰るのはちょっと物足りない。そこで思い出したのです。
最近は仕事でお世話になりまくりのカメラとバイクが趣味の友人・I君が、狩場の近くに「外国人墓地」があって、そこの芝生がきれいな時期かもしれないと話していたことを。
というわけで(前置きがものすごく長くなりましたが)行ってみようということに!
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場所はこちら。
狩場のインターを降りて、国道1号線を戸塚方面に行ってわりとすぐ、箱根駅伝で有名な権太坂の少し先です。まわりは植物園や遊園地などがある静かな住宅地でした。
植物園の駐車場に車を停めて、少し坂を上がったところに入り口があります。入場は無料。入りにくい雰囲気はありませんが、門を過ぎるとさらに静けさが増す感じです。
かなり雰囲気のある記帳所。
あまり予備知識のないまま来てしまったので、なぜこの場所に外国人墓地があるのか、どんな人たちが眠っているのかなど全然知らず・・・なのでここに日本語でのパンフレットがあったので頂いて来ました。
少し歩くと一面の芝生の中央に十字架のモニュメント。小さな四角い墓石がきれいに並んでいます。
ここは「英連邦横浜戦死者墓地」
第二次世界大戦中にシンガポールなどで日本軍の捕虜となり連行され、鉱山や工場で強制労働させられる中、病気や空襲などで故郷に帰ることなく日本で亡くなった兵士や民間人の方々が眠っているんだそうです。「英連邦」なのでイギリスのほか、オーストラリア、カナダ、インド、ニュージーランドの方々が区画に分けられています。
墓石を見ると、名前と、享年と、遺族の方のメッセージが彫られていて、なんだか胸がつまります。みんな若いの。ほとんどが20代なんです。
遠い異国の地で子どもが無念の死を迎えたとしたら、せめて骨だけでも祖国に返してやりたい・・・と、日本人的感覚だと思ってしまいます。が、イギリスでは「その土地で亡くなったらその土地に埋葬する」というのがスタンダードなんですね。
なので「英連邦墓地」というのは世界中にあるんだそうです。それでも横浜のここのはとりわけ広いのだそう。
エリザベス女王や、故ダイアナ妃が来日した時もここを訪れたんだそうです。
日曜日なのに人はほとんどいなくてとても静かでした。とてもとてもきれいに整備されていて、お墓なんだけど「陰」を感じさせる空気はなくて、緑も木々もほんとうに綺麗で・・・丁寧に人の手をかけてこれほどまでに整備されていることが供養になってるのかな、そうだといいな・・・と手を合わせながら思いました。
私、横浜に生まれ育って13年、再び住んでさらに10年、なのに知りませんでした。身近にこんな「戦争」を感じさせる場所があったんですね。
やはり「神聖」な場所なので、観光気分な感じでの「オススメ!」とは言えませんが、高台で風の通りもよく、今の季節は木々が生い茂り花は咲いて、青々とした芝生に静かに並んだ墓石の風景はやはり美しかったです。
ここに来たきっかけは単純な「どこかに行きたい」ではありましたが、遠い地で亡くなった若者とそのご家族に少しだけど想いを寄せ、平和について考える時間を持つことが出来ました。今またきな臭いニュースも増えてきてますね・・・。
隣接する植物園や遊園地には今回は寄りませんでしたが、こちらもかなり広くて歩き応えがありそう。今度はお弁当でも作ってこっちを散歩しに来たいな思いました。
英連邦横浜戦死者墓地(参観無料)
参観時間:AM8:00~PM5:00
住所:保土ヶ谷区狩場町238 電話:045-731-4208
アクセス:JR保土ヶ谷駅からバスで20分、「児童遊園地前」下車
参考リンク
「英連邦横浜戦死者墓地」はどうして横浜につくられた?[はまれぽ.com]